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“俺のゴールは日本へ行くこと”――TOM WAITSが語った日本への想い

2011.11.11 10:56

“俺のゴールは日本へ行くこと”――TOM WAITSが語った日本への想い

今年“ロックの殿堂”入りも果たした孤高の天才音楽詩人TOM WAITSが、このたび10年ぶりに日本からのオフィシャル・インタビューに応じ、日本への想いや、最新作『Bad As Me』について語った。

TOM WAITSは1973年のデビュー以来、グラミー受賞2作を含む20枚以上の作品を発表し、また、俳優/舞台音楽の名手としても知られる孤高の音楽詩人だが、今年“ロックの殿堂”入りを果たした際の授賞式スピーチでも、自ら“私は気むずかしくて仕事がしづらい”と語る通り、メディア嫌いでも知られている。そんな彼が10年ぶりに日本へ語ってくれた言葉とは……。


アルバム・タイトル『Bad As Me』について、彼いわく“自分の分身のような人物と出会ったとき〈お前がどんな人間かわかっている。俺と同じくらいのワルさ〉と思うことに由来しているんだ。〈お前もスパゲッティーをスプーンで食べるだろ。お前も汚れたグラスで平気で水が飲めるだろ。床でも平気で寝られるだろ。お前も裏庭に馬を飼っているだろ。お前も俺と同じくらい駄目な人間だろ〉って親近感を覚えるようなことさ”

今作へ20年ぶりに3度目のゲスト参加を果たしたKeith Richards(THE ROLLING STONES)について
は“気心が知れているというだけでなく、尊敬と称賛の念を心から抱いている相手”と表現した上で、Keithが初めてゲスト参加した『Rain Dogs』では“凄く緊張した”が、今作はスムーズで、特に1曲目の「cicago」では“彼は対位旋律を弾いているんだが、その対旋律が(ビッグ・ジョー・ウィリアムスの)「Baby, Please Don’t Go」なんだ。正に立ち去ることを歌っている歌にぴったりの対旋律だ。彼は膨大な音楽の語彙を持っている。そういう部分こそ正に今回俺が求めていたもので、彼はそれを凄く自然にやってのけてしまうんだ”と大絶賛。

さらに、今作が初のゲスト参加となったRED HOT CHILI PEPPERSのFreaについては“面白い話がある。彼はロサンゼルスで、才能あるミュージシャンの卵達に少数精鋭で楽器を教える私立の音楽学校を運営しているんだが、その学校がある建物が、実はかつて俺が父親と一緒に酒を飲んでいたバーなんだ。学校のことを知って、彼に『君の学校はサンボーン通りにあるんだって?』と聞いたら『そうです』って言うから、『サンボーン・ハウスってバーはまだあるか』と尋ねたら、『いや、実はそのサンボーン・ハウスがうちの学校です』って言うんだ。『学校に改築したんです』ってね。『なんて素晴らしいんだ』と思ったよ。以来、彼から何度か学校のボランティア活動に協力してくれないかと頼まれて行った。非営利で運営しているからね。で、今回彼にアルバムで弾いてくれないかと頼んだら、彼も自分(レッチリ)のアルバムを作っているところだったにも関わらず、わざわざ時間を作って来てくれた。彼は、人柄が温かく、熱心だ。またミュージシャンとしても天性のものを持っている”と、貴重な裏話も披露してくれた。

そして最後に、日本でのコンサートが1978年以来なんと33年間実現していないことを告げると、ひとしきり大笑いしたあと“長い間音信不通で申し訳ない。もの凄い量の仕事に埋もれていたんだ。日本にはまた行きたいと思っている。いつになるかはわからないが、俺のゴールは日本にまた行くことだ”と嬉しい返事が。“みんなのことは決して忘れていない。新聞でも読んでいる。必ずまた日本には行くから、もう少し俺に時間をくれ”とのことなので、近い将来その日が来ることを、気長に、そして楽しみに待とうではないか。

なお、この他にも「最新作が自己最高位を記録したこと」や「ロックの殿堂入り」などについても答えているこのインタビューの全貌は、日本オフィシャル・サイト(http://www.sonymusic.co.jp/tomwaits)にて随時公開予定。

そして、最新アルバムからの最新ビデオ「Satisfied」も、海外オフィシャル・サイト(http://www.tomwaits.com)にて公開された。トム・ウェイツのミュージック・ビデオとしては、5年ぶりとなるが、今回の監督は(今作ブックレット中の写真も撮影している)Bob Dylanの息子Jesse Dylan。以前、Bob DylanはTom Waitsを“密かに憧れるヒーローの一人”と称しており、またWaitsも今回のインタビューで“いつの日か、Bob Dylanのアルバムをプロデュースしたい”と語っているほど、実は交友が深い彼ら。いつかWaitsとDylan親子の共同制作が実現することも、是非期待したいところだ。


【CD情報】
TOM WAITS 『Bad As Me』
発売中
EICP1501 ¥2,520(税込)
ボーナス・トラック収録
初回スペシャル・パッケージ/ピクチャー・レーベル

【関連サイト】
・TOM WAITS日本オフィシャル・サイト
(日本オフィシャル・インタビューの全貌はコチラにて毎週アップ予定)
http://www.sonymusic.co.jp/tomwaits
・TOM WAITS海外オフィシャル・サイト
(最新ビデオ「サティスファイド」はコチラで視聴できます)
http://www.tomwaits.com
・TOM WAITS 『Bad As Me』特設サイト
http://badasme.com/

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