Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

phonon

2014年06月号掲載

phonon

メンバー:イマイズミ ヒカル (Vo/Gt) 太田 雄大 (Ba) ちゃん矢野 (Dr)

インタビュアー:沖 さやこ

名古屋を中心に活動中の、愛知県豊明市出身の3ピース・バンドphononがリリースする1stミニ・アルバム『拝啓 この唄を書いたあなたへ』は、これまでのバンドの軌跡を閉じ込めつつ、この先を感じさせるアルバムだ。エッジの効いたスピード感のあるギター・ロックの「メランコリア」、やわらかいストリングスと歌心が切なく響く「夏の送電塔」と、全7曲でバンドのポテンシャルを強く感じさせる。スタート地点に立った3人が現在思うこととは――?

-まず、皆さんの出会いはいつだったのでしょう?

イマイズミ:出会いは小学生のときで、幼馴染の3人でやっています。中学も同じで、2年生のときに全員BUMP OF CHICKENを好きになって。そのくらいのときに"来年は3年生だし、文化祭でバンプのコピーやろうぜ!"という話になって、それで結成されたバンドです。そのときはまだ5人で、あとのふたりはギターだったんです。だけどいろいろあってひとり、またひとりと抜けてしまって。本当は4人でやっていくのが理想だったので、3人になってしまったときにどうしようかな......と思ったんですけど、3人でもできるんじゃないか?と思って。やっぱり音楽をやりたかったし。3ピースの好きなバンドもたくさんいたので、それを見て"こんな感じでできるんだな"と学んで。今は楽しくギターをやれています。

-この3人で本格的な活動を始めたのが2011年1月で、その年の9月には、ヤマハグループが主宰する23歳以下のアマチュア・ミュージシャンを対象とした音楽コンテスト"Music Revolution"の名古屋のファイナリストに選ばれ、名古屋Club Diamond Hallで演奏なさった。

イマイズミ:......すごい懐かしいですね(笑)。Diamond Hallは本当にでかい会場で。でも音が響く感じがして、演奏していてとても気持ち良かったです。いい体験ができました。地元のバンドと一緒に勝ち進んでいって、そのバンドと名古屋のライヴハウスと共同企画をやって。名古屋のバンドとも知り合えたり、いろんなバンドと仲良くなるきっかけができました。

矢野:その大会に出た石川県のバンドさんが、そのバンドの地元で開催した自主企画に僕らを呼んでくれて、初めて県外に行くきっかけができたんです。いい時期にいい出会いがあったと思います。

-その翌年、2012年にはSAKAE SP-RINGにも出演なさって、昨年は精力的にライヴ会場限定CDのリリースと自主企画ライヴを行ってらっしゃいます。2013年は皆さんにとってどんな期間でしたか?

イマイズミ:"Insolito"という自主企画を6月、9月、12月に行いました。6月が5バンドで、9月がスリーマン、12月にワンマンで......その時期はこの先バンドを続けていくか悩んでいた時期でもあって。特に矢野が、就職が決まったりしていて。悩みながら音源も作って、その音源を12月のワンマンでリリースして。その音源をきっかけに、矢野は就職をやめることを決断して。そのワンマン以降は"本当に真剣にバンドをやっていくぞ!"という決意を決めました。

矢野:今年の4月に(TOWER RECORDS限定で)リリースしたシングル『メランコリア/かげろう花火』があって、ワンマンでリリースしたのもその2曲が入ったシングルで。その「メランコリア」の歌詞に背中を押されたんです。

イマイズミ:それを矢野がブログに書いていて、ああ、ありがとう、と(笑)。それを読んで、頑張っていい曲といい歌詞を書こうと思ったし。......いい1年でしたね。

太田:去年は目まぐるしくて、徐々にバンドが加速していくのを自分たちでも感じていて。加速していく感じからも、あいつ(矢野)は就職できないだろうなと僕は思ってたんですけど(笑)。その決め手にその歌詞があったんだと思います。

-それだけバンドが油に乗れていた理由はなんだったのでしょう。

イマイズミ:それは「メランコリア」ですね。......これはたまたまできた曲なんです。イントロを僕が弾いて"なんか面白いイントロできたな"と思って、そのあと作るつもりでもなくて。でもそしたら周りがみんな"そのイントロいいね"と言ってきて、じゃあ続きを作ってみようかなと、その日に作り始めたら"あ、これはいけるんじゃないか"とすぐにサビやメロディ、歌詞もできて。それで"これを武器にこれから頑張っていこう"と思ったんです。だから矢野だけでなく、バンド全体にも「メランコリア」という曲が大きなきっかけになっていますね。自分たち、自分に向けて書いた曲です。

-3人のアンサンブルが効いた疾走感のあるギター・ロックである「メランコリア」。今回リリースされる全国流通盤であるミニ・アルバムのタイトル『拝啓 この唄を書いたあなたへ』も、この曲の詞から引用されたものですものね。

イマイズミ:"拝啓 この唄を書いたあなたへ 私はもう死んだけれど/賽はもう投げられてるんだよ どうか生き抜いて"という歌詞は、もうひとりの自分が言っているようなイメージで書いた言葉です。パラレル・ワールドにいる自分が、今の自分にエールを送ってくれる、背中を押してくれる......そういう意味を込めて。「メランコリア」は大事な曲で、"拝啓 この唄を書いたあなたへ"というフレーズも気に入っていたので、ミニ・アルバムのタイトルになりました。

-アルバムにはミディアム・テンポの曲が多いから外向きな「メランコリア」はこのアルバムの中でいい意味で異質に響きます。ミディアム・テンポの曲を3ピース・バンドでやっていくのは難しいことなので"このバンドには曲げたくないものがあるのかな"と思って。

イマイズミ:......まだ僕は人に向けて歌えないというか、そういう余裕がないというか。だから自分に向けて歌うんです。そうなるととても切ない曲というか、ちょっと陰というか、ネガティヴな曲になってしまう。だからバラードになるのかなと思っていて。でも「メランコリア」はあんまり何も考えずポンと出ちゃったので、外向きな曲になったのかもしれないです。