Overseas
SLEEPER AGENT
2012年12月号掲載
Writer 天野 史彬
またひとつ、心踊るバンドの登場である。アメリカはケンタッキー州ボーリング・グリーンにて結成された6ピース・バンド、SLEEPER AGENT。彼らの1stアルバム『Celabrasion』に収められた12曲のガレージ・ロック・トラックには、若さゆえの苛立ち、悲しみ、衝動、そして、ロックンロールというアート・フォームを手に入れたことに対する無上の喜びが溢れている。まだまだ拙さはあるものの、1音1音に自信が漲り、そして何より、若さが自分たちの現時点での最大の武器であることを自覚しながらも、そこに甘んじることなく、ロックンロールの深淵に手を伸ばさんとする気概も沸々と感じさせる。これはいいバンドだ、絶対に。
この6人組が結成されたのは2008年。メンバーの現在の年齢が10代後半~20代前半ということから、結成当初はまだ高校生くらいの年齢だったと推測できる。だが、彼らにとってバンド活動が青春時代の一過性の思い出作りに留まらず、自分たちの考えや思いを放出することのできる、本気で向き合うべき表現ツールとなったことは、今、こうして彼らの作品に耳を傾けることができる事実からも明らかだ。去年の夏に本作『Celabrasion』がリリースされるやいなや、バンドは米ローリング・ストーン誌において“ルーキー・オブ・ザ・イヤー2011”に選出され、同誌の読者投票による“2011年ベスト・ニュー・アーティスト”においても第2位に選ばれるという高評価を獲得。去年の暮れには同郷の先輩バンドであるCAGE THE ELEPHANTとのツアーを行い、今年に入ってからもBen Kwellerや、今をときめくFUN.、そして御大WEEZERなどとの競演を経て、急速に、その存在感を大きくしている。
そして今年、満を持して『Celabrasion』が日本でもリリースされることとなった。PIXIESやBLACK LIPS、そしてCAGE THE ELEPHANTなどを影響元として挙げる彼らの音楽性は、一聴すればオーソドックスなガレージ・ロック。ただ、曲毎に表情を変える多彩なリズム・パターンや、60年代ガールズ・グループからの影響も時折垣間見せる甘いメロディを伴った優れたソング・ライティング、そして、紅一点ヴォーカリストのAlex Kandel(美人!)とギター兼ヴォーカルのTony Smithによる男女混声ツイン・ヴォーカルが、曲に一介のガレージ・ロックを越えたキャッチーさを注入することに成功している。その精練としたメロディ・センスにAlexの華のある存在感も手伝って、“ガレージ・ロック”という言葉にイメージとしてつきまとう密室感や汗臭さは皆無。若さゆえの泥臭さはあっても、むしろ全体的には瑞々しく爽やかな印象を与えていると言えるだろう。とりあえず、シングル曲である「Get It Daddy」と「Get Burned」の2曲を聴いてもらえれば、彼らのポップ・ポテンシャルの高さを理解してもらえると思う。だが、そうして楽曲全体を耳さわりよくまとめている分、前述したTHE PIXESやBLACK LIPSといった先たちほどのアクの強さはまだ持っておらず、アルバム全体としてはさらっと聴けてしまうのも確か。そこにもの足りなさを感じる人もいるかもしれない。しかし、そうしたバンドの未熟な部分を差し引いてでも、このアルバムを一聴の価値のあるものにしているのは、ソング・ライティングやヴォーカルの力は勿論だが、何よりも、疾走感のあるパンク調ナンバーからミディアム・バラードまで、様々な音楽性に野心的に挑戦し昇華せんとする、バンドの無邪気な野心と無防備な才能である。ここ数年、様々な完成度の高い1stアルバムを耳にしたが、ここまで“未来”を明るく感じさせる1stアルバムはなかなかない。数年後には世間をあっと言わせる傑作をものにする可能性を十二分に感じさせる、とても魅力的な若者たちの登場だ。
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.31
-
すなお
ExWHYZ
吉澤嘉代子
東京スカパラダイスオーケストラ
LONGMAN
YOASOBI
ガガガSP
フリージアン
FINLANDS
Newspeak
夜の本気ダンス
go!go!vanillas
超能力戦士ドリアン
インナージャーニー
岸田教団&THE明星ロケッツ
ポップしなないで
RAY
アイナ・ジ・エンド
- 2025.11.01
-
東京スカパラダイスオーケストラ
怒髪天
PIGGS
超☆社会的サンダル
ポルカドットスティングレイ
MONOEYES
シド
LACCO TOWER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
LiSA
Omoinotake
"ボロフェスタ2025"
ドミコ
TOKYOてふてふ
Dannie May
SIX LOUNGE
hockrockb
go!go!vanillas
osage
WurtS
RADWIMPS
The Biscats
brainchild's
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
chilldspot
moon drop
インナージャーニー
KANA-BOON
AFTER SQUALL
松永天馬(アーバンギャルド)
NANIMONO
愛美
CYNHN
DeNeel
kobore
the cabs
離婚伝説
[Alexandros] / WANIMA / UNISON SQUARE GARDEN / くるり ほか
- 2025.11.02
-
osage
OKAMOTO'S
PIGGS
HEP BURN
秋山黄色
吉澤嘉代子
MONOEYES
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
離婚伝説
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ビッケブランカ × Salyu
"ボロフェスタ2025"
KING BROTHERS
wacci
Laura day romance
PIXIES
WurtS
Devil ANTHEM.
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
Dannie May
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
キタニタツヤ
moon drop
秋野 温(鶴)
KANA-BOON
AIRFLIP
ハンブレッダーズ×秀吉×囲碁将棋
羊文学 / sumika / クリープハイプ / マルシィ ほか
私立恵比寿中学
The Biscats
WtB
:[Alexandros] / 10-FEET / go!go!vanillas / マカロニえんぴつ ほか
bokula.
- 2025.11.03
-
irienchy × no more
NANIMONO
秋山黄色
フレデリック
怒髪天
OKAMOTO'S
東京スカパラダイスオーケストラ
Devil ANTHEM.
ポルカドットスティングレイ
セックスマシーン!!
キタニタツヤ
シド
LiSA
"ボロフェスタ2025"
yama
キュウソネコカミ
愛美
brainchild's
藤巻亮太
AIRFLIP
私立恵比寿中学
Bye-Bye-Handの方程式
moon drop
SPRISE
SCOOBIE DO
the telephones
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
THE BACK HORN
凛として時雨
Age Factory
hockrockb
LACCO TOWER
阿部真央
- 2025.11.06
-
RADWIMPS
古墳シスターズ
ねぐせ。
超能力戦士ドリアン
吉澤嘉代子
TENDOUJI
東京スカパラダイスオーケストラ
THE SPELLBOUND
LEGO BIG MORL
LONGMAN
キュウソネコカミ
フィロソフィーのダンス
夜の本気ダンス
GLIM SPANKY / 神はサイコロを振らない / レトロリロン
礼賛
ブランデー戦記
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
- 2025.11.09
-
コレサワ
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
Laura day romance
ねぐせ。
NANIMONO
SUPER BEAVER
フラワーカンパニーズ
あたらよ
ズーカラデル
osage
FINLANDS
SCOOBIE DO
MONOEYES
SPRISE
Devil ANTHEM.
崎山蒼志
打首獄門同好会
キタニタツヤ
リュックと添い寝ごはん
LUCY
水平線
KANA-BOON
ラックライフ
暴動クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
chilldspot
インナージャーニー
ドミコ
森 翼
PompadollS
Appare!
キュウソネコカミ
eastern youth
Cody・Lee(李)
BLUE ENCOUNT
優里
岸田教団&THE明星ロケッツ
Rhythmic Toy World / BIGMAMA / LACCO TOWER / kobore ほか
ASIAN KUNG-FU GENERATION / SHISHAMO / 水曜日のカンパネラ / TENDRE ほか
シド
"四星球放送局FESTIVAL"
Dannie May
a flood of circle
センチミリメンタル
怒髪天
- 2025.11.10
-
SUPER BEAVER
鶴
リュックと添い寝ごはん
The Gentle Flower. / kalmia / Halujio ほか
荒谷翔大
Helsinki Lambda Club
超能力戦士ドリアン
- 2025.11.11
-
PEDRO
Age Factory×ジ・エンプティ
BIGMAMA
Laughing Hick
SAKANAMON
僕には通じない
Ado
- 2025.11.13
-
MONOEYES
ザ・クロマニヨンズ
PEDRO
東京スカパラダイスオーケストラ
あいみょん
YOASOBI
syrup16g × ZION
超☆社会的サンダル
さとうもか
Tempalay
キタニタツヤ
Rei
片平里菜
ドミコ
NEE
amazarashi
PENGUIN RESEARCH
Hump Back
- 2025.11.14
-
コレサワ
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
ポルカドットスティングレイ
SCANDAL×ハク。
CVLTE
Rei
フレデリック
WurtS
超☆社会的サンダル
NANIMONO
go!go!vanillas
FINLANDS
EASTOKLAB
フリージアン
ゴホウビ
緑黄色社会
- 2025.11.15
-
MOS
チリヌルヲワカ
SCOOBIE DO
ザ・クロマニヨンズ
the paddles
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
LiSA
東京スカパラダイスオーケストラ
離婚伝説
Cody・Lee(李)
SCANDAL / 水曜日のカンパネラ / YONA YONA WEEKENDERS / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
YOASOBI
PIGGS
eastern youth
wacci
TOKYOてふてふ
超能力戦士ドリアン
ExWHYZ
CNBLUE
SPRISE
UVERworld
meiyo
Mrs. GREEN APPLE
フレデリック
ズーカラデル
ビレッジマンズストア
WurtS
すなお
NEE
暴動クラブ
崎山蒼志
フラワーカンパニーズ
リーガルリリー
THE BACK HORN
YJC LAB.
くるり
Nothing's Carved In Stone
"氣志團万博2025"
9mm Parabellum Bullet
INORAN
moon drop
PENGUIN RESEARCH
RELEASE INFO
- 2025.10.31
- 2025.11.01
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
- 2025.11.21
- 2025.11.26
- 2025.12.03
- 2025.12.05
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号








