Overseas
BLOC PARTY×WHITE ASH対談
2012年07月号掲載
Writer 伊藤 啓太
WHITE ASH: のび太 (Vo&Gt) 山さん (Gt) 彩 (Ba) 剛 (Dr)
邦楽と洋楽の垣根無く展開するSkream!ならではの企画の第1弾としてスペシャルな対談が実現。今回対談に参加してくれたのは4年ぶりに4thアルバム『Four』をリリースする事を発表したBLOC PARTYと、満を持して遂に1stアルバムをリリースするWHITE ASH。バンドマンならではの視点から楽曲作りやプレイ、バンドの在り方までディープな質問が飛び交った。ぜひこの対談を読み、次は彼らの音に触れていただきたい。
-BLOC PARTYの新しいアルバムはいかがでしたか?
のび太:僕たちは今までのアルバムを全て持っていて、新しいアルバムも聴かせていただいたんですが、今までのBLOC PARTYっぽい曲もあれば、新しいアプローチの曲もある凄くバラエティにとんだアルバムだと感じて。やっぱりかっこよかったです。僕らやっぱりBLOC PARTYのリズムが好きで、だから凄く参考になりました。
Matt:リズムが好きでいてくれたなら、今日の対談には僕たちが一番適しているね(笑)。
-彼らは以前にBLOC PARTYの曲をカヴァーしてこともあるんだそうです。
Matt:なんの曲を?
のび太:「Helicopter」です。
Matt:ほんとに?多分僕たちより演奏うまいんじゃない(笑)?
全員:いやいやいや(笑)。
-彼らはBLOC PARTYでリズム・セクションを担ってますが、プレイの部分で聞いてみたいことはありますか?
彩:やっぱりリズムが凄く面白いので、どうやって音を構築しているのかは気になりますね。
Gordon:今まではKele(Vo&Gt)が思いついたアイデアを口頭で聞いてそれをみんなで再現するってことが多かったんだけど、Keleって凄く言葉で説明するのが下手なんだよね。だから彼が想像していたものを実際に僕たちが再現できたかって言われると、そうでもないんだ。でもそこから色々アイデアが生まれて、そこから組み立てていくことが多かったかな。
Matt:過去のことを考えると昔のような感覚になるね。Keleは凄くダンス・ミュージック、例えばドラムンベースなんかが好きなんだけど、僕らはそうでもないんだよね。Keleが良いって持ってくるビートがいつも同じで。いつも同じビートでこれをやってほしいって言うのをいかにKeleを傷つけないように違うように表現するかって言うのに凄く力を入れたよ(笑)。ほんとは僕はロック・スタイルのビートを入れたかったんだけど、でもやっぱりKeleの気持ちを尊重して曲を作っていたね。
のび太:逆にKeleの好きなダンス・ミュージックな感じとMattの好きなロックな感じとで、好きな音楽性が違ったから、そこで生まれるリズムが普通に聴いていて面白いんでしょうね。
Matt:そうだね、自分たちが好きなリズム・セクションを挙げるとNIRVANAやSHELAC、SONIC YOUTHなんかのロック・バンドが好きなんだ。例えば彼らにドラムンベースや、1989年頃のハウスを再現して下さいって言ったときに彼らが拒否するのか素晴らしいものを作り上げるのかは想像もできない。それと同じような状況で、自分たちはそういう音楽を好きだけどきっと僕たちが音楽を2人で作ってリリースしたら、ただのうるさいロック・バンドになってみんなの印象に残るかはわからないよね。だけどBLOC PARTYの場合はロック以外の要素がたくさんあるから僕たちにとっても非常に良いチャレンジなんだ。それが今言ってくれたようなユニークなビートなんかを生んでいるんだろうね。
Gordon:バンドっていろんな形があると思うんだよね。みんなが同じものが好きで同じ方向に向かっているバンドもあれば、僕たちみたいにそれぞれが全然違うものが好きで、それぞれが好きなものを1つに向かおうとしているバンドもいるよね。
Matt:僕たちはみんなそれぞれ嫌いあっているからね(笑)。
Gordon:みんなそれぞれが緊張感をもって自分の好きなものを共有することによって生まれるものもあるし。ほんとにいろんな種類のバンドがいる中で、テンションを保てなくて離れていってしまうバンドもあるとは思うんだけど、お互いの違う部分をぶつけあって凄く良いものも生まれることもあるとは思うんだよね、僕たちはそういうバンドだと思うしね。
のび太:そういう意味では僕たちも全然好きな音楽が違うんですよね。曲作りに関しても、僕がメインで作っていて、(BLOC PARTYと)同じようにこういう感じてやってって口で言って。みんなで合わせた後にここはもっとこうした方が良い、みたいに話し合って曲を作るんですけど。だからそういうバラバラな方が逆に面白い音が作れるっていう感覚は共感できますね。
Gordon:後はそうやって誰か1人が軸になってアイデアを求めるっていうのは重要だよね。
のび太:確かに、そうじゃないと全然まとまらないで時間ばっかり経っちゃうってことは結構あったからね。なんか同じ感覚を共有できて良かったです。
彩:“ジャムってすぐできちゃうよ”って言われるかと思った(笑)。
のび太:そう、その場でパッと合わせて曲を作ったりもするのかなと思っていたので。そういう意味ではみんなそれぞれ苦労するところはあるんだなって。
Gordon:そうだね、凄く考えて物事を作りこむこともあれば、僕は凄く突発性っていうものを信じていて、突発的にプレイした時に感覚的にいいと思えたものはいつまでもいいっていう感覚を凄く信じているんだ。やっぱり考えて作りこむものでいいものもあれば、その場の突発的な感覚で生まれるものもあって、それもバンドにとっては凄く重要だと思うな。
のび太:割合的にはBLOC PARTYの場合、時間をかけて考えて作り上げたものと、突発的な感覚で作り上げたものとはどちらが多いのですか?
Matt:アルバムによるかな、今作に関してはあらかじめアイデアを持ってきて、スタジオで作りこんでいったんだけど、けっこう短いスパンでアイデアを形にできたことが多かったかな。ただアルバムの中で1曲だけ全然仕上がらない曲があって、その1曲だけで3~4ヶ月かかってしまったんだ。
Gordon:レコーディングの最後の日までコードや展開を変えたりして、最後僕はどうなるかわからないままスタジオを出たんだよね。
-ちなみにその曲はどの曲?
Gordon:「V.A.L.I.S」っていう曲さ。
Matt:多分アルバムの中で一番昔のBLOC PARTYっぽい曲だね。凄いシンプルな2分半くらいの曲なんだけどね。
Gordon:最初はけっこうヘヴィな音だったんだけど,どんどんそれがミニマルな音になっていって、ギターの音をとったりビートを変えたり。最後にはヒソヒソ声みたいなギターの音しか入っていなくなったんだ。
のび太:最初に見えていたものとは違う感じにしたいっていうのは、どのような経緯で?
Matt:みんなどこかなにかしらおかしいって思っていて、アルバムにこの曲は使わない方が良いのかもっていう気持ちはあったんだけど。Keleがこの曲はどうしてもこの曲は入れたいって諦めなくて、僕はコーラスまでの展開が凄く好きだったのに、Keleはその展開を凄く好きじゃなくて、コーラスと合わないっていうんだよね。結局その部分はなくなっちゃったんだ(笑)。Keleの判断だからいいんだけどね。
山さん:僕らが今作を作るときにはシンプルにというか、音の引き算を重要視したんですけど、曲作りのうえで重要視している部分ってどんなところですか?
Matt:ほとんどの場合Keleがジャッジを下すんだけど、今作はみんなの意見を取り入れることもあったかな。僕の場合あんまり最初からリズムを作りこむというのは好きじゃないんだ、自分の主張をするよりどちらかというとGordonのベース・ラインを聴いてからそれに合うビートを付けるようにしているんだ。
Gordon:え、僕もそうなんだけど(笑)。
全員:(笑)
山さん:ほんとにリズムが入ってくるタイミングとかベースが入ってくるタイミングとかが凄くうまくて、足し算と引き算のバランスが凄いなって話をしていたんですよね。
Gordon:自分たちがバンドとしてもっと前進していけるなって気づいたのは音をもっとミニマルにしていっていいんだって気づいたときで。例えばベース・ラインが入ってない曲だったり、ギターを取り省いちゃうとか、そういう可能性に気づいたときにバンドとしてもっともっと可能性があるなって思ったね。
のび太:僕らもツイン・ギターのギター・ロックなんですけど、必ずしもギターがなくてもいいかなって思ったりしていて。僕ギター弾かない曲とかもあったりして。そういうのを思いついたときにもっといろんな曲のヴァリエーションができるなっていうのがわかったんで……音の引き算って大事だね(笑)。<
Matt:そうやってステージ上で自分のパートをやらないともっと自由にできるよね。例えばステージ上でお母さんに電話したりiPhoneで遊んでみたりね(笑)。
のび太:やってみようかな(笑)。
Matt:まぁそれは冗談だけど、例えばギターを弾かないことによってよりオーディエンスとコミュニケーションとったりできるよね。
Gordon:じゃあMattは理想的な曲はドラムが無くて、自分がステージ上でENTER SHIKARIみたいに踊ることなの(笑)?
山さん:ギタリストとして最後にどうしても聞きたいんですが。BLOC PARTYのギターのフレーズっていうのは凄く耳に残るというかセンスのあるフレーズだなって思っていたんですけど。Russellのギターのフレーズっていうのはリズム・セクションの2人はどう感じているんですか?
Matt:砂糖みたいかな?お菓子でいうと。彼はほんとに音楽が自分の感性の中にあって、演奏もそうだし、メロディやフレーズも感覚的に自然にできてしまうんだ。彼にとっては全く苦しくないんだよね、だから僕は凄くうらやましいんだ。自分はシンプルなドラムでも練習したり苦戦したりすることはあるんだけど、彼はほんとに自然にできるからね。UKのインディー・ロックのギタリストの中でももっと評価されてもいいと思うんだよね。例えばARCTIC MONKEYSだってRussellと同じことはできないと思ってる。
Gordon:そんな彼でも何かスターティング・ポイントを与えて、方向性を導いてあげる必要はあるんだ、でもそこからは本当に素晴らしい方向に持っていってくれるギタリストだけどね。僕の立場ってMattとRussellの間に立っているじゃない? 僕は2人に本当に多くのインスピレーションをもらっているから凄くラッキーなポジションなんだよね(笑)。
山さん:計算されたフレーズかと思ってたんですけど自然に出てくるのか……。
Gordon&Matt:今日は楽しかったよ、ありがとう!
WHITE ASH:ありがとうございました!
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