Japanese
斉藤和義
2023年08月号掲載
Writer : 石角 友香
今年デビュー30周年を迎える斉藤和義。4月には"THE FIRST TAKE"で公開した「明日大好きなロックンロールバンドがこの街にやってくるんだ」にホーン・アレンジを施したバージョンや、藤原さくらを迎えた「Pineapple (I'm always on your side) feat. 藤原さくら」などを収録した22ndオリジナル・アルバム『PINEAPPLE』をリリース。新しいリスナーにも届く楽曲が多く含まれていたが、ヒット曲(例えば「歩いて帰ろう」(1994年リリースの4thシングル表題曲)や「ずっと好きだった」(2010年リリースの38thシングル表題曲)など)しか知らない若いリスナーにとって、斉藤和義というシンガー・ソングライターのイメージはカッコ良さとユルさが同居するベテラン、なのかもしれない。もちろんそれも間違いではないのだが、このたびリリースする30周年記念アルバムを聴けば印象が変わるのではないだろうか。テーマは現在のバンド・メンバーとのスタジオ一発録り。ベスト・アルバム5作、ライヴ・アルバム14作(多い!)という過去タイトルを鑑みるに、今回に懸ける意気込みを感じずにいられない。
斉藤和義 - 明日大好きなロックンロールバンドがこの街にやってくるんだ / THE FIRST TAKE powered by ASAHI SUPER DRY
厳選された12曲の内訳は最も古い曲で1994年の「歩いて帰ろう」、最新で2016年の「マディウォーター」。アルバムで言えば1997年(2月)の『ジレンマ』から「ジレンマ」と「幸福な朝食 退屈な夕食」が選曲されているように、押し並べてすべての時代からというわけではない。では何か。現在のバンド・アレンジの冴えが生きること、そして比較的ソリッドで内面を痛いほど映す歌が際立つレパートリーに集中しているのだ。冒頭、斉藤と真壁陽平(E.Gt/G.Gt/Cho)の鉄の弦が見えるようなカッティングに思わず声が出てしまう「Cheap & Deep」から続く序盤。ガレージ・ロックやオルタナに近いソリッドさに、現在の斉藤和義のバンドはThe Birthdayらと並列して語りたくなる。さらに、ルーツであるTHE ROLLING STONESより間の美学とスキルを両立してるんじゃないか? と唸る「ポストにマヨネーズ」、生音ドラムンベースの如きモダンなアプローチがスリリングに展開する「マディウォーター」、スパニッシュなイメージからレゲエに展開していく「わすれもの」など、斉藤、真壁、山口寛雄(E.Ba/W.Ba/Cho)、河村吉宏(Dr/Cho)、松本ジュン(Key/Cho)の張り詰めた心拍の上がるような、それでいて楽しさと愉悦がグルーヴを加速。1回限りの湯気が立つような演奏なのだ。
斉藤和義 - マディウォーター [Music Video Short ver.]
いつも本当のことは演奏の中にある。その道のりと自信
初回限定盤には、レコーディング生演奏が始まる直前と直後の生々しい表情と場の空気がDVDとしてパッケージされており、視覚でもこのバンドの最高の呼吸が味わえる。オンステージより剥き出しの不安も安堵も歓喜も見て取れる、なかなか貴重な映像である。
タフで骨太な演奏もだが、歌も明快に聴こえるのがバンドとしての完成度の高さ。「ジレンマ」の自分を誰かと比べてしまうことをやめられない主人公が"いったい きみは だれだ"と自問する苦しさのリアル。そして数々の演奏を経てラストの「歩いて帰ろう」に辿り着く、この説得力はなんなのだろう。しかも「歩いて帰ろう」のアウトロはなかなかにカオスだ。彼の言葉を借りれば"本当のことは歌の中にある"(1997年11月リリースの15thシングル『歌うたいのバラッド』表題曲)じゃないけれど、本当のことは演奏の中にあるということか。演奏の現在地を聴かせること。まさに30周年に似合う作品だと思う。
なお、8月30日には約18年ぶりの弾き語りツアー日本武道館公演の模様をコンプリートした映像作品とCD/配信での音源作品もリリースする。こちらはアルバムと曲被り一切なし。よりメロディや歌詞が際立ち、斉藤の音楽の根幹にある想いをまっすぐに受け止めることになる鮮烈な記録になっている。
▼リリース情報
斉藤和義
デビュー30周年記念アルバム
『ROCK'N ROLL Recording Session at Victor Studio 301』
NOW ON SALE
[SPEEDSTAR RECORDS]
【初回限定盤】(CD+DVD)
VIZL-2210/¥6,050(税込)
【通常盤】(CD)
VICL-65830/¥3,520(税込)
【アナログ盤】(LP)
VIJL-60340/¥4,290(税込)
[収録曲]
1. Cheap & Deep
2. Are you ready?
3. ジレンマ
4. やさしくなりたい
5. ポストにマヨネーズ
6. どしゃぶりジョナサン
7. わすれもの
8. マディウォーター
9. 社会生活不適合者
10. 幸福な朝食 退屈な夕食
11. COLD TUBE
12. 歩いて帰ろう
[初回限定DVD]
1. Cheap & Deep
2. Are you ready?
3. ジレンマ
4. やさしくなりたい
5. ポストにマヨネーズ
6. どしゃぶりジョナサン
7. わすれもの
8. マディウォーター
9. 社会生活不適合者
10. 幸福な朝食 退屈な夕食
11. COLD TUBE
12. 歩いて帰ろう
13. わすれもの(5分割映像)
14. 幸福な朝食 退屈な夕食(5分割映像)
■購入はこちら
初回限定盤|通常盤|アナログ盤
斉藤和義30周年スペシャル・サイト
ライヴBlu-ray/DVD/CD
『斉藤和義 弾き語りツアー「十二月〜2022」Live at 日本武道館 2022.12.21』
2023.08.30 ON SALE
[SPEEDSTAR RECORDS]
【Blu-ray初回限定盤】(Blu-ray+写真集)
VIZL-2031/¥8,250(税込)
※特典映像 「歌うたいのバラッド」、「世界中の海の水」左手元全集中映像付
※全64P(本文60P) 縦190mm×横135mm 付属
【Blu-ray通常盤】(Blu-ray)
VIXL-370/¥6,050(税込)
※特典映像 「歌うたいのバラッド」、「世界中の海の水」左手元全集中映像付
【DVD初回限定盤】(2DVD+写真集)
VIZL-2032/¥6,930(税込)
※特典映像 「歌うたいのバラッド」、「世界中の海の水」左手元全集中映像付
※全64P(本文60P) 縦190mm×横135mm 付属
【DVD通常盤】(2DVD)
VIBL-1140~1141/¥4,730(税込)
※特典映像 「歌うたいのバラッド」、「世界中の海の水」左手元全集中映像付
■VICTOR ONLINE STORE限定盤
Blu-ray初回限定盤+グッズ (ROCK'N ROLL CAN NEVER DIEボストンバッグ):¥11,990(税込)
DVD 初回限定盤+グッズ(ROCK'N ROLL CAN NEVER DIEボストンバッグ):¥10,670(税込)
【CD初回限定盤】(2CD+ピンバッチ2個)
VIZL-2033/¥4,510(税込)
【CD通常盤】(2CD)
VICL-65680~1/¥3,410(税込)
■VICTOR ONLINE STORE限定盤
CD初回限定盤+グッズ(ROCK'N ROLL CAN NEVER DIEポーチ):¥6,380(税込)
[Blu-ray/DVD]
1. 俺たちのサーカス
2. 僕の見たビートルズはTVの中
3. 進め なまけもの
4. やわらかな日
5. 朝焼け
6. シグナル
7. BAD TIME BLUES
8. ウサギとカメ
9. 男と女
10. 五秒の再会
11. Over the Season
12. 泣いてたまるか
13. 世界中の海の水
14. 歌うたいのバラッド
15. 小さな夜
16. ずっと好きだった
17. I Love Me
18. 明日大好きなロックンロールバンドがこの街にやってくるんだ
19. Boy
ENCORE
1. 猫の毛
2. Endless
3. 空に星が綺麗
・特典映像
世界中の海の水 左手元全集中映像
歌うたいのバラッド 左手元全集中映像
※DVDは、DISC1にライヴ本編、DISC2にアンコール&特典映像収録
[CD]
DISC 1
1. 俺たちのサーカス
2. 僕の見たビートルズはTVの中
3. 進め なまけもの
4. やわらかな日
5. 朝焼け
6. シグナル
7. BAD TIME BLUES
8. ウサギとカメ
9. 男と女
10. 五秒の再会
11. Over the Season
12. 泣いてたまるか
DISC 2
1. 世界中の海の水
2. 歌うたいのバラッド
3. 小さな夜
4. ずっと好きだった
5. I Love Me
6. 明日大好きなロックンロールバンドがこの街にやってくるんだ
7. Boy
8. 猫の毛
9. Endless
10. 空に星が綺麗
■予約はこちら
Blu-ray初回限定盤|Blu-ray通常盤|DVD初回限定盤|DVD通常盤|CD初回限定盤|CD通常盤
※Blu-ray/DVDとCDとのダブル購入封入施策実施予定(詳細後報)
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