Japanese
Mori Calliope
Writer 山口 哲生
豪華ゲストと盟友たちが集結した1stライヴが放つ、Mori Calliopeの魅力と可能性
"ホロライブプロダクション"傘下の英語圏グループ"ホロライブEnglish"所属のVTuber、Mori Calliope。昨年12月には豪華プロデューサー陣を招いて制作されたメジャー1stアルバム『SINDERELLA』の世界同時リリースや、SpotifyのTVCMとしてオンエアされたずっと真夜中でいいのに。とのコラボレーション曲(「綺羅キラー (feat. Mori Calliope)」)の発表など、話題を集めている彼女が、5月3日にライヴBlu-ray『Mori Calliope Major Debut Concert "New Underworld Order"』をリリースした。
この作品は、昨年7月に豊洲PITで行ったメジャー・デビュー記念ライヴ[Mori Calliope Major Debut Concert "New Underworld Order"]の模様を収録したもの。彼女にとって初のソロ・ライヴでもあった本公演はオンライン中継も行われており、TwitterのUSトレンド1位、日本でも2位を記録した。当日はゲストとして、VTuberグループ"ホロライブ"所属の星街すいせい、角巻わためのふたりや、"ホロライブEnglish"所属のがうる・ぐらに加え、当初はアナウンスされていなかった小鳥遊キアラ、一伊那尓栖、ワトソン・アメリアもサプライズで登場。"hololive English -Myth-"のメンバーが一堂に会したパフォーマンスも本作には収められているのだが、何よりも、"死神ラッパー"Mori Calliopeの魅力と可能性を、存分に堪能できる映像になっている。
ダーク且つクールで美麗な映像と、"新冥界秩序"というライヴ・タイトルの邦訳が映し出されたオープニングを経て、Dead Beats(※Mori Calliopeファン)たちの前に姿を現し、叩きつけた1曲目の「guh」から、とにかく凄まじい勢いでライヴが進行していく。Calliopeは、"Dead Beatsさんは、今日は何を観に来たの? Games? 雑談? ASMR? Something else? No. You hear for my singing, right!?"と、日本語と英語が交ざったMCでもフロアの興奮を煽りに煽る。ゴリゴリのヒップホップ・チューン「Holy嫉妬」から、EDM系統なダンス・ポップの「Kamouflage」や、エレクトロ・スウィングな「Dead On Arrival」と、アッパーな楽曲をひたすら畳み掛けていく様は、まさに死神。一切容赦なしといった感じでフロアを激しく揺らしていく。
ライヴが進行していくなかで改めて驚くのが、楽曲のバリエーションの豊かさだ。ヒップホップを軸にしたものだけでなく、ピアノの旋律と花びらが舞い散る映像が和の趣を醸し出した「Red」や、緊迫感のあるストリングスと、疾駆するロック・サウンドがどこかアニソン的でもある「UnAlive」、雲ひとつない青空が目に浮かぶような、爽快感たっぷりのポップ・ソング「Lose-Lose Days」といった、J-POP/J-ROCK路線の楽曲もある。また、どの曲でも卓越したラップ・スキルは発揮しつつも、曲頭にフェイクを入れたり、J-POP然とした起伏の激しいメロディを届けたりと、シンガーとしての一面を感じさせられる場面も多い。中でも本編ラストに披露された、サックスの音色がメロウネスを盛り立てる「end of a life」は、これまでを振り返りながらも、初のソロ・ワンマンのステージに立ち、そこで未来をまっすぐに見据えている今の胸中を柔らかく歌い上げていて、なんともドラマチックだった。
ハイライト続出な中でも特筆したいのは、ゲストのTeddyLoidがDJブースに登場し、「Make 'Em Afraid」を皮切りに始まったアンコールのブチ上げっぷり。「DEAD BEATS」の高速ラップで攻め立てると、炎が立ち上がるなかで「MERA MERA」を情熱的に届けたあと、大きく深呼吸して"破滅はここです!"と叫んでから、ハードコア・テクノな「HUGE W」へ突入する。ステージを左右に歩き回りながら、Dead Beatsたちのリミッターを完全に外しにかかると、怪しげなフックが高揚を煽る「Let's End the World」では、Calliopeもヘッドバンギング。そして"死神は止まらない。死神は死なないから"と、彼女が初めて世に放った「失礼しますが、RIP♡」へと辿り着き、やりきった! と言わんばかりにステージ上でぶっ倒れるまでの一連の流れがとにかくエグい! ライヴ・アクトとしてのポテンシャルもかなり高く、彼女のライヴを現場で体感したいと思ったことはもちろん、彼女にはこの先様々な音楽フェスに出演して、大観衆の度肝を抜きまくってほしいし、それが絶対にできる存在だと、まざまざと感じさせられた。
そんなMori Calliopeが所属している"ホロライブEnglish"は、米ロサンゼルスのYouTube Theaterにて、所属VTuberの全メンバーが集結する初の全体ライヴ・イベント"hololive English 1st Concert -Connect the World-"を2023年7月2日(日本時間7月3日)に開催することになっていて、そちらでCalliopeの最新モードを観ることができるだろう。そちらも気になるところだが、2ndソロ・ライヴの開催も待たれるところ。本作内で、"このコンサートで終わりじゃない。これはアーティストとして、ミュージシャンとしてのMori Calliopeの始まり"と宣言していたCalliope。さらなる躍進と来るべきその日を、本作を観ながら楽しみにしていたい。
▼リリース情報
Mori Calliope
Blu-ray作品
『Mori Calliope Major Debut Concert "New Underworld Order"』
NOW ON SALE
【初回生産限定盤】(Blu-ray+布ポスターB2)
UPXH-29060/¥12,100(税込)
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TOWER RECORDS
■布ポスターB2
【通常盤】(Blu-ray)
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HMV
[Blu-ray]
1. guh
2. Holy嫉妬
3. Kamouflage
4. Dead On Arrival
5. Red
6. Q
7. The Grim Reaper is a Live-Streamer
8. CapSule
9. Wicked
10. Reaper vs. Sheep -Ouen ver.-
11. 曇天羊 feat.Mori Calliope
12. いじめっ子Bully
13. UnAlive
14. Dawn Blue
15. Lose-Lose Days
16. Scuffed Up Age
17. Live Again
18. end of a life
19. Make 'Em Afraid
20. DEAD BEATS
21. MERA MERA
22. HUGE W
23. Let's End the World
24. 失礼しますが、RIP♡
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