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INTERVIEW

Japanese

erie

2012年05月号掲載

erie

Interviewer:平野 スミオ

2010年RO69JACK(ロッキン・オン主催オーディション)にて入賞を果たし注目を集めた5人組エモ・ロック・バンドerieが、5月16日にデビュー・ミニ・アルバム『erie』をリリースする。RADWIMPS meets envyと称される壮大な音像のなかで表現された静寂と轟音。時に優しく語りかけ、時に激情を曝け出す歌は人間の感情そのもの。それは聴く者の心へ強く訴えかける力に満ち溢れ、同時にストイックなまでのバンドの音楽に対する姿勢の表れでもある。そんな作品へ詰め込んだ思いや、バンド結成についてのお話などを大平龍介(Vo)と片桐拓也(Gt)から伺いました。

-片桐さんを中心に結成し、2009年2月にドラムの大澤さんが加入なさってから本格的に活動を開始なさったそうですが、もう少しバンド結成に至る経緯やメンバーとの出会いなどを詳しく教えて下さい。

片桐:専門学校からの後輩ギター鈴木智博と俺がバンドをやろうと言う話になり、他のメンバーがいないんで、俺の昔のバンドのメンバーだった龍介と、鈴木の幼稚園からの友達でギターをやってた山口真弘を無理矢理ベースに転向させ、バンドをスタートさせました。中々ドラムが決まらずに、この間にクリック相手にスタジオで曲を作っていました。そんな時に鈴木がメン募で大澤 悟を連れて来たんですが、オタクっぽいしデブだし断ろうと言うことになり下北の王将で飯を食ったんですが、話すタイミングを逃してしまって……そしたら次の日に悟から“ホームページ作ったんですけどこんな感じで良いですか?”とのメール……。断るに断れず今に至りますが、今となっては欠かせない存在です。

-起伏の激しいサウンドに似合ったシンプルかつ深みを感じるバンド名ですが“erie”に込められた意味や名付けられたキッカケは?

片桐:何と無く好きなアルファベットを書いていて、響きと見た目で決めました。俺は長いバンド名が覚えられないんで短いバンド名にしたかったって言うのが大きいかもしれません。

-今までありそうでなかったRADWIMPS meets envyというキャッチ・コピーには強いインパクトを受けました。個人的には作品を聴かせて頂き洋楽勢のFINCHやTHE USEDのようなエモの影響も色濃く感じましたが、 音楽性を形容する際に用いているキーワードや外せないジャンルはございますか?

片桐:確かにFINCHが自分の音楽性を変えた、きっかけとなったバンドでした。綺麗な音楽から激しい音楽まで何かを感じることの出来る音楽の良さはジャンルを関係無く好きです。それと自分たちの音楽性を表す言葉は難しいです。俺らなりのロックだと俺は思っていますし、みんなそのつもりでやってると思います。

-erieの持つJ-POPからコアな洋楽まで取り込んだ幅広いスタイルは、メンバーそれぞれの音楽性を事前に尊重し合った上で生まれたものですか?それとも作曲を重ねていくうちに自然と辿り着いたものなのでしょうか?

片桐:個々の音楽性の尊重もありますが、今の5人で曲を造った結果として今のスタイルに自然とたどり着きました。例えば元々弾き語りだったり、龍介の歌と激しい音が最初から違和感無く馴染んだのも自然と出来たことでした。

-今作は、2010年にRO69JACK(ロッキン・オン主催オーディション)で入賞し同企画のコンピレーション・アルバムへ参加されて注目を集めた時期から約2年の歳月をかけて完成させたとのことですが、最近の傾向としては比較的長い制作期間かと思います。その要因はどこにあったと振り返ってみて思われますか?

片桐:自主制作でepを作ったりもしましたが、俺らの場合は1曲を作るのに掛ける時間が長いからだと思います。

-そして、ほぼ一発録りでのレコーディングというのにも興味を惹かれました。繊細な音像でありながら録音方法は大胆というギャップが面白いと感じましたが、それについての狙いを教えて下さい。

片桐:繊細な部分も激しい部分も両方の生々しさを出したく今回の録音方法を選びました。

-それでは作品内容についてお伺いしていきます。先述したオーディションに入賞したキッカケの「hope」は現時点での代表曲といっても過言ではないバンドの魅力を十分に感じられる曲だと思います。同時に非常に強いバンドとしての意志や決意のような気迫も感じられますが、この曲を通して一番伝えたい想いとは何なのでしょうか?

大平:「hope」はerieを結成してから初めて出来た曲で、その頃まだerieの音楽性だったり方向性だったりがちゃんと定まってない状態でした(笑)。お互い出会って間もないメンバーがそれぞれやりたいことを持ち寄り、さてどうしましょう、とりあえず全部詰め込んでみましょうか!って感じで最初は作っていったので、それをどう噛み砕いて1つの曲にしていくかでかなり時間が掛かりましたし、揉めましたね。けど、この曲が出来上がった時には“この先このバンドで、新しくて凄いものが生まれてくるんじゃないか”っていう強い予感や手応えを感じたんです。初めて出来た曲ということもあって、これからのバンドの成長への期待を込めて「hope」という名前をつけました。僕らにとっては僕らの音楽性の原石に当たるような曲で、ずっとこの曲と一緒に3年間、erieも一緒に成長してきました。これからもerieは色んな曲を作っていくと思うし 、色んな変化があると思いますけど、僕らは月日が経っても忘れちゃいけないことをその曲の中にちゃんと置いてこられたと思います。この曲を通して、聴いてくれる人には“自分自身が変化していく中で、変わらないものの存在”それを大事にする気持ちを伝えたいですね。