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INTERVIEW

Japanese

やけのはら

2010年08月号掲載

やけのはら

Interviewer:佐々木 健治

HIP HOPユニット、アルファベッツの一員としてアルバム『なれのはてな』を発表、その後は様々なジャンルのアーティストの作品等に参加する一方、DJとして全国各地のパーティを夜な夜な沸かせ続ける男、やけのはら。長い間、その才能に触れた人々から待ち望まれていたアルバムがようやく到着した。構想自体は2003年からあったというのだから、どれほど長い時間がかかったかが分かるだろう。そして、その長い年月は、このアルバムへの人々の期待を膨らませる一方だったはずだ。昨年、七尾旅人との「Rollin’Rollin’」というロマンティックなアンセムで注目を集めたことは記憶に新しいが、多彩なゲストを迎えて制作された多様なトラックと、都会での日常生活を詩的に切り取る軽妙なラップ。高い期待にたがわぬこの素晴らしいアルバムについて、メールでお話を伺った。

-アルバム『This Night Is Still Young』完成おめでとうございます。随分と長い間、期待されていたアルバムだと思うんですが、このアルバムの制作に取り掛かったのはいつ頃なんでしょうか?

2003年~2004年くらいから作りたいなという気持ちはあり、少しずつ進めていた、(結果として)長期プロジェクトなので、やっと作ることが出来てホッとした気持ちです。夏休みの宿題を、何とか伸ばし伸ばしにしてやっと10月末くらいに提出できたという心境です。 現実的には一番初期に作った断片はほぼボツで2005年あたりからの曲~素材が纏まった感じです。

-一つのトピックとして、七尾旅人さんとの「Rollin’Rollin’」は大きかったと思うのですが、あの曲を出してみて、何かやけのはらさんの中でもしくは周囲の反応として変わった部分はありましたか?

う~ん、具体的には分かりやすくこれというのは上手く言うことが出来ませんが、これは他の曲や物事でも全部そうなのですが、「Rollin’Rollin’」を作ったことによって気が付くこと、もっとこうしようと思うことなどが色々あり勉強になりました。作業工程としては楽しく作れたのを覚えています。

-『This Night Is Still Young』というタイトルが指す「若さ」は、年齢的な部分ではないと思うんですが、このタイトル、そしてアルバムを通したテーマは、完成してみてどういうものだとご自身では思われていますか?

ロックやジャズ、ダンスミュージックでもヒップホップでも、音楽に関係のない様々な物事でも例えられると思うのですが、形が出来る前のエネルギーのある瞬間、どうなるのか分からないドキドキとする瞬間、なにかよく分からない、しかし気になる何かと出会った驚き、そのような物事を受け取ろうという気持ち、でしょうか。作り終わって思うと、『This Night Is Still Young』と『summer never ends』は同じような意味だなと気が付きました。ちなみに、何度も出てくる「NIGHT」や「SUMMER」といった単語も大体比喩として使っているのでそのまま「夏が好きなんですね?」とか「夜が好きなんですね?」と受け取るより、広がりのあるキーワードとして受け取ってもらえると嬉しいです(まあ、夏も夜も好きなのですが)。

-やけのはらさんのリリックは、都会の日常風景で見落とされるような部分とか、普段スポットライトが当たらない部分から希望を見出すものだと思います。やけのはらさんが切り取ろうとする都会というのはどういう場所ですか?

コレというのは難しいですが、様々な物事が良くも悪くも複雑に絡み合い形を変えていく場に身をおくことを、今の段階では楽しく感じています。東京郊外の横浜で生まれ育ったので、東京の中心で育った人よりも余計都会的なものを好きだというのもあるような気がしています。自然やのどかな環境にも興味がなくはないですが、今は都会の喧騒の中でサバイブして行く事に意味をボンヤリと感じます。

-また、その都会というのは東京ですか?それとも、特定の土地ではない「どこか」ですか?自分の居場所や地元などをレペゼンするというHIP HOPのスタイルに沿うとすると、このアルバムがレペゼンしているものは何だと思いますか?

東京という町や特定のどこか(例えば私が生まれ育った横浜)をキーワードにはしていません。何かをレペゼンしようと思っていないので、質問にバッチリな答えは出来ませんが、何を描いているのですかというと、自分の身の回りの友達や生活やもろもろ(=自分から見える景色、で、普通なんですが…)です。