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INTERVIEW

Japanese

吹雪

2015年10月号掲載

吹雪

メンバー:宮川直彦(Vo/Gt) 佐藤智宏(Ba) 竹田敏之(Dr)

インタビュアー:山元翔一

ポスト・ロックやシューゲイザー、UKロック的な要素を取り込み、文学的な日本語歌詞と視覚的で壮大なスケール感の音像を紡ぐ3人組、"吹雪"が2作目となる作品『カリユガ』を完成させた。バンドの中心人物である宮川直彦(Vo/Gt)は今作で、その深い洞察に基づく社会的な視座を以って"暗黒世界=(カリユガ)"を描き上げる。しかし、世界の闇を暴き出した今作を前に、宮川は"音楽は音楽として受け取って欲しい"と語る。ここでは吹雪の歩みと、彼らが今作で我々に示した深遠なる世界の入り口に迫っていきたい。

-"吹雪"というバンドについて初めて触れる読者も多いと思うので、バンドの成り立ちからうかがっていきます。2006年に宮川さんを中心に結成されたそうですが、どういった経緯でバンドを立ち上げましたか?

宮川:もともとバンドやりたいと思っていたんですが、ドラムをやっている人がなかなか見つからなくて。たまたま同じ職場でドラムやっている人を見つけてからは、メンバー交代がありながらやってきたという感じですね。ざっくり言うとですけど。

-当初からこういったポスト・ロック色のある音楽をやっていたのですか?

宮川:正直なことを言うとポスト・ロックとかシューゲイザーっていう言葉は知らなかったんですよ。新宿Motionっていうポスト・ロックとかシューゲイザーをやっているバンドがたくさんいるライヴハウスで初めてやらせてもらったとき、"ポスト・ロック"っていう言葉を知って。"吹雪の音ってポスト・ロックだよね"って言われるようになって、いろいろ調べていって改めて自分で認識したんです。シューゲイザーに関しては以前のメンバーが音楽に詳しくて、"吹雪はシューゲイザーだ"って言って、MY BLOODY VALENTINEとかを教えてくれて。なのでジャンルがついてきたのは結構あとからなんですよ。

-ポスト・ロックとかシューゲイザーという音を、なぜジャンルを意識せずに鳴らせたのでしょうか?

宮川:最初はハードロックだったんですけど、そのあとジャズをちょっとかじって。3分以内の短い楽曲とか歌モノとかみたいなポップではない音楽をやっていたんです。転調とか気分の移り変わりによって自然に曲調が変わっていく曲を作るのが好きだったので、そういった影響もあるのかなと思います。初めてこういった音楽を作るようになったのはRADIOHEADがきっかけで。これまでやっていたジャズとかちょっと難解な方向を諦めてたところに、RADIOHEADを聴いて感慨深くなって歌を載せるようになったんですね。

-ちなみにどのアルバムですか?

宮川:『OK Computer』ですね。でも初めて聴いたとき全然ピンとこなくて、1年後くらいに"1年前に聴いたあの曲なんだったっけな?"って思い出して。先輩が聴かせてくれた「Let Down」(1997年リリースの3rdアルバム『OK Computer』収録)がすごく耳に残っていたんです。改めて聴いて涙が流れて、音楽性もそこからガラッと変わりました。

-当初から"吹雪"というバンド名だったんですか? どういった意味を込めているのかも気になるところなのですが。

宮川:そうですね。意味とかはあんまり込めていないんですよね。

一同:えええ!?

宮川:いや、込めていないわけじゃないんですけど後づけなんです。まあ、もちろん"吹雪"という言葉のイメージはいいなと思っていたんですけど。後づけのイメージは、吹雪というのは遠くから見ているとすごくきれいだけど、中はすごく冷たくて怖い、っていうようなものですね。

-なるほど。吹雪の音楽を聴かせていただいて、ある意味耳あたりはいい部分もありつつ荒涼としてうら寂しい音だなと感じたんですね。"吹雪"という名前にぴったりな音だなと。でも自然と音が名前のイメージについてきたという感じなんですね。

宮川:そうですね、音楽がついてきたというところはありますね。

-それで、2011年に佐藤さんと竹田さんが加入して今の編成に落ち着きますが、おふたりが加入したきっかけや経緯について教えてください。

佐藤:最初は僕がベースとして加入して。ちょうど前のバンドを辞めてどうしようか考えているときに、吹雪が路上でライヴをやっているのをたまたま観たんです。500メートル位先から爆音が聴こえてきて。僕もRADIOHEADとかSIGUR RÓSが好きだったので、駆け寄ってみたら3人でやっててベースがいなくて。"これは、もしかしたら入れるかも"と思って、すぐ声をかけました。吹雪の音には一目惚れでしたね。

竹田:僕は加入当時、大学生だったんですけど、バンドをちょうどやめて音楽やりたいなと思っていたタイミングで。ネットでバンドを探していたときに吹雪の音源を見つけて、"お、かっこいいな"と思ってそこからアポを取ってスタジオに入ってという流れでしたね。

-その当時の音源というのは?

宮川:今はもう封印しています。方向性的には同じようなものなんですけどね。

佐藤:その当時の音源はインストだったんですが、竹田くんが入ったことによってちゃんと歌を載せられるようになって、ちゃんと吹雪がイメージする音を出せるようになりました。