Overseas
FRANZ FERDINAND
2025.12.11 @東京ガーデンシアター
Writer : 石角 友香 Photographer:Kazma Kobayashi
素晴らしいリフと、物語を立体化できるヴォーカリストのシンプルな強み。四半世紀近いキャリアを持ちながら常にフレッシュなロック・バンドであり続ける理由を、まざまざと見せつけられたベテランのライヴだった。今年1月に最新アルバム『The Human Fear』をリリースすると、全英チャートで3位を記録、日本でもオリコン洋楽チャートでトップ10入りを果たす現役ぶり。そのタイミングでキラーチューン「Take Me Out」のSpotify再生数が10億回を突破したことも話題になったFRANZ FERDINANDの、待望の再来日だ。
大阪公演の盛り上がりをSNSで知り、急遽東京公演に足を運んだオーディエンスも多そうな東京ガーデンシアターのフロア。リアルタイム世代も若いリスナーもビール片手にショーの始まりを待ち、ムードは最高潮だ。ステージをフレーミングするような柱状の構築物と立体的なセッティングが青いライトに照らされ期待が高まるなか、ほぼ定刻に暗転すると歓声とクラップに迎えられてメンバーが入場。オープナーは1stアルバム収録の「The Dark Of The Matinée」だ。シンプルだがキレのいいリフとタイトなアンサンブルの凄み、サビのキャッチーさに早くもワイパーが起こる盛り上がりを見せる。
上機嫌なAlex Kapranos(Vo/Gt)」の"コンバンワ、トーキョー!"の第一声にさらに湧くフロアへ、新作からポストパンクなビートの「The Doctor」。"doctor, doctor"のシンガロング、ジャンプのたびにフロアが凄まじく揺れる。ただ突っ立っていると酔いそうなぐらいだ。Alexがギターを弾きながら高速でステージを闊歩する姿がいかにも英国的なスターなのも痛快。
少しテンポを落とした「No You Girls」でのピアノとギターのリフの重なりはシンプルながら曲の良さを際立たせ、ピアノが印象的な「Night Or Day」も実にイギリス的なトーン。哀愁も感じさせるメロディに乗せて"人生は決して楽じゃない でも君と生きているなら 昼も夜も思い切り生きよう"と、最終的には人生を渇望する前向きさが歌われているのは新作『The Human Fear』に通底するテーマなんだと感じる。そうでなきゃ、こんなに開かれたエネルギッシュなパフォーマンスに帰結しないだろう。
新作と共に来日できたことにAlexが謝辞を述べた後は、ヒット・チューン「Do You Want To」のイントロが爆発的なリアクションを生み出す。いいリフを持つロックンロールは、今この瞬間にでもファンを作ってしまう。"do ya, do ya, do ya wanna?"の特大シンガロングと終わらない"Lucky, lucky, you're so lucky"のコール&レスポンスが、この夜最初のクライマックスを作り上げた。場内の気温が一気に上昇したところに、またも新作から「Audacious」をドロップ。日常的なトーンに始まり、ちょっとQUEENにも通じる演劇的なサビに開ける展開はプチオペラのような感慨をもたらすのだが、いろいろへこんで人生を投げ出しそうになっても"僕等を救えるのは僕等だけ"なんて歌われると、メロディの良さも相まってとても沁みるものがある。それもAlexの物語を立体化できる声の表現力ゆえだ。
コンパクトに凝縮したナンバーを矢継ぎ早に繰り出すこのバンドの潔さは、ポストロックとダンス・パンクという出自に誇りがあるからだろう。とにかく冗長にならないエンディングがカッコいいったらない。早くも6曲突っ走ってきたことに驚いていると、Alexが弾くマイナーの単音リフに歓声が上がり、「40'」へ。初期曲への不動の人気を感じるが、20年程も記憶に留められているのは1stアルバムの強みというものだろう。しかも全然古い聴き心地じゃないのだから当然だ。メランコリックなヴォーカルとオルガンがキャッチーですらあり、終盤のコール&レスポンスはAlexが納得するまで行われ、"Nice singin' !"の一言をいただいた。
ブルージーなメロディやコードでもタイトな印象の「Build It Up」のような曲では特に新メンバー、Audrey Tait(Dr)のプレイが映える。そしてキーボードのJulian Corrieがギターに持ち替えトリプル・ギターの押し引き、グルーヴを支えるBob Hardy(Ba)のプレイも聴きどころの「The Fallen」と、新旧のレパートリーが違和感なく現在のライヴで表現されていく。
Alexが"次の曲は実在する日本の場所についての歌なんだ"と紹介したのは「Bar Lonely」。音源よりブライトなギター・ロックに聴こえたのは不思議な気分だ。フロアの反応の良さと日本での思い出がAlexを上機嫌にさせたようで、新宿ゴールデン街の誰かであろう"My friends of Tokyo"という一言も、ここにいる全ての人に向けられている気がしてくる。そして冗談っぽく"次の曲は「Smoke On The Water」"と笑いながら放ったのは、なぜそんなことを言ったのか謎が残るエキゾチックな「Black Eyelashes」。Alexのルーツの1つであるギリシャのムードも感じるミドル・チューンがショー全体のいいフックになって全く飽きさせない。
コンパクトな「Black Eyelashes」、そして再びナイスなリフが切り込んでくる「Michael」から、終盤の畳み掛けが始まる。ギタリストのDino BardotもAlexと共にステージ前方に出てアクティヴにプレイし、「Love Illumination」のイントロではAlexがフィードバック・ノイズを発生させ、さらに熱狂を煽る。やっていることはごくシンプルなのだが、ロックで踊ることに最適化されたギター・サウンドやビートに白旗を上げたくなる。余計なものが一切ない良さを何度も感じる、それがFRANZ FERDINANDのライヴなのかもしれない。
そんなことを思っているうちにAlexが"もっとクレイジーに!"とフロアを煽った瞬間、"So if you're lonely"の歌い出しに絶叫と悲鳴が起こり、そのまま「Take Me Out」へなだれ込む。いまだに不思議な展開の曲だと思うのだが、ヴァースのタメとザクザク刻まれるリフと思いきり叫ぶ「Take Me Out」のサビの対比には、ほとばしる何かがある。ジャンプしやすい曲ではないのに、再びフロアはめちゃくちゃにバウンドするのだった。もはやファン歴なんか関係ない盛り上がりを見せるなか、シンプルなビートとループするカッティング・ギターが繰り返される「Outsiders」。Alexだけでなくメンバーも階段状のセットに立つ等の動きを見せ、エンディングでは全員がドラム・セットの台に集まりシンバルを叩くという、これまたシンプルなロック・バンドのエンディングらしい節制の効いたやりたい放題をかまして本編が終了した。
アンコールの声に程なくして再登場した5人は、予定になかった「Jacqueline」をプレイ。哀愁に満ちた歌で始まり、ソリッドなリフに突入していく初期ナンバーに前方のコアなファンは狂喜したことだろう。さらにビートはタイトだが、UKらしさ満載で陰のあるメロディが渋い「Walk Away」、イーヴルなベース・ラインが響き渡る「Ulysses」では"I'll find a new way"のコール&レスポンスが止まらず、アンコールとは思えないノンストップな展開を見せる。
潔いアウトロを持つ彼等のことだから大仰な終わり方はしないと思ったが、それでもショー自体を終わらせるにはまだまだステージ上の5人はパワー全開。そこに今までにないやんちゃなシンセ・リフが鳴り「Hooked」をドロップ。新作からはもう7曲目の披露だ。最後のダンス・タイムとばかりにジャンプするフロア。だがまだ終わらせないとばかりにスクエアなキックが鳴らされると「Evil And A Heathen」へ。思うままに体を揺らすフロアは大満足だ。正真正銘のラスト・ナンバーは「This Fire」。曲の途中でオーディエンスを座らせ、サビで爆発させるという展開もこのライヴの楽しさを経てくると自然に参加したくなるというもの。"Japan tour"は伊達じゃないとばかりにアンコールになんと6曲も演奏してくれた5人は、最後の最後まで"リフのキング"っぷりを発揮。研ぎすまされた演奏は、現体制のFRANZ FERDINAND最強説を裏付けていた。
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