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INTERVIEW

Japanese

DOOKIE FESTA

2014年11月号掲載

DOOKIE FESTA

Member:井上 朝陽 (Vo/Gt) 安田 聡士 (Gt) 藤岡 慶行 (Ba) 小浦 哲郎 (Dr)

Interviewer:山口 智男

ストレートなギター・ロック・サウンドをエネルギッシュに奏でる大阪の4人組、DOOKIE FESTAが5thミニ・アルバム『living room TV』を完成させた。現在のメンバーが揃った2003年からライヴはもちろん、精力的に作品をリリースし続けてきたという。しかし、ひとりの男の心の軌跡を歌った今回の7曲を聴けば、彼らがどんなふうにバンドに取り組んできたか、一見順調に見えるプロフィールには表れないメンバーたちの想いが伝わるに違いない。だからこそ、彼らの歌は皮肉やトゲも感じさせながら、人間味に溢れ生々しい。ジョークを交えながらメンバー全員がインタビューに答えてくれた。

-『living room TV』は、みなさんがどういう想いでバンド活動に取り組んでいるのか伝わってくるような作品ですね。音楽活動がみなさんの生きかたそのものというか、生きかたが反映されているという印象を受けました。

井上:それどこかで使ってもいいですか(笑)。そういうふうに言ってもらえると嬉しいです。

-2009年に2ndミニ・アルバムをリリースして以降は年1枚ペースでリリースしているにも関わらず、今回の作品から感じたのは、悔しい想いにギリギリと歯軋りしながら、それでも必死になって前に進んできたバンドなのかなということでした。

井上:ああ、それはずっとやな。

安田:うん。だって、事務所が3回変わってますからね(笑)。

井上:周りの誰かと戦ってるわけではないんですけど、自分らのふがいなさもありながら、言いかたは悪いですけど、底辺を舐めつくしているという気持ちはすごいありますね。メッチャむかつくこともありました(笑)。自分らの音楽の在りかたとかやりかたとかがふがいなかったせいで起こったことではあるんですけど、それに対して、やり場のない怒りを感じて。でも、そういう怒りが原動力になってるところもあって、そういうときにこそまたひとつステップが踏めるんです。

-今回の『living room TV』を作るにあたっては、どんな作品にしようとか、どんな想いを込めようと考えたんですか?

井上:作り始めたときは全然、どういう作品にしたいか見えてなくて、とりあえず曲を作るところから始めたんですけど、最終的にアルバム・タイトルを決めるまで、どういう作品なのか自分でもわかってなかったんですよ。だから、曲のタイトルもアルバム・タイトルが決まってからようやく決められた。アルバム・タイトルが先っていうのは初めてだったんで面白かったですね。でも、できあがったら、結果、辻褄が合っていたというか、無理やりまとめたってところもなかったんですよ。

-そうなんですか。僕はてっきりコンセプトありきで作った作品なんだとばかり思っていました。

井上:いや、そういう作品にしようという考えはなかったです。ただ、アルバム・タイトルを決めるとき、全曲、テレビの中で起こってる出来事みたいに感じて。

-テレビの中の出来事? 井上さん自身の思いの丈が反映されていると思いました。それがテレビの中の出来事みたいに思えたっていうのが面白い。

井上:テレビと言っても、人の部屋を覗いているテレビ。監視カメラじゃないですけど、ひとり暮らしの男の六畳一間がずっと映ってるイメージなんです。

-そこで暮らしているのは井上さんじゃない?

井上:いや、僕でしょうね。それは完全に僕です(笑)。絶対、見られたくない。曲が揃ったとき、その1部屋の1日の模様というイメージがあったんです。6曲目の「夜の帳」なんて、完全に深夜を回って、酒を飲んでますからね。僕の中のイメージでは(笑)。完全に"アカン"スイッチが入ってる深夜の歌です。実際、深夜に"アカン"スイッチが入って書いた歌詞ではあるんですけど。

-たしかに"アカン"スイッチが入っていますよね(笑)。

井上:ものすごい人のことが嫌いになってる(笑)。何を言っても悪口しか出てこないみたいな。

-だって、"病原体"とまで言ってますよ(笑)。

井上:(歌詞を書いたときは)午前2時は回ってましたね。

-実際、特定の誰かに向けて歌っているんですか?

井上:みなまで聞かないでください。そこはもう、ね(笑)。でも、結局、嫌いな人がいるとしても、その人の嫌いなところって、鏡に写った自分に当てはまるみたいなね。そういう自分がイヤやっていう曲なんですよ。やっぱ深夜回ってる感じですね(笑)。