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DISC REVIEW

Overseas

Hostess presents NO SHIT! 2

V.A.

『Hostess presents NO SHIT! 2』

Release Date : 2011-12-21
Label : ホステス

2000年創立以来、旬なアーティストや海外でも評価の高いバンドを次々とリリースして来たホステス・エンターテインメントのレーベル・コンピ第2弾が登場。前作も充実の内容だったが今作はそれを上回る豪華さ。RADIOHEADやARCTIC MONKEYSの新作からはもちろん、2011年の年間ベストに軒並みランク・インしているBON IVERなどが収録されたDISC1は今年の洋楽シーンを手っ取り早く知る意味では最適の1枚。続くDISC2は話題沸騰のHOWLERを始めICEAGEなどこれからが期待される新人が並ぶ。ジャンルを横断しながら今の空気をしっかりと伝えるセレクト。個人的にはDISC2をしっかり聴き込んでほしい。とにかくお得なアルバムだ。(遠藤 孝行)


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World Of Joy

Rough Tradeが発掘し、日本でもFUJI ROCK出演や、THE VACCINESのサポート・アクト、単独公演を行うなど、世界中のガレージ、インディー・ロック・ファンの心を掴んだミネアポリス発のHOWLERが、2年ぶりとなる2ndアルバムを完成。10代の破天荒なパワーと、10代ながら妙に肝の据わった姿勢で、切れ味鋭いガレージ・サウンドを刀に辻斬りしていく面白さがあった彼らだが、今回はパワーのみならずバンドの引き出しの豊富さを再発見。擦り切れるほど聴いたロック・レジェンドからアンダーグラウンド・ヒーローたちのレコード、滴るほど体に染み込ませたその曲のエナジーに火をつけて、鮮烈な炎にし、ぶんぶん放り投げてくる。極限までソリッドなサウンドにしながら、ひねりたっぷりのポップ変化球でいろんなツボを突いてくるのが、ニクい。(吉羽 さおり)


America Give Up

ビートニクのAllen Ginsberg著作の“HOWL”から取ったと思われるこのバンド名にこのタイトル…それだけで十分魅力的だ。THE STROKESやTHE LIBERTINESを発掘した事でも知られる老舗レーベルのRough Trade Recordsが契約したという話題先行で注目が集まる彼らだが、一聴してまず感じたのは、60年代~00年代のガレージ・ロック・リヴァイバルに至るロック史に刻まれた音の数々を凝縮したようなバンドであるという事。それはGIRLSの様に円熟したバンドならまだしも、Julian CasablancasやAlex Kapranosの様な色気の持つこのヴォーカリストは未だ19歳!THE VACCINESと共にツアーでここ日本にもやってくる。いち早くチェックしておいた方がいいかもしれない。(中里 友)


Hostess presents NO SHIT! 2

2000年創立以来、旬なアーティストや海外でも評価の高いバンドを次々とリリースして来たホステス・エンターテインメントのレーベル・コンピ第2弾が登場。前作も充実の内容だったが今作はそれを上回る豪華さ。RADIOHEADやARCTIC MONKEYSの新作からはもちろん、2011年の年間ベストに軒並みランク・インしているBON IVERなどが収録されたDISC1は今年の洋楽シーンを手っ取り早く知る意味では最適の1枚。続くDISC2は話題沸騰のHOWLERを始めICEAGEなどこれからが期待される新人が並ぶ。ジャンルを横断しながら今の空気をしっかりと伝えるセレクト。個人的にはDISC2をしっかり聴き込んでほしい。とにかくお得なアルバムだ。(遠藤 孝行)


Plowing Into The Field Of Love

モヤッとしているんだけれど、聴いていてなんだかスッキリする―― 今作にそんな矛盾した印象を与えている所以として、喉の奥につかえている鬱蒼とした気分を吐き出すように歌うフロントマン、Elias Bender Rønnenfeltの存在が大きいだろう。過去作と比べて、彼の変貌ぶりをありありと感じられるのは、歌詞を包み隠すことなく聴き手へと直接投げかけるようになったという点。サウンド面でも、特有のダークさは健在でありながら、管楽器とヴァイオリンを取り入れた「Forever」、アップ・ビートなカントリー・ナンバー「The Lord's Favorite」など、ポスト・パンク色の強かった過去2作での激情を洗練された音楽へと見事に開花させている。バンドの音楽的野心が結実した快作。(奥村 小雪)


You're Nothing

不穏で、不機嫌で、鬱屈したこのモヤモヤをどうしてくれようか?答えのない、どうしようもない怒りに翻弄されるような激しさ、思春期性を思わせるもの。しかし、少年たちの蒼き瞳はとても澄んでいるのだ。磨きがかった刃物で切り裂くようなサウンド、言葉、そのひとつひとつはまるで低温火傷のような痛みを与えるポスト・パンク。デンマークはコペンハーゲンから世界を震撼させたアンファンテリブル、ICEAGEが帰ってきた。アメリカの名門レーベルMATADORに移籍しての2枚目だが、彼らの本質は潔くブレることはない、冷徹なまでの知性が切り開くコンセプチュアル・アート。ありがちな、仰々しいアレンジに手を染めてないことも嬉しい。とにかく刺激的な「Ecstasy」を求めているあなた、必聴!(伊藤 洋輔)


New Brigade

聴くとなんだか無性にバンドを組みたくなる。本能に突き刺してくる鋭利なサウンドに言葉、ってことかな。すべてに唾を吐き出すようなアナーキズム、自暴自棄なほど疾走するニヒリスティックと、とにかくこのモヤモヤをどうにかしてくれ!とばかりに“不機嫌な子供たち”がデンマークはコペンハーゲンから登場した。すでに昨夏海外ではリリースされ瞬く間に注目を集めているが、まだ全員10代の4人組、ICEAGEがいよいよ日本デビューである。GANG OF FOURやJOY DIVISIONの尖った知性を80年代USハード・コアばりのテンションで駆け抜けるかっこよさ、そしてコンセプチュアル・アート指向な美意識も完遂されていて気持ちいい。これは若気の至りではない、本物と断言する。この冷めた時代、シーンも己も“健全”であるがための音楽がここに。(伊藤 洋輔)


A Moon Shaped Pool

あくまで直感なのだが、9.11以降の世界のパワー・バランスの崩壊を予見したような不気味な『Kid A』以降、RADIOHEADの不穏な通奏低音は変わらない。だが、この新作はそれでも人が人としてよりよくお互いを思いやり生きるための、何か心のチューニングを整える一歩前に出た印象がある。具体的には近年、フル・オーケストラやイスラエルのミュージシャンとの仕事も行うJonny Greenwoodと、ソロでDJ的な表現も行ったThom Yorke双方のアプローチが並列する「Burn The Witch」、久々にギターらしいギターが聴ける「The Numbers」、抑制されているものの、リズムがサンバであることに驚く「Present Tense」など、音楽があらゆる境界を溶かす静かで微かな希望が聴こえてくるというか、身を浸していると感じられる。(石角 友香)


King Of Limbs: Live From The Basement

現ロック・シーンの重要アイコンはどこへ向かうのか?RADIOHEADがスタジオ・ライヴ映像作品『Live From The Basement』をリリースする。本作のポイントは、最新作『The King Of Limbs』の8曲に加え「The Daily Mail」と「Staircase」の未発表音源&RECORD STORE DAYにて限定リリースされた12インチ・シングル「Supercollider」のライヴを収録。さらにサポート・ドラマーを含む新体制の6人編成でパフォーマンスを行なっている。また、最近のRADIOHEADはメディア露出が少なく、スタジオ舞台裏風景を収めた映像も貴重なものだろう。昨年リリースされたリミックス集から本作と多角的な考察を強いる『The King Of Limbs』だが、ブラッシュ・アップされたアンサンブル、細分化されたリズムにフィジカルなロックンロール回帰を促がしているように思えるが......その答えはあなたの眼で確かめてほしい。(伊藤 洋輔)


TKOL RMX 1 2 3 4 5 6 7

今年2月に発表されたRADIOHEADの8thアルバム『The King Of Limbs』。そのリミックス・シリーズが完全生産限定12インチ・アナログ・シングルでリリースされ、即完売していた。だが今回そんなリミックス・シリーズが、2枚組アルバムとしてリリースされることに急遽決定。Four Tet、CARIBOUなどクラブ・シーンで活躍する人物や、NATHAN FAKEやSBTRKTなど今日のミュージック・シーンを盛り上げるアーティストまで幅広いリミキサーが揃っている。「Bloom」は5種類のリミックスが収録されているが、原曲を生かしたアレンジ、原曲を一切無視し楽曲のとある箇所だけをフィーチャーしたアレンジなどなど、手掛ける人物によってまったく違う側面を切り出してくる。これぞリミックスの醍醐味だ。(沖 さやこ)