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DISC REVIEW

Japanese

2015年06月号掲載

アンチヒーロー

京都の4人組ギター・ロック・バンドLINE wanna be Anchorsが、初の流通音源としてTOWER RECORDS限定100円シングルをリリースする。正統派ギター・ロックというには少し捻くれているように感じるのは、阿部将也(Gt/Vo)のソングライティングの成す技だろう。一見、決して難しくはない単語の羅列が、哀愁を漂わせるソリッドなメロディ・ラインに乗った途端にドラマティックに加速していく。歌詞がもたらす4分弱のストーリーの起伏に合わせて展開されていくフレーズの構成が実に緻密で、曲が生み出す情景の見たさに何度も再生ボタンを押してしまう中毒性をはらんでいる。静寂と激情を叙情的に表現するスキルは、おそらく今後もさらに磨かれていくであろう。彼らの将来に大きく期待できる、希望的作品。(峯岸 利恵)