Overseas
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Member:Alex Foster (Vo)
Interviewer:石角 友香
-日本ではミュージシャンが社会的な発言や活動をすると、“ミュージシャンは音楽をやっていればいいんだよ”という人もいるような風潮が未だに少なからずありますが、震災以降は影響力があるからこそ勇気をもって発言するミュージシャンも増えてきました。あなた方が発言や活動をする際に、心がけていることや注意していることはありますか?
すべてのアーティストにそれぞれ個人的な創作の理由がある。アーティストの心と魂の状態は理解しにくいかもしれないね。僕の音楽友達の何人かは、全く同じように考えているよ。“黙って音楽しろ”ってタイプのメンタリティだね。同じ世界に生きている者として、僕は彼らのやり方を尊重するよ。これまで僕らは、自分が説いていることを実践することより、他人に説くことに夢中になっている多くのアーティストを見て来たんだ。僕の中での純粋無垢な時代は、色々な意味で終わったんだと思う。だから他人の信念を信じるのが難しいんだ。“スターダムのために自分を殺す”風潮は最近多くの人を蝕んでいる。多くの人が有名になるために言うべきことを言う準備が出来ているんだ。たとえそれが流れ星ほどの名声だっとしてもね。でも、正しい理由で音楽に携わっている素晴らしい人々もいる。スポット・ライトを浴びているふりをしている人々よりも、スポット・ライトを浴びずとも、もっと多くのことを行っている人々がいるんだよ。それはまさに個人的な使命なんだ……そしてCDを売るためや評判を得るためだけの偽物のアーティストかどうかっていうのは、見分けがつきやすくなってきていると思う。みんなそれぞれ違うけど、公衆の目はバカにできない。1つだけアドバイスが出来るとしたら、そして僕は言い説教師じゃないけど、自分の発言に責任を持ち、真のヒーローたちを、子どもや友人、家族、周りの人々、町、土地や国のインスピレーションにさせることかな。僕は本物のヒーローたちを見て来た。僕はライヴハウスの2階のバルコニーから観客へとジャンプすることで知られてるかもしれないけど、本物のヒーローたちはインパクトを与えるために、うるさいスピーカーやクレイジーな量のワットは必要ないんだ。人を見つめる彼らの目の囁きで、十分人々を勇気づけられる。小麦は殻と共に成長し、それを2つに分けた時にだけ区別がつく。アーティスト自身のファンやステータスを大きくすることについてじゃない…少なくとも、僕はそういう風に見ているよ。
-さて、ようやくニュー・アルバム『Between Illness & Migration』について伺います。全体的にマイナー・キーの曲ばかりで、悲しみや混沌の中で前進するような力強さや誠実さを感じました。今回のアルバムを制作するにあたってのヴィジョンはどんなものだったのでしょうか?
君は正しいよ、そしてその構想は直感的に浮かんだんだ。アルバム全体を概念的なアート作品にしようなんていう野心的な決意があったわけじゃない。僕らは曲の魂を正直でリアルなものにしたかったんだ。バンドとしてそれを経験していく中で、そのプロセス自体が旅路となったよ。まるで曲ごとにヴィジョンがよりクリアになっていったように、制限や抑制なしに作曲していく中で、僕らが目にする以前に、曲自体が自らヴィジョンを明らかにしていったんだ。それが僕らにとって決定的な要素だった。僕らは“簡単”に出来たものを信じなかったし、僕らが見つけた“クール”で“良い”ものを非難した。本物である必要があったんだ。作詞のプロセスが自然に出来たのと同じくらい、個人的なレベルで作るのが難しかったアルバムだよ。僕らは自らを“やるか死ぬか”という状況に置いた。僕らにプロデューサーはいなかったんだ。全てを僕ら自身のスタジオで行い、自分たちの“プロデューサー的野望”がプロセスに入り込むことを許さない、とてもタイトなスケジュールに自らを追い込んだ。アルバム制作の旅路によって、『Between Illness & Migration』が僕らにとって親密なアルバムとなるのと同じくらい、これはその真髄において世界中の人々に共通するものなんだ。人生の色々な時期において、僕らみんなが経験すること……周りの人々や愛する人々を助け、救えたらと思うほど、彼らがその旅の途中で道に迷っていたことを知る。何となく、僕らはみんな悲しみの影を生きたり、それに対処する方法を学ぶんだと思う。たとえ、時に自らの悲しみで嘆きを育てていたとしても。けれど、絶望や侘しさ、失望を抱えているにも関わらず、孤独の霧や苦悩に満ちた暗闇の時期を経て、光が輝けるかどうかを見るために、人生に再びチャンスを与える人々がいる……かつて彼らを不幸の地に抑えていたすべてのものを手放す時、彼らは人生の新たなヴィジョンを現実にする。許し、贖い、自由そして再生を経験する。それは彼らの震える肌を覆い、ゆっくりと彼らの心と魂の深みへとしみ込んでいく、再び芽生えた人生の温かさ…自由なんだ…南三陸町災害ボランティアセンターで僕らが出会った人々のようにね。
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