ASH|Skream!インタビュー | アッシュ

2010.04.01.

ASH|Skream! インタビュー

ASH|Skream!インタビュー

ASHの一年間にシングルをデジタル配信&アナログだけで26曲発表するという「A-Z」シリーズは、現状の音楽業界の中で一つのチャレンジだ。その方法に対して馴染みのないファンは戸惑っただろうし、この方法がどこまで認知されたのかもまた未知数だ(僕のようにダウンロードで曲を購入したことがない人間は、7インチを探すしかないし)。ただ、そうした業界に対する方法論の提示という以上に、この試みは一つのバンドとして大きなチャレンジであり、その素晴らしい結果が『A-Z Vol.1』として一つのCDにまず13曲コンパイルされることはとても嬉しい。

Tim Wheeler(Vo&Gt)

INTERVIEWER : 佐々木 健治


-ASHが「もうアルバムはリリースしない」と宣言した時、そういう方向性を選ぶことになった動機は何だったんでしょう?インターネットが普及して音楽業界が変化していく中で、アルバムというフォーマットに可能性を感じなくなったのでしょうか。それとも、もっと違う理由があるのですか?

5枚のアルバムと1枚のミニ・アルバムを作り終えた後、6枚目のアルバムの作業に取り掛かろうという考えには面白さややりがいがないように思ったんだ。新しいアプローチを見つけるべき時機だと思った。
アルバムという形にはもはや以前と同じような意義がないような感じだよね。リスナーは好きな曲だけダウンロードで購入することができるから、1枚のアルバム全体の重要性がなくなりつつあるよね。でもそれが今の時代を表しているとは言えないと思う。
音楽をやっていく上で、絶対に変わらないのはバンドが今すべきことをきちんとやることだと思うんだ。
インターネットの世界では物事が非常に早く移り変わっているし、人々はそういった生の情報をインターネットから得ているよね。同じようにリアルタイムで人々は音楽作品を入手して聴くようになっていくと思うんだ。
だから今回のプロジェクトを始めるにあたって俺達は作品をコンピレーションという形でリリースすることにしたんだ。従来のアルバムという形じゃなくてコンピレーションという形でね。コンピレーションでリリースするってことはそれまでに全曲がシングルでリリースされていなければならないってことだけどね。
とにかく1枚のアルバムの1曲としてじゃなくてシングルとして全曲作ったってことだよ。

-この2週間に1曲、合計26曲のシングルを発表していくというA-Zシリーズは、どうやって思いついたのでしょう?

アルバムを作らないことを決める前に、俺達と俺達のファンとの間の音楽での繋がり方について考えてみたんだ。
1枚のアルバムを作り上げるのに2年もかけるなんて良いことなのかなって。それでそれをリリースしたら次のアルバムまで3年もかかるなんて。
俺はもっと長い時間をファンのみんなの生活の中と共有したいと思ったんだ。
元々は、1990年代初めにTHE WEDDING PRESENTっていうバンドが1年で12枚のシングルをリリースしたのにインスパイアされたんだ。それでベースのMarkが毎週1曲ずつ作ろうって提案してきた。
だけど、そのペースだと楽曲のクオリティを高いものにするのはとても難しいだろうとは思っていたんだ。でも2週間ごとに1曲ずつ作るのなら上手くいくだろうと思ってね。高いクオリティを保ちつつできそうだなって思ったんだ。それで2週間ごとに1曲リリースすることになったんだ。
1年間で2週間ごとだと26曲できるからアルファベットの26文字にちなんで"A-Z"って名前にしたんだよ。

-シリーズをやってみて、これまでとは違うリアクションは感じましたか?

初めのうちは戸惑った人たちも多かったみたいだけど、今はみんなに気に入ってもらえているみたいだよ。もっと長く続けていけば、俺達が作り上げたものの良さや素晴らしさに気付いてくれる人が増えると思うよ。

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A-Z Vol .1

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Release : 2010-04-07


ASHが取り組んできたA-Zシリーズから13曲をコンパイルした『A-Z Vol.1』。2週間ごとに一曲発表するというリリース形態自体、大きなチャレンジだったわけだが、様々なスタイルに挑んだ各曲のクオリティの高さはさすがASH。常にフレッシュな状態で活動を続けていなければ絶対に停滞してしまうだろうが、このコンピレーションのどこを切っても瑞々しくエネルギッシュな彼らの様子が伝わってくる。しかも、まだこれがシリーズの全貌ではなく、残り13曲もあるわけだから恐れ入る。正直、これほどASH の活動にワクワクするのは久しぶりだ。ベテラン・バンドが陥りがちなマンネリズムに堕することなく、これほどのポップ・ソング集を届けてくれたこと。どんな能書きよりも、このことこそが何よりも大切な事実だ。

(佐々木 健治)

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