Japanese
mzsrz
2022年01月号掲載
"見ず知らずだった私たちから、まだ見ず知らずのアナタへ"――そんなメッセージと共に現れたmzsrz(読み:ミズシラズ)。全員十代の女性ヴォーカリスト5人からなるグループは、オーディションから生まれた。こう書くと、いわゆるアイドルと思うかも知れないが、ダンス審査も顔出しマストでもなく、歌のみにフォーカスした審査を経て結成された踊ることも上手く笑うこともできない......歌うだけのガールズ・バンドだ。審査員、そして課題曲の作詞/作曲/プロデュースを務めたのは、DECO*27。超ハイレベルな戦いとなったファイナルは、歌唱力だけでは判断がつかず、結果、声にフォーカスを当てた審査を経て、グループとしての"多様声"を実現できる5名が選ばれた。それは、バンド名"mzsrz"の由来にもなった"水"に繋がる"良い意味で決まった形を持たないしなやかさ"を指している。まるで瀑布のような力強さでロックを聴かせたかと思えば、チル・パートでは、透けるほどのか細さで心を穿つといった具合に、曲の歌詞や音楽性に合わせて多彩に変容する"憑依声"という特殊能力を彼女たちに授けた。
2021年1月、5人にインタビューしたうえでDECO*27が作詞作曲した「夜明け」でデビュー。"泣いていいよ 違ってもいいよ/出会っていく反対側も きっと悪くはないはずさ"という歌詞が印象的な、まさに多種多様を愛するmzsrzらしいアウトサイダーな始まりの歌である。さらに、春から秋にかけて、Adoの「踊」で鮮烈な印象を残したTeddyLoidがエモすぎるエレクトロ・アプローチを加えた「ノイズキャンセリング」、ダーク・ポップという世界的アングラ・トレンドに迅速に反応した映画主題歌「アンバランス」、ラウドバンドも唸るブレイクダウンを擁すメロディック・ハードコアの「インベーダー」、Rockwellによるウェスト・コースト・パンク「エコー」と怒濤のリリースを展開。2022年1月には、ポリスピカデリーが贈るネオ・シティ・ポップ「フィルター」が控えている。さらに、最新2作は連続でドラマ主題歌に起用されるという注目度の高さだ。コアなミュージック・ラヴァーを唸らせる音楽的ダイバーシティ、そして、映像作品へのタイアップ起用によって、じわじわと拡散しつつあるその存在感。DECO*27が全曲プロデュースしているため"らしさ"を築きつつ、曲ごとに気鋭の作曲家やトラックメイカーがアサインされることで、より幅広い音楽性へのトライアルが彼女たちの底を感じさせない。DECO*27のホームとも言えるインターネット・カルチャーとの親和性も高く、特にそのリリック・ビデオには高い評価が寄せられている。「アンバランス」では"だ子"、「インベーダー」では"KICO"、「エコー」では"まご山つく蔵"と話題のクリエイターとのコラボレーションが次々と実現。さらに、SNSでは、ファン・アート(※ファン投稿による手書きPV、歌ってみた、踊ってみた)を積極的にピックアップするなど、彼女たち自身がファンひとりひとりと交わるようなスタンスで活動している。それは彼女たちが常に有言実行している "10,000人に、歌うのではなく1/10,000人×10,000 を歌う"というバンド・コンセプトから来ている。生きとし生けるうえで必要な"水"を名前に掲げているだけあって、今の時代に"私たち一人独り"が感じる"乾き"を、歌とパフォーマンスで潤す。それがmzsrzなのだ。
強靭なバック・バンド陣と共に"本当のエモ"を届けるライヴ
そのパフォーマンス部分で、重要になってくるのは当然ライヴだ。2021年末に公開された「インベーダー」と「夜明け」のライヴ映像は、彼女たちがただのグループではなくバンドであることを強く感じさせてくれる。ダンスもしなければ、笑顔を振りまくタイプでもないからこそ、ライヴに臨む彼女たちの姿勢には、歌のみで楽曲に宿る何かを是が非でも届けようとする譲れない覚悟が滲んでいる。さらに、mzsrzの歌は決して明るくないのだ。そこからも、超内向的でネガティヴな感情を音楽で昇華したいという彼女たち自身の切実さがひしひしと伝わってくる。リスナーは、そこに共鳴するのかも知れない。もちろん、デビュー間もないだけに未熟さも露わになっているのだけれど、そこも含めて、透明な水のような正直さにエンパシーを感じざるを得ない。
そして、その感情をより遠くに響かせる発射台のような役割を果たしているのが、彼女たちの背を支える文字通りバック・バンドだ。近年、巷で飛び交っている"エモ"という言葉の源流にある、エモーショナル・ハードコアを出自とするメンバーもおり、そこに魅了されてきた人間としては"これこそ本当のエモだ!"と叫びたくなる信憑性に溢れている。
まずは、ドラマーのEiji Matsumotoの存在だろう。今となっては市民権を得たラウドというジャンルにカテゴライズされるメタリックでスクリーミングなサウンドをアップデートし続けたバンド FACTで、国内外を飛び回っていた経歴を持つ。さらに、現在はパンク・ロック・ヒーローである横山 健が率いるKen Bandでも活躍中。さらに、そのEijiもメンバーである、2DJ+ドラムスの変則編成バンド Radical Hardcore Cliqueの一員であり、ダブステップやディープ・ハウスなどを取り入れたエレクトロ・ロックの先駆者 sfprのFZ(Gt/Manipulator)。そして、NOTHING TO DECLARE、THE DIRT RADICALSなどで同じく国内外を拠点に活躍してきたMas kimura(Gt)。このように、ライヴハウスに立ち続けてきたリアル・シーンの猛者が、mzsrzを支えている。ベーシストは、同じバンド・シーンのバックグラウンドを持ち、自身もアーティストとして活動しながら、メジャー・アーティストへの楽曲提供のほか、じん(自然の敵P)やまふまふのサポート・メンバーとしても活動している白神真志朗が務めている。いわゆる、ネット世代のスーパー・プレイヤーである彼の参加によって、mzsrzのサウンドの幅はグッとリアルになっている。さらに、キーボーディストの平牧 仁は、同じくインターネット・カルチャーで活躍するシキドロップのメンバーであり、そのエッセンスがmzsrzの表現により深い彩りを与えていることは間違いない。
この唯一無二のバンドと共に、mzsrzはライヴ・シーンにも打って出る。コロナ禍の困難の中でも、少しずつ様々なバンドがツアーを行い、いくつかのフェスが開催に向かって動いている今。まだまだ感染を防止するための制限は設けられているし、元通りには盛り上がれないものの、ここでしか体験できない感覚を味わいたいオーディエンスの熱は決して冷めることなく、ライヴ・シーンは復興へと進んでいる。私たちの代弁者となり得るmzsrzにとって、ライヴハウスは共鳴を広げる約束の場所(最終審査はライヴハウス審査だった)。そこから、再び新たな物語が始まっていくに違いない。
"誰かがどうだなんて五月蝿いよ 選びぬかれた不幸が/ハートを重ねて 幸せになる/息をするのも一苦労だ 追い詰められた居場所は/正義の手垢で キレイになるの/どうでもいいけど"(「ノイズキャンセリング」)――複雑化する時代の中で、やりきれない想いを抱えて揺れる心を、絶妙に射抜き繊細に形にしていくmzsrz。2022年、さらに広い場所へと踏み出していくだろう。5人の"声"に憑依されたい人は、もっといるはずだ。
▼リリース情報
mzsrz
代表曲「夜明け」配信中
配信はこちら
4thシングル
「インベーダー」
NOW ON SALE
※配信リリース
配信はこちら
1stアルバム
『現在地未明』
2022.03.16 ON SALE
【CD+Blu-ray(ライヴ映像 ver.)】
AVCD-96906/B
amazon
TOWER RECORDS
HMV
【CD+Blu-ray(リリックビデオ ver.)】
AVCD-96907/B
amazon
TOWER RECORDS
HMV
【CD ONLY】
AVCD-96908
amazon
TOWER RECORDS
HMV
[CD]
・夜明け(作詞/作曲 DECO*27 編曲 Rockwell)
・ノイズキャンセリング(作詞/作曲 DECO*27 編曲 Teddyloid)
・アンバランス(作詞/作曲 DECO*27 編曲 Rockwell)
・インベーダー(作詞/作曲 DECO*27 編曲 Rockwell)
・エコー(作詞 DECO*27 作曲/編曲 Rockwell)
・フィルター(作詞 DECO*27 作曲/編曲 ポリスピカデリー)
ほか全10曲収録予定
[Blu-ray] ※CD+Blu-ray(ライヴ映像ver.)のみ
バンドとして自身の進む先を提示した初のライヴ映像を収録
・夜明け
・インベーダー ほか(約45分収録)
[Blu-ray] ※CD+Blu-ray(リリックビデオ ver.)のみ
・夜明け(illustration : ajimita/movie : よたばいと)
・インベーダー(animation & movie : KICO/motion graphic : Rayleigh)
・エコー(movie & illustration : まご山つく蔵)
・ノイズキャンセリング
・アンバランス
・フィルター
ほか、全7曲収録予定
配信リリース
「フィルター」
2022.01.19 ON SALE
※テレビ東京系ドラマParavi"部長と社畜の恋はもどかしい"エンディング主題歌歌
歌詞公開中
配信リリース
「エコー」
NOW ON SALE
※テレビ東京ドラマ【水25ドラ】"JKからやり直すシルバープラン"ED主題歌
配信はこちら
Zero PLANET(高橋祐理、森重秀太) × mzsrz(よせい)
配信リリース
「きっと、今を探してる」
NOW ON SALE
配信はこちら
- 1
LIVE INFO
- 2025.07.22
-
Hump Back
終活クラブ
the telephones
- 2025.07.23
-
東京スカパラダイスオーケストラ
板歯目
フラワーカンパニーズ×アイボリーズ
9mm Parabellum Bullet
女王蜂
- 2025.07.24
-
水平線
板歯目
bokula.
ビレッジマンズストア
竹内アンナ
the paddles
- 2025.07.25
-
四星球
マカロニえんぴつ
セックスマシーン!!
東京スカパラダイスオーケストラ
"FUJI ROCK FESTIVAL'25"
キュウソネコカミ
FIVE NEW OLD
有村竜太朗
Ivy to Fraudulent Game
のうじょうりえ
輪廻
RAY
らそんぶる
UNCHAIN
ゴキゲン帝国
miida
bokula.
感覚ピエロ
- 2025.07.26
-
あれくん
[Alexandros]
Eve
"OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL vol.14"
GANG PARADE
須田景凪
コレサワ
LOCAL CONNECT
アーバンギャルド
reGretGirl
"FUJI ROCK FESTIVAL'25"
ASP
Creepy Nuts
FIVE NEW OLD
PENGUIN RESEARCH
マオ(シド)
さめざめ
Academic BANANA
"MURO FESTIVAL 2025"
WtB
有村竜太朗
Czecho No Republic
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.07.27
-
Eve
東京スカパラダイスオーケストラ
MAPA
神はサイコロを振らない
"OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL vol.14"
LOCAL CONNECT
"FUJI ROCK FESTIVAL'25"
ASP
コレサワ
DURDN
"MURO FESTIVAL 2025"
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.07.28
-
THE YELLOW MONKEY
パピプペポは難しい
のうじょうりえ
Hump Back
- 2025.07.29
-
大森靖子×銀杏BOYZ
斉藤和義
- 2025.07.31
-
TENDOUJI
フラワーカンパニーズ
GIFTMEN
なきごと
The Gentle Flower.
のうじょうりえ
ZAZEN BOYS
板歯目
- 2025.08.01
-
bokula.
GIFTMEN
ビレッジマンズストア
キュウソネコカミ / 礼賛 / 西川貴教 / FANTASTICS
GOOD BYE APRIL × エルスウェア紀行
cinema staff
the shes gone
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
Newspeak
Amber's
パピプペポは難しい / IQ99
- 2025.08.02
-
Saucy Dog
マオ(シド)
四星球 / フラワーカンパニーズ / Hump Back / 眉村ちあき ほか
なきごと
FIVE NEW OLD
BLUE ENCOUNT
TENDOUJI
カミナリグモ
"Live House Pangea presents「新世界FESTIVAL2025」"
あれくん
藤沢アユミ
reGretGirl
Nothing's Carved In Stone
ぜんぶ君のせいだ。
岸田 繁(くるり) / 向井秀徳アコースティック&エレクトリック / 折坂悠太
古墳シスターズ
PENGUIN RESEARCH
忘れらんねえよ
シナリオアート
SCOOBIE DO
eastern youth
"NEW HORIZON FEST"
ExWHYZ
BRADIO
映秀。
- 2025.08.03
-
Saucy Dog
なきごと
四星球 × G-FREAK FACTORY
マオ(シド)
ビレッジマンズストア
PK shampoo
フラワーカンパニーズ
BLUE ENCOUNT
Nothing's Carved In Stone
FIVE NEW OLD
reGretGirl
さめざめ
カミナリグモ
あれくん
忘れらんねえよ
SCOOBIE DO
"NEW HORIZON FEST"
古墳シスターズ
Lucky Kilimanjaro
め組
コレサワ
有村竜太朗
- 2025.08.05
-
Hump Back
BLUE ENCOUNT
YOASOBI
RELEASE INFO
- 2025.07.23
- 2025.07.25
- 2025.07.29
- 2025.07.30
- 2025.07.31
- 2025.08.01
- 2025.08.06
- 2025.08.08
- 2025.08.11
- 2025.08.13
- 2025.08.15
- 2025.08.20
- 2025.08.22
- 2025.08.27
- 2025.08.29
- 2025.09.03
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
Organic Call
Skream! 2025年07月号