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INTERVIEW

Japanese

strange world's end

strange world's end

Member:飯田 カヅキ(Vo/Gt) 関根 ヒロユキ(Dr)

Interviewer:天野 史彬

-うーん、なるほど。これは僕の考え方なんですけど、ビートたけしの名言に"人生に期待するな"っていうのがあって。もちろん人や人生に何かを期待するのって、時としては大事なのかもしれないし、それは信頼関係に繋がっていくことだと思うんですけど、ただ期待し過ぎて、何かしてもらえるのをずっと待ち続けるのも、それはそれで凄く退屈なことなんですよね。だから、"人に期待しない"っていうのは、自分で物事を切り開いていくための強さでもあって。そいうことも、strange world's endの音楽からは感じるんですよね。

飯田:あぁ、なるほど......ほんとその通りだなって思います。......たとえば母親の愛ってあるじゃないですか。子供が人を殺しても、犯罪者になっても、母親は母親だと思うんですよ......大概は(笑)。そういのって素晴らしいなって思っていて。俺は自分がそんなにいい人間だとは思ってないし、子供の頃から病気になったりしたりして親孝行したことなんてないし、あんまり(母親に)優しく接したこともないんですけど、それでも母親はこのバンド活動すら応援してくれたりして。そういうのって凄いなって。それが自分の音楽に直結してるわけじゃないんだけど。

-でも、そういう母親が持つ無条件の愛、母性みたいなものって、strange world's endとリスナーの関係性にも通じていくものなんじゃないですか?だってこの音楽は、聴き手の闇も病みも、すべて受け入れるでしょう?

飯田:あぁ......なるほど。そういうのがあればいいですよね。......"ひとりではないよ"って思ってもらえたらいいかなって思います。人間ってやっぱりひとりじゃないですか。死ぬ時は当然ひとりだし。でも、生きてる間はひとりじゃないんですよ。どんな形で生きても、他者とは接触するし。それをどんなに拒絶したとしても、人はひとりでは生きられないんですよ。完全なる無人島で生まれて死んでいく人以外は。だから、どれだけ相手を拒絶しても、何かしら受け入れなきゃいけないんですよね。

-strange world's endでは、飯田さんは自主レーベル("strange cake records")のオーナーっていう立場でもあるわけですよね。今日も名刺をいただいたし。そうやって自分たちで裏の活動もちゃんとしたり、それこそメンバーが固定しなかった6年の間もずっと音楽を作り続けてこれたモチベーションが生まれる源も、今言ってくださったことにあるのかなって思います。

飯田:そうですね。意外と己を知っているので、迷いがないってことだと思います。そこはバイタリティになってると思いますね。結局、己を知ってる。自分たちはこうだってわかっているので、自分たちの1番強い部分で闘ってるようなもんなんですよ、今のところ。元々そんなにカードなんて持ってないので(笑)、今持ってる中で強いやつを出し続けていくしかないんですよね。......あとはやっぱり、単純に音楽が好きです。それだと思います。昔、死のうとしたこともあったし、もっと昔、子供の頃に苛められてたような時も、音楽を聴いて、自分はひとりじゃないんだっていう気持ちでいれたし。自分がそうやって救われた経験があるので、自分も何かしら音楽に返したいなって思ってて。曲を作るのも好きだし、楽しいし......もしそれが楽しくなくなったんであれば、そこまでだなって思うし。いつも面白いことを考えるのが好きっていうのがあるんですよね。この間も、ワンマン決定記念に彼(関根)はバンジー・ジャンプ跳びましたし(笑)。そういうのは、さすがに俺は無理だけど(笑)。

関根:ふふふ(笑)。

-でも、"己を知ってる"っていうのはいい言葉ですね。凄く大事ですよね。

飯田:明日からスポーツ選手になれるわけでもないですから。別に凄く強靭な精神力を持っているわけでもないけど、バンドを続ける持論としては、楽しむことですね。そもそも、常に新しい挑戦をし続けられるような精神力を持っている人間でもないんですよ。それなのにどうして続けてこれたのかって言ったら、バンドだからかな、とも思うし。こういう立場でやってると、メンバーも同じ夢を持って活動してくれてるわけだから、メンバーにはまず最初に夢を見させたいというか。俺が描いた世界に色をつけてくれるのがメンバーだから、俺もメンバーに夢を見せたい。......まぁ、そんなに夢があるようなバンドでもないんですけど(笑)。......ね?

関根:そうですね(笑)。

-関根さんは、飯田さんの作る曲であったり、このstrange world's endというバンドにどんな夢を見てますか?

関根:夢か......夢って言葉でくるとは思わなかったけど(笑)。でも、ポジティヴな人にはそれに合った音楽があるのかもしれないけど、(飯田は)悪いほうの救世主というか。そういう存在になってくれるんじゃないですかね。なってほしいです。ダークヒーローになってほしい。

飯田:ははは!ダークヒーロー。バットマンか(笑)。ヒース・レジャーのジョーカー好きだしね。

-いいですね、ダークヒーロー!素晴らしい夢も語られたし、今日はこの辺で締めようと思います。ありがとうございました。

飯田&関根:ありがとうございました。