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INTERVIEW

Japanese

erie

2012年05月号掲載

erie

Interviewer:平野 スミオ


-続く「音声と映像だけの子供たち」は児童虐待に反対したオレンジリボン運動協賛イベントにインスピレーションを受け制作されたとのことですが、そんな人間の心の闇ともいうべきテーマに対して、どのようなバンドとしての姿勢を打ち出すために制作されたのかを詳しく教えてください。

大平:オレンジリボンのイベントのオファーがあったのは去年の大震災から半年ほど経った頃で、その時に初めて“震災孤児”の存在を知りました。僕は宮城県仙台市の生まれなのですが震災直後、大きな出来事過ぎて故郷の人たちに自分に何が出来るのかが全く分からなくなっていて、大したことも出来ないまま月日だけが経っていって……後になって凄く後悔しましたね。僕もそうだったんですが今の人って“誰かのために何もしないこと”っていうのが日常に浸透しすぎていて、TVやラジオやPCのニュースが現実とフィクションの間にあるような感覚だと思うんです“それ”がすぐ隣に来るまで分からない。ましてや虐待を受けてる子供や震災孤児、その子たちがSOSを発信できる場所って限られているじゃないですか。“誰かのために何もしないこと”それが続いてしまうこと、当たり前になってしまうのって凄く怖いことだと思うんです。僕らからちゃんと近づいていかないといけないなって、その時に思って書いた曲ですね。行動する勇気を持つことよりまず、行動しない惰性を捨てることをこの曲のメッセージとして織り込んでいます。

-そして優しい歌声と温かみのあるアコースティック・ギターの旋律が心地よい「e.」は、erieの静の部分での魅力をストレートに堪能できる曲ですし轟音ではなく言葉の力で訴えかける一面もあることにバンドとしての深みも同時に感じました。独特な曲名に込められた意味と、あえてバラードという表現方法を選んだ理由を教えて下さい。

大平:「e.」というタイトルはempty(空虚)、emotion(感情)、echo(残響)からきています。今回アルバムを作成する上で、激しいバンド・サウンドの余韻的な位置づけとしてこの曲を入れました。考え事とか悩み事で眠れない夜のことを描いています。レコーディングしたのも確か夜明け前でしたね(笑)。アコースティック・サウンドの曲はメンバーも皆大好きなので、激しいだけじゃなくてこういうスタンスの曲もこれから増えていくと思います。

-今作を締める「シャーデンフロイデ」は作品中で最も音響系としての壮大で激しいサウンドを感じられ、envyやMOGWAIを引き合いに出されるのも納得のいく曲だと感じました。このジャンルにおいて先駆者達との差別化を図るために挑んでいる点や、こだわっている点などはございますか?

大平:この曲は勢いで造ったんであまり考えませんでした。ただどんな曲調でも自分たちなりの表現をしているつもりです。

-作品を通して感じられる高いテンションとストーリー性も兼ね備えた楽曲は非常にライヴの場でも映えると思っておりますが、ライヴへ臨まれる際に一番心掛けている点は何でしょうか?

片桐:そのライヴが最後のライヴになったとしても後悔のないライヴです。それと一音でライヴハウスにいる人の心を動かせるようなそんなライヴが出来たらと思います。

-まだ現在の日本の音楽シーンにおいてerieのような独特なスタイルは唯我独尊ともいうべき立ち位置だと感じていますが、そんな中で共に新しい道を切り開こうと切磋琢磨しているバンドたちのことを、どのような存在としてみていらっしゃいますか?

片桐:自分ら独自のスタイルで頑張っているバンドとはジャンルは関係なしに刺激し合っていきたいです。

-正式な全国デビュー盤となる今作のリリースで、以前よりerieを知っていた邦楽ファンは元より、新しく耳の肥えた洋楽ファンまで幅広く受け入れられのではないかと凄く反応が楽しみです。最後に読者の方々へメッセージをお願い致します。

片桐:今回のCDを聴いてerieのことを知った人も、もともと知っていた人もCDを聴いてライヴハウスに足を運んでもらえたらと思います。7月6日は高円寺HIGHで自分らの企画『無音の不可能性』をやります。このライブが都内のレコ発にもなりますし、共に新しい道を切り開こうとしている、仲間でありライバルでもあるカッコいいバンドばかりを集めました。ライブを見てerieを感じてみて下さい。