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INTERVIEW

Overseas

THE HIVES

2012年06月号掲載

THE HIVES

Member:Vigilante Carlström (Gt)

Interviewer:沖 さやこ

THE HIVESが5年振りの新作『Lex Hives』を6月27日にリリースする。多数のプロデューサーを招いた前作『The Black And White Album』から一転、今作はセルフ・プロデュース。構想に1年半、レコーディングに3ヶ月を費やしたという気合いとエネルギーが漲ったオリジナル・フル・アルバムだ。“lex”とはラテン語で“法”という意味。拘り抜かれた生楽器のサウンド、初となるホーン・アレンジなど、変わらないTHE HIVESと挑戦するTHE HIVESが炸裂する同作について、メンバーに迫った。

-前作『The Black And White Album』から5年、待望のニュー・アルバムですが、この5年間はツアーなどで大忙しだったのではないでしょうか。

そうだね、長い間いろんな国を回ったよ。行きたい場所をすべてカヴァーするのに数年かかったね。日本、南アメリカ、ヨーロッパなどなど……。それに、この5年間毎年サマー・フェスでもプレイしていたよ。全部のツアーを終わらせてからアルバムのことを考えて、曲作りに入ったんだ。

-今作も非常に勢いがあり、THE HIVESはやっぱりTHE HIVESだなぁと痛感し、ため息が出るほどスカッとするアルバムでした。

出来る限り自分たちらしさを強調したかったんだ。前作は沢山のプロデューサーと一緒に仕事をしようとしたし、違うスタジオで違う方法でレコーディングも試みた。だけど今回は何もかも自分たちでやりたいと思ったんだよね。ライヴでレコーディングしたかったから、簡単に言うと、ひとつの部屋でバンドがライヴで演奏しているものを録音している感じにしたかったんだ。昔ながらのテープを使って、レトロな雰囲気も出したかったしね。

-なぜ新しいテクノロジーではなく、古いテープを用いてレコーディングしたかったのでしょうか?

今は何でもコンピューターで出来るよね。それが悪いって言っているわけじゃないんだけど、バンドのフィーリングも消えてしまうような気がしたんだ。例えば、僕たちがリハーサル・スペースですごくいい演奏をしたとするよね。その演奏をそのまま残したいんだ。その“雰囲気”を捉えたい。プロデューサーがいるとそれを今度自分の耳が好きな完成度の高い音にするけど、僕たちはルーツに戻りたいという考えもあったと思うよ。

-おっしゃって下さったように、今作はセルフ・プロデュース、自身のレーベルからのリリースというように、全てご自分たちでなさっている非常にパワフルなアルバムだと思います。それに加え今作は構想1年半、レコーディングに3ヶ月掛かったそうですね。メンバー全員が“じっくり時間を掛けて作ろう”というモードだったのでしょうか?

そうだね、僕らはアルバムにはかなり時間をかける方だと思うよ。スタジオに入る前に、僕たちは曲作りにとても努力しているんだ。その方が結果的にスタジオ・ワークのスピードも速まると思うしね。

-2004年リリースの『Tyrannosaurus Hives』以来の、バンド名を冠したアルバム・タイトルも目を引きます。

“Hives”っていい響きだと思うんだ。特に意味はないんだけど。僕たちはバンドを組んでもう20年くらいの歴史があるんだけど、バンドを始めた当初、ルールを沢山作ったんだ。ルールのひとつは、ラジオとかどこかでドラム・ビートを耳にしたら、そのビートは絶対に自分たちの音楽では使わないってこと。ギター・リフをどこかで聞いたら、そのギター・リフは使わない。“Lex”はラテン語で法律っていう意味だから、最も高い法律という意味なんだ。

-皆さんにとってバンド名をアルバム・タイトルに入れる決め手とはどういうものなのでしょうか?

特に意味はないんだけど、ただ今回はそのポリシー的な意味があって使っただけさ。

-セルフ・プロデュースで、これだけ時間を掛けたということはメンバー間での話し合いも密に行われたのでしょうか。

その通りさ。5人のプロデューサーがいるのと同じだったよ(笑)。

-皆さんから見て、この5年間で変化したと思うところはありますか?

そうだね、少しは変化があったと思うけど、バンドの内側にいるとそれが何なのかわかるのは難しいな。外から見てもらった方がどこが変わったか、どんなに風に進化したか分かると思うから、機会があったら聞かせてくれないか?(笑) 気持ち的には何も変わってないのが正直なところだけどね。