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DISC REVIEW

Overseas

2018年09月号掲載

Thank You For Today

DEATH CAB FOR CUTIE

『Thank You For Today』

Release Date : 2018-08-17
Label : ワーナーミュージック・ジャパン

グラミー賞にもノミネートされた前作『Kintsugi』から約3年ぶりとなる新作。ツアー・メンバーのギターとキーボードを正式に迎えたこともあってか、叙情的なBen Gibbard(Gt/Key/Vo)の歌メロや涙が出るような美しいアンサンブルはそのままに、シンセも含めた生バンドとしてタフ且つ研ぎ澄まされた仕上がりに。中にはアメリカン・ルーツ・ミュージックを思わせるギター・サウンドのプロダクションが印象的な「Gold Rush」や「Autumn Love」なども顔を出し、イノセントなまま大人になるこのバンドの静かで力強い意志を実感できる。現代アメリカにおいてデスキャブのインディー・ロック・サウンドは、30代以上のリスナーにとってはもはや、魂を癒す静謐なソウル・ミュージックなのかもしれない。心許せる親友のような作品。(石角 友香)


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Asphalt Meadows

アルバムとしては約4年ぶり10作目となる、デスキャブの最新作。近作は美メロを生かしたソフトで落ち着いた印象の作品が多かったが、本作ではいきなり強烈なパンチを食らわせる「I Don't Know How I Survive」を筆頭に、ザラついたラウド・サウンドが際立っている。ストレートなロック・ナンバーの「Roman Candles」や、スポークン・ワードとともに雄大なサウンドスケープを描く「Foxglove Through The Clearcut」、アッパー・チューンの「I Miss Strangers」から叙情的なメロディを奏でる「Wheat Like Waves」と、楽曲単体のみならずアルバム全体に静と動のコントラストを纏った、美しくも力強い楽曲が並ぶ。実験的でありながら往年のファンをも唸らせるであろう、結成25周年を迎えた彼らの革新性が光る。(菅谷 透)


The Blue EP

7月に行われた"フジロック"では豪雨の中でのパフォーマンスで観客を魅了したデスキャブが、新体制初のアルバムとなった前作『Thank You For Today』から約1年ぶりの音源となるEPをリリースした。前作で見せた生バンドとエレクトロニクスの融合を保ちつつ、より深い憂いを湛えた5曲を収録。ダイナミックなビートとフィードバック・サウンドが印象的なTrack.1、1999年に地元ワシントン州ベリンガムで起きた爆発事故で亡くなった少年たちを偲ぶ、ポップだが陰のあるTrack.2と、冒頭から癖のある楽曲が並び、バンドのプロデュースによるバラードのTrack.3、ドリーミーなクローザーのTrack.5と、約20分の中に魅力を凝縮。現体制での充実した創作意欲が垣間見える1枚だ。(菅谷 透)


Thank You For Today

グラミー賞にもノミネートされた前作『Kintsugi』から約3年ぶりとなる新作。ツアー・メンバーのギターとキーボードを正式に迎えたこともあってか、叙情的なBen Gibbard(Gt/Key/Vo)の歌メロや涙が出るような美しいアンサンブルはそのままに、シンセも含めた生バンドとしてタフ且つ研ぎ澄まされた仕上がりに。中にはアメリカン・ルーツ・ミュージックを思わせるギター・サウンドのプロダクションが印象的な「Gold Rush」や「Autumn Love」なども顔を出し、イノセントなまま大人になるこのバンドの静かで力強い意志を実感できる。現代アメリカにおいてデスキャブのインディー・ロック・サウンドは、30代以上のリスナーにとってはもはや、魂を癒す静謐なソウル・ミュージックなのかもしれない。心許せる親友のような作品。(石角 友香)