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INTERVIEW

Overseas

MOGWAI

2011年02月号掲載

MOGWAI

Member:Barry Burns(Gt, Flute&Key)

Interviewer:沖 さやこ

今年で結成16年目を迎える、スコットランド・グラスゴーのポスト・ロック第一人者MOGWAIが、7枚目のオリジナル・アルバム『Hardcore Will Never Die, But You Will』をリリースする。1997年のデビュー・アルバム『Mogwai Young Team』をプロデュースしたPaul Savageや、旧友Luke Sutherlandを迎え制作された今作。スコットランドに住んでいないメンバーとはデモをやり取りしてレコーディングが進められたという。2年半振りに明らかになったMOGWAIの真実を、Barry Burnsに語ってもらった。

-オリジナル・アルバムとしては『The Hawk Is Howling』以来、約2年半振りとなるリリースですが、この2年半の間で大きな変化はありましたか?

そうだね……前回のツアーの後半に妻とベルリンへ引っ越したのは大きな変化だった。2人でベルリンに新しいバーも開いた。だから今はすごく変な気分がする。歳をとるにつれ、ホントに奇妙なことが起こるようになったと思うよ。

-今作はMOGWAIの持っているもの、築き上げてきたものが全て開放された作品という印象を受けました。穏やかで優しい気持ちになれるアルバムです。

もう何ヶ月もこのアルバムに手をかけてきたんだけど、今もすごく好きな作品だよ。普段だったら、今頃は“もう聴きたくない!”って思う頃なんだけど。

-(笑)。

このアルバムは本当にずっと俺のお気に入りの作品なんだ。多分、俺の中での最高傑作の1つだね。確かに今までよりはアグレッシヴではないけど、結果としてそれが良い変化を生んでいると思うよ。

-そうですね。今作は柔らかさと鋭さの両方を兼ね揃えていて、凛とした冬の空気がよく似合います。この季節だからこそ尚更心に響く気がしました。季節感などは意識なさったのですか?

いや、このアルバムは季節を2つ3つ跨いでレコーディングしたから、特定の季節を意識したわけではないんだ。でも実は、君と同じように“冬にピッタリなレコードだ”って言ってる人が他にも何人かいてさ……だから、夏のナンバー・ワン・アルバムではないな!Damn! (笑)

-残念ながら!(笑) ちなみにタイトルになっている『Hardcore Will Never Die, But You Will』(※アル中は死なずとも貴様は死ぬ) は、“未成年にアルコールは売れない”と店員に断られた子供が言い放った台詞だそうですね。

その通り!ティーンエイジャーの男の子と店員の間で起こった出来事からとったんだ。

-こういう言葉をアルバム・タイトルにしてしまうところに、MOGWAIのシニカルなセンスが光ります。この言葉をタイトルにしようと思われた決定的な理由は何でしょうか。

その少年は店の窓に石を投げつけながらそのセリフを店員に向けて叫んだのさ。もの凄くスコットランドらしい話だろ?だからこそ可笑しくもあり恐ろしいことだと思う。だから今回この台詞をタイトルに使ったんだ。

-可笑しくもあり、恐ろしい。若者なりの衝動を感じます。デビュー・アルバム『Mogwai Young Team』や、セカンド・アルバム『Come On Die Young』など、若者がモチーフになるタイトルがよく見られたのは比較的初期ですね。こういう背景もあるのですか?

タイトルの背景にはどんな意味も持たせていないよ。いつも自分たちが面白いと思うもの、笑えるものを選ぶようにしてるだけさ。曲名を付ける時も同じ。