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LIVE REPORT

Japanese

T.N.T

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2026.01.12 @日本青年館ホール

Writer フジジュン Photographer:Yukiya Kanda

"俺等が去年デビューして、まだ1年も経ってない新米バンド。初めまして、東京のみんな! いや、関東のみんな! いや、日本のみんな! いやいや、世界のみんな! 俺等がT.N.Tです!!"

序盤戦を勢い良く駆け抜け、最初のMCで超満員の客席、いや世界に向けて手越祐也(Vo)が力強く告げる。昨年2月結成、12月に新メンバー Ryu.(Gt)が加入し、現体制になったばかりのT.N.T。"T.N.T 1st LIVE TOUR THE NEXT TRIGGER"2日目の東京公演では初々しさや初期衝動も見せながら、高いスキルと堂々としたパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。世界を見据えた挨拶が決して冗談や大仰なものではなく、本気で言ってるのが分かるからワクワクするし、嬉しくなってしまう。

『ZERO』、『UNIVERSE』の収録曲にシングル「Starting Over」といったこれまで発表された楽曲たちに加え、未発表の新曲も多く披露したこの日。「Swallowtail」や「Fast Lane」といったライヴで鍛え上げてきた初期楽曲では、kyohey(Dr)とFurutatsu(Ba)が生み出す強靭なグルーヴとRyu.のエッジィなギター・サウンド、手越の圧巻の歌唱力でブチアゲて、「Starting Over」や「I Don't Care」といった楽曲では、観客が歌声を重ねてポジティヴなヴァイブスが会場を包み込む。1stツアーと思えない程完成度の高いステージに観客が熱狂する光景に、"ちょっと熱すぎない!? 最高の歌声とノリと熱さをどうもありがとう! これこれこれ!!"と手越も大興奮。

改めて驚かされたのが、T.N.Tの楽曲が持つ振り幅の広さと表現力の豊かさ。"それぞれ作詞も作曲もするメンバーだから、ここからも多種多様なやり方でいろんな曲ができていくと思う"とMCで手越も語っていたが、各々の個性やルーツを楽曲に落とし込み、アップテンポな曲からしっかり聴かせるバラードまで、ジャンルにとらわれない多種多様な楽曲たちで様々な表情を見せられるのはT.N.Tの強みだ。

Ryu.のギターとFurutatsuのヴァイオリンのアンサンブルが観客を楽曲世界の奥深くまで誘った「Leap Of Faith」、ラウドなサウンドに和のテイストを纏った「朧」といった独創的な楽曲たちにライヴのフックとしての心地よい違和感を受けると同時に、巧みなセンスと実力の高さがT.N.Tらしさや強いこだわりを感じさせる。

そして、特筆すべきは手越の存在。少年のような純粋さに男の色気や哀愁も併せ持ち、どんな楽曲も自分色に染め上げる変幻自在のヴォーカル・スタイルは唯一無二だ。「My Beautiful Moment」での願いを込めたピュアな歌声で胸を締めつけ、「Life goes on」のたくましい歌声で明るい未来を照らし。T.N.Tの音楽の芯の部分を担いながら、自由にステージを駆け回ったり、初披露の新曲を観客に合唱させる無茶ぶりがあったりと無邪気さも見せ、観客の心と場の空気を掌握するカリスマ性は圧倒的だった。

そんな中、1つのクライマックスとなっていたのが、最新曲「未来へ」。同日に"第104回全国高等学校サッカー選手権大会"決勝戦にて、6万人の観衆の前で大会の応援歌である同曲をパフォーマンスしたばかりのT.N.T。"自分の中で夢を叶えてもらって、それを恩返しするために自分の中の言葉とか伝えたいことを歌詞の中にちりばめました。毎日を懸命に生き抜いて、いろんな夢に向かって闘って、笑い合ってる皆さんの背中を押せれば"と、一人一人に向けてたっぷり気持ちを込めて届けた美しい歌と演奏は、実に感動的だった。

「未来へ」で"振り返らずに僕らの未来へ歩んで行こう"と歌うように、輝く未来を想像させる楽曲の多いT.N.T。「Mist.」で"未だ見ぬ世界へ"と歌う姿に最初の挨拶を思い返し、彼等が"新たな起爆剤"として音楽シーンに風穴を空け、本気で世界を見据えてることを改めて確信。1stツアーを経てバチバチに鍛え上げたT.N.Tが、世界に向けてさらなる飛躍を遂げる姿が本当に楽しみだ。

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