Overseas
JAMES YUILL
Interviewer:遠藤 孝行
“フォークトロニカ”というジャンルにてここ数年の決定的な存在の一人として挙げられるのがこのJAMES YUILLだろう。昨年のBRITISH ANTHEMSでの素晴らしいパフォーマンスでも記憶の新しい彼の音楽はとても暖かいメロディを紡ぎながら、とてもユニーク。そしてとても美しい。最新アルバム『Turning Down Water For Air』の解説を中心にたっぷりと語って頂きました。
?今回が初来日という事で、まず日本の印象はどうですか?
日本は本当に素晴らしいね。日本に来てからまるでセレブの様な扱いを受けていて、イギリスとは全く違う(笑)。そこは本当に嬉しい。あとライヴも観に来てくれた人達がちゃんと音楽を聴いているって言うのが伝わって来て、そこも凄く良い所だと思う。
?僕も昨日新木場でライヴを観させて頂いて、とても温かい素晴らしいライヴだと思いました。かなり大きな会場だったと思うのですが、ライヴをしてみていかがでしたか?
昨日のBRITISH ANTHEMSの前にHMVでインストア・ライヴをやらせてもらったんだけど、日本のオーディエンスって曲が終わると拍手してそのままシーンってみんな黙るでしょ。最初そこに戸惑ったんだよね。何か間違った事したかなって思ってたんだけど、それはみんなちゃんと曲を聴いてくれてる事だって分かったからBRITISH ANTHEMSでは気持ちよくライヴが出来た。音も良かったし、楽しめたよ。
?アコースティック・ギターを背負って一人でライヴをされていた姿が大変だなと印象的であったんですが、ライヴをする時にまず大事にしている事は何でしょうか?
とりあえずは失敗せずに良いパフォーマンスやる事が大事だとは思ってるんだけど、ライヴではお客さんに曲を憶えてもらって、楽しんでもらって、今までに見た事のなかった体験をしてもらえたら嬉しいと思ってるよ。
?ではそもそもライヴを一人でやろうと思ったきっかけを教えて下さい。
最初から全部を一人でやろうと思っていたわけじゃないんだ。最初はアコースティック・ギター1本でやってて。それはこのアルバムを作った事によって、この音をどうライヴで再現するかって考えたら今のスタイルになっていったんだよね。JUSTICEのライヴとかでパソコンを使って音を出しているのを観て、自分もバンド形態ではなく、パソコンを使って音を出してそこでアコースティク・ギターを弾くスタイルが面白いんじゃないかと思ったんだ。それも最初からというよりは徐々に今のスタイルになっていった感じだね。
?ではそのスタイルになったのは最近という事ですか?
いや、ラップトップを使ってライヴを始めてからは結構経つね。ただ今のもっとハードなエレクトロ・サウンドを出すようになってからは1年くらいかな。
?なるほど。最初はアコースティック・ギターで演奏をしていたとの事だったんですが、アーティストを志すきっかけになったアーティスト、または出来事はありますか?
12歳からギタ?を始めたんだけど、その時はNIRVANAをずっと聴いてて、Kurt Cobainになりたいと思ってた。そのあとはMETALLICAとかDEFTONESもよく聴いていたよ。そして大学に入ってからNick Drakeに出会うんだけど、同時にエレクトロニック・ミュージックも聴くようになって、やっぱりギタリストとしてはNick Drakeの影響は凄く大きくて、チューニングを下げたりとか、指弾きを憶えたのも彼からの影響だね。だから、そう考えると一番影響を受けたアーティストをひとり挙げるとするならNick Drakeになると思う。
?今回デビュー・アルバムがリリースされて一年を経て日本デビューとなりました。おめでとうございます。まず今作の手応えはいかがですか?
今作には凄く満足してるよ。今作の正式リリースの前に自分のホームページだけで販売したりはしていたんだけど、今回のリリースで3曲目の「No Pins Allowed」と8曲目の「Over The Hills」が追加されて、また日本はアートワークも違うし、リマスタリングもしているからレベル・アップした良いものが出来上がったと思うよ。
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