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INTERVIEW

Japanese

THE TEENAGE KISSERS

2014年07月号掲載

THE TEENAGE KISSERS

Member:北出 菜奈 (Vo) 猫田 ヒデヲ (Ba) 仲田 翼 (Gt) 小池 麻衣 (Ds)

Interviewer:吉羽 さおり

-ライヴでやっちゃう時ってもう歌詞もできてるんですか。

菜奈:歌詞も仮で。だから、レコーディングの時に変わったりとか、次にライヴでやる時に変わったりするけど。一応書かないとと思って、仮歌詞を書いてっていう感じで。

-菜奈さんはこれまで書いてきた曲と、このバンドだから表現できることとしての違いはありますか。

菜奈:ソロの時とですか。どうなんだろうな、バンドのイメージでは書いてますかね。メロディも違うし、曲調も違えば出したい言葉も違ってくるというのはありますね。だけど、そのときに出てくるものを、すごく自然に書いています。THE TEENAGE KISSERSを始めたときにあったわたしのイメージでは、ティーンエイジャーというのは感情がグラデーションにキラキラしてるところもあれば、暗いところもあって。絶望していたり、退屈していたり。悲しかったり、メランコリックだったり。そういう危うさや衝動的な感情を全体的にのせていきたいなっていうのはありましたね。自分が10代の時に、しかも10代の時に書きたくても書ききれてなかった部分もあったんです。そういう気持ちをこの音楽に乗せると、また自分のなかでかっこいいと思えたりしているので。

-なるほど。面白い曲がいろいろあって、先ほどから出ているTrack.1「Halt」も、アルバムの幕開けがこれですかっていう破壊力で。

ヒデヲ:フィードバックを10本重ねてますからね。しかも別に10本じゃなくてもいいんですけど、ここは10本だろと。

麻衣:どうせなら10本録っちゃおうっていうね。

-レコーディング作業もまた面白いですね。

翼:かなり。

ヒデヲ:通常ではアウトなやり方で録った音も収録されてますからね。でも、こだわるところはものすごくこだわって。やっぱり、90年代の雰囲気を出したいのはあったので、アナログの機材を使ったりとか、デジタルのデータをアナログに落とし込んで、また戻したりっていう作業をしたりとか。ちょっとエッジーな部分を取っていくっていうか。爆音なんだけど、ぬくもりがあるような感じの音っていうのを目指した部分はありますね。そのへんが、僕らが好きなバンド達が持っていたメランコリーな部分であったりとか、切ない部分であったりとかっていう。そんなに明るいハッピーな人間の集まりじゃないっていうのもあって(笑)。自然と音もそうなっていきつつっていうのもあるんですけど。

-かといってダウナーなサウンドかというと違って、90年代のバンドもそうですけど、ポップさもあるんですよね。そこは作り方としてもこだわっているんだろうなというのは感じますね。「Unicorn Riders」なんてまさに可愛らしさが出ていますね。

ヒデヲ:菜奈の歌のタルさ、メロウな感じ、でも優しい感じっていうのがドンピシャで。よく菜奈は鼻唄でも歌ってますね。

菜奈:(笑)鼻唄っぽいイメージだったから。

-90年代のバンドの女性ヴォーカルの感じって、素っ頓狂だけどどこか可愛らしさがあって、そこにキュンとくるっていうのはありましたしね。

ヒデヲ:たしかに。あとは「Jellyfish」とかのユルーいサイケの感じとか。僕の中で1番グランジな曲っていうのが、「Jellyfish」だったりするんですよね、実は。あまりがちゃがちゃ激しいところじゃないところの曲が、自分のなかでグランジだったりする。......まあ、いまどき、僕たちグランジやってますっていうのも。

-なかなか公言はしないですけどね(笑)。

ヒデヲ:ダサえなって一瞬思うんですけど(笑)。だって、いいじゃんって。みんな好きでしょ?っていう。グランジです、グランジ・アルバムですって言っていいんじゃない?っていう。オルタナティヴっていう言葉はもう溢れすぎているので、オルタナティヴって何だって言われると漠然としてると思うんですよね。だったらもう"どうも、グランジです"っていう(笑)。そのくらいの勢いはあるかな。

菜奈:聴いて新しいと思ってくれたらそれでいいし。聴いていた人が、いいなって思ってくれれば嬉しい!