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INTERVIEW

Overseas

CITIZENS!

2012年05月号掲載

CITIZENS!

Member:Thom (Gt)

Interviewer:沖 さやこ

フランス・パリを拠点に音楽レーベル、クラブDJ、ファッション・ブランドなどを手掛けるクリエイター集団KITSUNEから、ロンドン出身の5人組バンドCITIZENS! がデビューする。今作はFRANTZ FERDINANDのフロント・マンAlexが全面プロデュースを担当。艶やかなヴォーカル、キャッチーなメロディ、乗り易いビートなど、とにかく“ポップ”に突出した心地の良いアルバムだ。ソングライティングに大きく関わるバンドのリーダーThomに、結成から今作完成までの話を伺った。

-今作は待望のデビュー・アルバムですが、結成から今までの間で作られた楽曲ということでしょうか。

そうだね。1年半前くらいに結成して、その頃から作曲を始めたんだ。メンバーと一緒に100曲くらい書き上げて、その中から厳選した曲が今回のアルバムに入ってるよ。

-どういう経緯でメンバーが集まったのですか?

MikeとLawrenceと僕がハウス・パーティで知り合ったんだ。楽しく飲んだり食べたりして遊んでたんだけど、そこで女の子のナンパに成功せず(笑)、残った僕ら3人が部屋の隅っこにあったステレオでいろんな音楽を掛けて遊んでたんだよね。Kanye West、SUICIDEのブートレグ、Michael Jackson、Lady Gaga、THE FLAMING LIPS……いろんなジャンルの音楽を流してたんだ。でも全ての音楽に共通しているのは“ポップであること”だよね。そこで“音楽の趣味が合うなぁ”と思って2人と仲良くなって、ポップ・ミュージックを作りたい! と思ってバンドを結成したのさ。曲を作ってからMartynとTomも誘ってバンドを結成したんだよ。最近はだんだんツアーとかも増えてきて忙しいけど、今でも僕ら5人は仲が良いんだ。今回はひとりで来日してるけど、それはこのバンドが僕中心のバンドっていう意味じゃないよ。やっぱりこのバンドは5人の共同作業なんだ。

-FRANTZ FERDINANDのAlexが全面プロデュースなさっていらっしゃるとのことですが、彼がプロデュースするキッカケになった出来事は何でしょうか。

実は、曲が完成してきた頃に大物のプロデューサーに何人か会ってデビュー・アルバムのミーティングを重ねてたんだ。でも彼らからもらった意見や提示された方向性に結構がっかりしたんだよね。僕らが目指してた音はもっと自然なものだったんだけど、彼らはポップな要素があるってことでラジオ・フレンドリーなプロデュース……すなわち“プロデュースしすぎたもの”を目指してたんだ。だからプロデュースの話は断ったよ。その後すぐくらいにAlexと知り合ってね。彼と僕らとの間に共通の知り合いがいて、その知り合いを通して僕らのデモ・テープがアレックスの手元に届いてたんだ。それで何となく“一緒に飲みに行こうよ”って話になって、その流れで“それなら僕がプロデュースしてもいいんじゃない?”ってAlexが言ってくれたんだ。だから自然な流れで……うーん、自然というか偶然って言ったほうがいいかもね。僕は本当に彼を尊敬しているんだ。コーラスの長さとか、キー・チェンジとか、そういう細かいところに関しても意見を出し合えたから本当にいい環境だったよ。最終的には僕らが判断するんだけど、“何で自分たちでそうやって決めたのか?”ってことをよく考えさせられるような、チャレンジングな制作過程だったな。あと彼は凄く料理がうまいんだ(笑)。