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INTERVIEW

Overseas

JUSTICE

2011年11月号掲載

JUSTICE

メンバー:Xavier de Rosney

インタビュアー:沖 さやこ

ロック感を持つダンス・ミュージックとして話題の、フランスを代表するエレクトロ・デュオJUSTICE。2007年にリリースされたデビュー・アルバム『†(Cross)』以来約4年振りとなるオリジナル・アルバム『Audio, Video, Disco』を10月26日にリリースした。ちなみに今作のタイトル『Audio, Video, Disco』とは、ラテン語で“聞いた、見た、知った”という意味。今日のクラブ・シーンとロック・シーンを繋ぐ懸け橋として欠かせない存在である彼ら。新作に込められた思いをXavier de Rosneyに訊いた。

-デビュー・アルバム『†(Cross)』がグラミー賞の“ベスト・エレクトロニック/ダンス・アルバム”部門にノミネートされるなど、世界的にも成功なさって、この4年間はお忙しかったのでしょうね。

そうだね。みんなにとっては4年という月日は長いかもしれないけど、僕たちにとってはあっという間に過ぎ去った感じだし、それこそ半年前のように感じることもあるよ。2007年6月に『†(Cross)』をリリースして、その後1年半はツアーで全世界を回ったんだ。その後メンバーのGaspard AugeはMr.Oizoと一緒に『Rubber』というサウンド・トラックを作って、僕はロック・バンドJAMAICAのプロデュースを手掛けたよ。いろんなプロジェクトに関わって、全て終わったのが2010年1月31日。翌日2月1日から『Audio, Video, Disco』の制作に取り掛かったんだ。

-休む間もなし、といったご様子ですね。

他のバンドで毎年新作をリリースしているバンドもいるけれど、彼らはどうしてそれが可能なのか分かんないな(笑)。別に言い訳じゃないんだけどね。僕たちは全てを自分たちだけでやるから、時間が掛かってしまうんだ。バンドによってはエンジニアがいて、プロデューサーがいて、ミュージシャンがいて、ミキサーがいて……他の人に任せることが出来るからある程度のスピードで新作をリリースすることが出来るのかもしれないけど、僕たちはそのどれでもないし、言ってしまえば僕たちは本当のミュージシャンでもないのかもね(笑)。

-何をおっしゃいますか(笑)。今作はスロー・テンポの曲が多いのが特徴的ですね。

僕も2004年くらいからDJをやっているんだけど、それで気が付いたことがあるんだ。DJをしてるときに流す曲って、どれも120~153BPM(※BPM=Beats Per Minute、音楽で演奏のテンポを表す単位)なんだよね。それはDJたちがミックスし易いテンポだからなんだ。でも僕たちはDJたちが流し易い曲を書くことに全く興味が無くて、ただ自分たちがいいと思うものを書くだけなんだ。その自然発生した“自分たちの書きたいもの”が、今回みたいなテンポの楽曲でね。

-エレクトロニックな音楽でこれくらいのテンポの曲はあまりないので新鮮でした。

確かにエレクトロニック・ベーシックの楽曲は、ほとんどが速いよね。それで、ディストーションが掛かったものなんだ。でも僕たちは感情……パワフルなもの、そういうものを自分の曲に入れ込みたいと思ったのさ。それを可能にするのは、よりテンポをスローにして、ソフトなタッチで演奏することだっていうことに気付いたんだ。今回のテーマっていうわけじゃないけど、頭の中にあったイメージっていうのは、凄くゆったりとしていて、それと同時にヘヴィなものだったんだ。それを速い曲で可能にすることは出来ないよね。

-前作は煌びやかでディスコ・ティックな夜の似合うアルバムでしたが、今作は「Civilization」のヴィデオ・クリップのような雄大な大地を感じさせる晴れやかな作品だと感じました。意識的に前作と趣を変えようとなさったのでしょうか。

特に違ったことをしようと思ったことはないよ。『†(Cross)』から引き続き前に進んでいくっていう感じかな。僕たちはモダンなものを作ろうという気持ちはあるんだけど“斬新なものを作ろう”という考えを持ったことがないんだ。画期的で、今まで全くなかった新しいものを作るっていうのは不可能だと思うからさ。以前からあった音楽がベースになって、新しい音楽が出来るしね。僕たちは前作も凄く好きだから、そこから変わろうと思う気持ちはまったくないよ。強いて言うならば今回は“今日のポップ・ミュージック”を作りたいと思ったんだ。でも“ポップとは何か?”って定義は、聴く人それぞれが決めるものだと思うんだよね。つまり今作は、前作と同じ影響を受けて作ったアルバムだし、方向性も同じ。ただ表現の仕方がちょっと違ってるのかもしれないな。