Overseas
PASSION PIT
2012年08月号掲載
Writer 伊藤 洋輔
高くて青々とした空からは鋭く熱い日射し、どこまでも響き渡るは蝉の鳴き声――さぁ、みんなこの短くもドラマチックな季節をエンジョイしているだろうか?夏祭りに花火大会とさまざまなイベントで彩られるこの季節だが、何と言っても象徴的なのは“海”でしょう。そして今回のカヴァー・ストーリーでご紹介するのは、よせては返す甘く切ない煌びやかなさざ波の如きエレクトロ・ウェイヴ……である。おっと、チル・ウェイヴ?なんてちょっと懐かしいカテゴライズは止めてくれ。これは緩やかで心地良いダンス・ミュージックでありながら、誰もが心を揺さぶられてしまう純粋なポップ・ミュージックだ。あのソウルフルなファルセット・ヴォイスの衝撃を憶えているかい?そう、久しぶりの登場に胸をトキメかせてくれ!エレクトロ・ポップ・バンド、PASSION PITがシーンに帰って来た。約3年振り、待望の新作『Gossamer』(小グモの巣、軽く繊細などの意)を携えて――。
時計の針を少し戻そう。アメリカはケンブリッジを拠点とした5人組PASSION PITの始まりは、ロマンチックなエピソードからなる。それはフロントマンにしてバンドの核となるMichael Angelakosが、彼女のバレンタイン・プレゼントとして作った楽曲を友人が気に入り、幾人の手を介してインディ・レーベルFRENCHKISS RECORDSに渡りEP『Chunk of Change』としてリリースされた、というものだ。そのキャッチーなシンセ・メロディにダンサブルでありながらもMichaelのパーソナルな心情を綴ったダークかつセンチメンタルな詩世界は瞬く間に話題となり、本国の評論家に多くのブロガーから絶賛される。リード・トラックの「Sleepy Head」はiTunesの初週のみで15万ダウンロードを記録する快進撃をみせ、その勢いのままバンドはメジャー・レーベルCOLUMBIA RECORDSと契約。名門バークレー音楽大学出身のメンバーが集まり現在の布陣を形成しながら、欧米では09年5月にデビュー・アルバム『Manners』のリリースとなった。Michaelのベッド・ルームから世界に飛び出してしまった、ただひとつのバレンタイン・プレゼントがこんな形にまで膨れ上がるとは当人さえ想像できなかっただろう。実質、このプレゼントされた楽曲とは傷つけてしまった彼女に対する償いという意味もあったという。優しい人柄が現れる反面、Michaelは不安定な精神面も抱えているとも告白している。メロディと詩世界の相反はまさに彼そのものだというが、その振れ幅が素晴らしい表現に昇華してしまうのは、まるでかつてのBrian Wilsonのように思える。だからデビュー時は朴訥とした風貌に自己嫌悪的な一部の楽曲が重なり過剰なほどナード(草食系とも)として伝えられたが、僕はもっと音楽にかける純然たる“ピュアリスト”だと表現したい。「Sleepy Head」を筆頭に「The Reeling」や「Eyes As Candles」など夢想的なほど甘く切なく煌びやかなメロディが彼らの“マナー”なのだ。そこにどれだけの心情を綴ろうが、聴き手は狂おしいほど心を揺さぶられてしまう。アルバム『Manners』が世界中で大ヒットしたのは言うまでもないこと。
00年代に起こったロックンロール・リヴァイヴァルは多くのギター・バンドが生み出され多ジャンルでクロス・オーヴァーしたが、インディー/メジャー問わずシンセはギターに変わるようトレンドとなっていった。サイケデリックな揺らぎを醸したMGMTやANIMAL COLLECTIVEの成功が大きいと思うが、最近でいうシンセ・ポップ・バンドFOSTER THE PEOPLEの目覚ましい活躍をみると、PASSION PITの登場もシーンに与えた影響は大きいと思わざるを得ない。“踊れるロック”なるキーワードも一般化し、JUSTICEの「D.A.N.C.E」にDIGITALISM「Pogo」、FRIENDLY FIRESでは「Paris」などが世界中でアンセムとなっていったが、この流れはまだまだメインストリームに拡がる印象を受ける。PASSION PITの新作はそんな決定打となるかもしれない。さっそく米英を代表するメディア、Pitchforkに2枚目にうるさ型(らしい)のNMEともに高評価を伝えている。ここ日本での反応も気になるが、そんなメディアの評価はネタとして、あなたの耳で確かめてほしい。『Gossamer』のジャケットのように、今夏を彩る恋のようなドラマチックな出会いが待っているはずだ。
あっ!最後に大事なお知らせ。PASSION PITはSUMMER SONICでの来日が決定しているので、行く人はマストでチェックよろしく!みんな踊ろうぜぇ~。
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