Mori Calliope

Japanese

とんでもないことになっている。

今やVTuberがメジャー流通で楽曲をリリースすることは、さほど珍しいことでもなくなってきたが、"死神ラッパー"を名乗る彼女の存在感は、今、とてつもなく巨大なものになろうとしている。

Mori Calliopeは、"ホロライブプロダクション"傘下の英語圏グループ"ホロライブEnglish"に所属しているVTuber。2020年9月から配信活動をスタートさせたのとほぼ同時に自作曲を発表。英語と日本語を混ぜたリリックと、卓越したラップ・スキルが話題となり、2022年7月にリリースしたメジャー・デビューEP『SHINIGAMI NOTE』は、iTunesの総合チャートでは世界6ヶ国／地域で、同じくiTunesのヒップホップ・チャートでは世界16ヶ国／地域で1位を獲得。豊洲PITで開催されたメジャー・デビュー記念ライヴ"New Underworld Order"はオンライン中継され、TwitterのUSトレンド1位、日本でも2位をマークし、2022年12月現在はYouTubeチャンネル登録者数217万人、Twitterフォロワー136万人を超え、日に日に彼女への注目が高まり続けている。

なぜMori Calliopeはこれほどまでに圧倒的な支持を集めたのか。VTuberとしての動画配信／投稿はもちろん、それを取り巻く環境やシステムなど複合的な理由があると思うのだが、その根源はきっと至ってシンプル。"ラップがすごいから"だ。自作曲でリリックを綴るのはもちろん、彼女はカバーもしているのだが、EMINEMの「Godzilla (Feat. JUICE WRLD )」や「Rap God」といった超高速ラップ・ソングをフル尺で、しかも生配信で完コピするという強者。"なんかすごいらしい"という噂を見聞きしてやってきた人たちを一発で夢中にさせる（もしくはビビらせる）圧倒的なスキルを彼女は持っているのだ。トラックも、ヒップホップやベース・ミュージックを基盤にしつつも、J-POPやVOCALOID楽曲を彷彿とさせる歌モノが飛び出したりと、かなり幅広い。EP『SHINIGAMI NOTE』で打ち出した、K-POP（その中でも、いわゆるガール・クラッシュと形容されるグループの楽曲が持つ雰囲気のトラック）を土台にしたエッジーなダンス・ポップもとにかくクールで、そこに圧巻のラップが乗っかってくるのだから、虜にならないほうが難しい。

そんなMori Calliopeが、12月16日にメジャー1stアルバム『SINDERELLA』を世界同時リリースした。本作のコンセプトは"10個の大罪（10 Deadly Sins）"。キリスト教における7つの大罪に、Mori Calliopeが定めた3つの大罪を加えた10個の罪（＝全10曲）が収録されているのだが、プロデューサー陣に日本のロック・シーンとヒップホップ・シーンの最前線にいる人物が名を連ねている。

ロック・シーンから参加しているのはTHE ORAL CIGARETTESの山中拓也（Vo/Gt）。彼がプロデュースを務めた「Wanted, Wasted」は、シリアスなトーンながらも、アリーナ・クラスの会場を掌握していくダイナミズムに溢れていて、高速ラップはもちろん、これまであまり見せてこなかったMoriの激情的な歌声にも驚かされる。ヒップホップ・シーンからはJP THE WAVYが参加。プロデュース曲の「I'm Greedy」は、ハイブランドを連ねながら"自由に生きてるだけなのに／増えてく諭吉's, I love cheese"という、実に"らしい"ボースティングも痛快なトラップ・チューンだ。そして、忘れてはいけないもう1組が、FAKE TYPE.。日本のネット・ラップ・シーンに影響を受けたMoriが、かねてよりフェイバリットに挙げていたラップ・ユニットは、「NEZUMI Scheme」をプロデュース。FAKE TYPE.の代名詞とも言えるエレクトロ・スウィングの上で繰り広げるシャウト混じりのラップは、問答無用でこちらを高揚させる仕上がりになっている。

どれも各プロデューサーの個性が存分に生きた楽曲たちが揃っているが、それらが極端に突出しているのではなく、アルバムトータルとしての聴き応えがしっかりとあるところも大きなポイント。また、ラップ・ミュージックに軸足は置きながらも、様々な文化／文脈が折り重なっていることもあり、多くの層にリーチできる点では、ある種、ポップ・ミュージック的と言えるところもあるだろう。

いつの時代も、様々な文化が混ざり合うことで生まれた混沌から、ムーブメントであり、新たな文化は生まれてきた。強烈な勢いで渦を巻き始めたカオスのど真ん中で、声高に、凄まじい勢いで言葉を紡いでいくMori Calliopeは、間違いなく次世代のポップ・アイコンになりうる存在であることを、本作『SINDERELLA』は物語っている。

▼リリース情報
Mori Calliope
メジャー1stアルバム
『SINDERELLA』
NOW ON SALE

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初回生産限定Tシャツ付きSpecial盤（CD+BD+T-shirt）
PDCN-1936／￥9,900（税込）
Mori Calliope Official International Online Shop UNIVERSAL MUSIC STORE

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・Dead Beat Scripture (ブックレット)
・『SHINIGAMI NOTE』MV集(19分)+『SINDERELLA』Behind the Music(約20分)収録Blu-ray
※TシャツのサイズはXLのみのワンサイズとなります。
身丈：77cm / 身幅：58cm / 肩幅：54cm / 袖丈：24cm

【初回限定盤】（CD+BD+Card）
UPCH-29446／￥7,150（税込）
amazon TOWER RECORDS HMV

・スリーブケース ※初回生産限定Tシャツ付きSpecial盤とデザインが異なります。(illusted by ゆきさめ)
・『SINDERELLA』オリジナルカード全４種1枚ランダム封入
・Dead Beat Scripture (ブックレット）
・『SHINIGAMI NOTE』MV集(19分)+『SINDERELLA』Behind the Music(約20分)収録Blu-ray
※初回生産限定Tシャツ付きSpecial盤 / 初回限定盤トールケースは共通デザイン (illusted by YULIA)

【通常盤】（CD）
UPCH-20636／￥4,180（税込）
amazon TOWER RECORDS HMV

※初回限定盤/通常盤ジャケットは別絵柄となります。

[CD]
1. Taste of Death
2. Wanted, Wasted
3. I'm Greedy
4. Internet Brain Rot
5. NEZUMI Scheme
6. soul food
7. CRINGECORE
8. Dance Past Midnight feat. AmaLee
9. Death Sentence
10. glass slipper
11. Bonus Track. end of a life(Happily Ever After ver.)　※通常盤のみ収録

[Blu-ray]　※初回生産限定Tシャツ付きSpecial盤／初回限定盤のみ
・『SHINIGAMI NOTE』MV集
「CapSule (Mori Calliope × 星街すいせい)」Music Video
「MERA MERA」Music Video
「Kamouflage」Music Video
「Make 'Em Afraid」Music Video
「Holy 嫉妬」Music Video
「Let's End the World」Music Video
・『SINDERELLA』Behind the Music
配信はこちら　『SINDERELLA』特設サイトはこちら