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INTERVIEW

Japanese

the irony

2016年06月号掲載

the irony

メンバー:船津 陽史(Vo/Gt) 脇屋 周平(Gt) 川崎 嘉久(Ba) 工藤 伊織(Dr)

インタビュアー:秦 理絵

一聴して心を鷲掴みにする、圧倒的に力強くて、優しい歌がある。ヴォーカルの船津は佐賀、ギターの脇屋は大分、ベースの川崎は福岡、そしてドラムの工藤は熊本という、九州各地出身の4人によって結成された正統派ギター・ロック・バンド、the irony。彼らが6月22日(水)にリリースする2ndミニ・アルバム『10億ミリのディスタンス』は、出会いと別れを繰り返す日常の中で、"人にとって何が一番大切なのか"を問いかける切実な1枚だ。今、バンドとして歌うべき理由を1年かけて見いだしたという4人にSkream!初のインタビューを行った。

-"the irony"って、読み方は"ジ・アイロニー"?

船津:いや、みんなに"文法的には「ジ」"って言われるんですけど、"ザ・アイロニー"なんです。もともと"ザ"がつくバンド名にしたいなと思ってて。

脇屋:アメリカでは、こういうときも"ザ"って読むらしいんですよ。

川崎:ちゃんと"ジ"って読むのは日本ぐらいだっていう情報をあとから仕入れて、それからはもう"ザ"押しです(笑)。

-日本語で"皮肉"っていう意味ですけど、なぜこのバンド名にしたんですか?

船津:特に深い意味はないので、完全に後づけになるんですけど。僕らの曲って、愛や仲間との絆について歌ってる歌詞が多いんです。それが色で言うと、"愛の色"だよねって、なんとなく響きでつけた感じですかね。

-たしかに、今回のミニ・アルバム『10億ミリのディスタンス』でもそれは貫かれていますね。the ironyが、"愛"や、"人との絆"についてをテーマにするのはなぜだと思います?

船津:どの時代にもたくさんの人に届くのは、優しさだったり、"ありがとう"という感謝の気持ちだったり、そういう誰にでも言えることだと思うんです。その方が僕も歌いやすいんですよ。僕が難しい音楽が好きじゃないっていうのもあるんですけど。10年後、例えばカラオケに行って、愛する家族に"俺、こういう音楽をやってたんだよ"ってサッと歌えるような音楽をずっと作っていきたいなって思ってるんです。たまに(工藤)伊織からは、僕の歌詞は"アンパンマン・ソングだよね"って言われますけど。

-"アンパンマン・ソング"?

工藤:"愛と勇気だけが友達さ"っていう。アキちゃん(船津)の歌詞は、そういうどストレートなものが多いんですよ。でも、あんまり"直球すぎてもいかんな"と思うから、例えば、アンパンマンがバイキンマンを一撃でやっつけて終わるだけじゃなくて、ジャムおじさんの包み込むような優しさじゃないですけど(笑)、どこかに聴き手が想像できる余地とか、遊びも入れていかないとねっていう話はしますね。

-なるほど。the ironyの楽曲は、世代を問わず聴けるような普遍的なメロディや、歌詞の良さが魅力ですよね。それは最初から目指していたんですか?

川崎:結成したころはふわっとしてましたね。"こういう方向性でやっていこう"っていうよりも、東京で何か音楽をやりたいってことしかなかったと思います。

工藤:でも、ここまで歌が先行してなかったような気がします。この4人で活動を始めてから3年ぐらいなんですけど、最初のころは、ライヴでいかにお客さんの心を掴めるかとか、ノリやすいビート感の方を先行してたんです。だから方向性を考え始めたのは、ここ1年ぐらいなんですね。極端に言ったら、BLUE ENCOUNTなの? back numberなの? みたいな。うわー!って盛り上がるライヴをやるのか、しっかり聴いてもらうライヴをやるのか。それを前作(2015年リリースの1stミニ・アルバム『明るい未来の証明』)ぐらいから考え始めたんです。

脇屋:最初はライヴでも詰め込んでたんですよね。聴かせるバラードもあれば、ラウドっぽいパフォーマンスもしてて。でもそれだと、次に繋がらない感じがしたんですよ。"やってることが中途半端だよね"って。それで、どっちかに強みを持たせた方が、長く続けられるんじゃないかなと思ったんです。

工藤:アキちゃんの歌があるから、そっちに寄せていけたんですよね。

-もともとメンバーが好きな音楽はどういうものなんですか?

船津:僕はJ-POPが大好きで、Mr.Childrenが一番好きです。洋楽は通ってこなかったんですけど、T-BOLANとかDEENとか90年代の日本の歌、特にメロディに惹かれるような曲が好きなんです。それをthe ironyにうまく落とし込めたらなって思ってます。

川崎:音楽に目覚めたきっかけは90年代のヴィジュアル系ですかね。90年代は、今聴いてもハッとするようないい音楽がいっぱいあるなと思います。

脇屋:僕は本当にギタリストって感じですね。THE BEATLESから入って、THE ROLLING STONES、LED ZEPPELIN、AC/DC、MR.BIGっていう洋楽のロックを聴いてきたんです。だから、the ironyの音楽にはUK/USの要素も入ってるんです。

船津:曲作りは基本、このふたり(船津と脇屋)なので。僕の歌謡曲っぽい部分と、(脇屋)周平の洋楽ロックな部分が融合して、the ironyの音楽はできてると思いますね。

工藤:僕は親の影響やったんですけど、尾崎豊や山下達郎、井上陽水、森山直太朗とか、シンガー・ソングライターが好きですね。きれいな日本語の曲が好きなんです。

船津:伊織は"きれいな日本語"にすごくこだわりがあるから、僕の歌詞をめちゃくちゃ添削してくれてるんです。"こっちの響きがいいよね"とか。

工藤:特に今回は根詰めてやったよね。