Japanese
ずっと真夜中でいいのに。
Skream! マガジン 2023年02月号掲載
2023.01.15 @国立代々木競技場 第一体育館
Writer : 吉羽 さおり Photographer:鳥居洋介
ずっと真夜中でいいのに。が、1月14日、15日と国立代々木競技場 第一体育館でのライヴ"ROAD GAME『テクノプア』~叢雲のつるぎ~ at. 国立代々木競技場第一体育館"を開催した。昨年9月にスタートし全公演ソールド・アウトとなった全国ツアー"GAME CENTER TOUR 『テクノプア』"に続いて、今回も両日チケットは即完した。ずっと真夜中でいいのに。は今、最もチケット入手が難しいアーティストのひとりだ。キャリアが増すごとにファンの母数が大きくなっていることはもちろん、幸運にもそのライヴを体験した人がまた観たい、次はどんなステージになるのだろうと期待値が上がっていくライヴを行っている。今回の2公演も、全国ツアー"GAME CENTER TOUR 『テクノプア』"とはまた違ったコンセプトでのショーであり、ツアー集大成とも違う位置づけだ。アルバムやミュージック・ビデオなどとはまた別軸で、"ライヴ"はライヴとして毎回、コンセプチュアルで、奇想天外な新しさと郷愁感が入り混じった、特別な空間が用意されている。普段はほとんどメディアへの露出がないだけに、ずっと真夜中でいいのに。、ACAねに会える、もっと言えば本当に実在するのかと確認できる場がライヴなのだが、その姿を目視しパフォーマンスに酔いと高揚する一方で、この時間は現実のものなのかという錯覚も引き起こす。それくらい、独自の世界観が構築され、洗練されているのがずっと真夜中でいいのに。のライヴだ。
今回の"ROAD GAME『テクノプア』~叢雲のつるぎ~ at. 国立代々木競技場第一体育館"もまたコンセプチュアルで、舞台セットの隅々から演出の細部までこだわりが窺えた。昭和から平成初期のカルチャーの遺産/遺跡と言えるような、古びて忘れられた(片田舎の)ゲームセンターがステージ中央に鎮座。ゲーセンには、巨大な"叢雲のつるぎ"が突き刺さってビリビリと放電している。このゲーセンを中心に、何層にもなったステージにはお馴染みのオープンリールで演奏をするOpen Reel Ensembleをはじめ、ブラウン管テレビ・ドラムや扇風機といった家電楽器があり、またド迫力のツイン・ドラムを擁したバンド、ストリングス隊とホーン隊が並ぶ壮観さ。さらには、津軽三味線奏者やトランクケースを携えたパーカッショニストまでも登場して、このずっと真夜中でいいのに。の世界観をボリューミーに彩っていく。
2020年に行った"やきやきヤンキーツアー(炙りと燻製編)"などもそうだったが、その舞台装置は、昭和/平成の時代を知る人には懐かしいもどこかこそばゆいような感覚を味わうと思うが、同時に時代性が判別できないシュールさやカオスもあって、観客が電脳世界やサイバーパンク的世界に紛れ込んでいるようにも思える。音楽的な情報量の多さと、ふたつの目では追いつかないくらいの視覚情報やギミックで、脳内が混線した状態だ。そこに、ACAねのヴォーカルがさらなるエフェクトをかける。昨年春にはビルボードライブで"ZUTOMAYO PLUGLESS"と題したアコースティック・ライヴを行ったが、今回のライヴでも中盤にアコースティック・セットを配置。ミニマルなアンサンブルの中で自在にその歌を泳がせて、生だからこその繊細でエモーショナルな歌心や吐息を響かせた。しかし同時に、エクストリームに変化するメロディ・ラインや絶妙なブレス、超絶なハイトーンも長いショーの中でブレることなく表現する歌のパフォーマンス力に圧倒されているうちに、リアルとアンリアルの境目が溶解する。不思議な特異点が生まれて、新しい体験をするライヴだ。
昭和や平成の文化やキッチュでアナログ感のあるゲームなどのモチーフは、今の感覚的に言えばエモいキャッチーさや、とっつきやすさがあるのかもしれない。すぐに歌えて、すぐに踊れてみんなで楽しく共感、共有できるものや、答えが求めやすいものがウケる現在のなかで、ずっと真夜中でいいのに。は、そのモチーフなど"入口"となる部分こそキャッチーだが、ひとたび中に足を踏み入れた世界はある種とても難解で、音楽的なエレメントや発想の多彩さ、心の在処をひもとくとんちと連想ゲームを張り巡らせ歌詞のユーモアや深みは、なかなかに難攻不落だ。しかも、デビューから5年を経た今なおACAねのプロフィール的なところや素顔は明かされることなく、それでいて人気もライヴ動員も右肩上がりで伸びている。その音楽を聴くほどパーソナルな部分を知りたくなり、そしてライヴに足を運べば奥深い音楽の世界や未知のエンターテイメントに触れ、再びもっともっと音楽を知り、聴く楽しみを刺激される、幸福なサイクルが生まれている。そこにある答えは千差万別でいいし、どの瞬間も高い純度で楽しめるものを作り上げていく。ライヴでは特に、アーティスト、クリエイターとして心血を注いで特別な2時間を作り上げていることを感じる。次は何が起こるのか、見続けたいアーティストだ。
そして今回行った公演を"ROAD GAME『テクノプア』~叢雲のつるぎ~ 解"と題し、配信限定の特別版として3月11日20時よりABEMA PPV ONLINE LIVEで独占配信が決定。15日のファイナル公演を完全収録し高画質で視聴できる他、当日の会場模様やACAねのゆる解説を含めた配信限定の映像も新たに制作。会場参戦ともひと味違う、ずっと真夜中でいいのに。をより深く知ることができる新しいライヴ体験が届けられる。配信チケットの販売開始は2月10日20時予定。
LIVE STREAMING INFORMATION
ずっと真夜中でいいのに。
ROAD GAME『テクノプア』
~叢雲のつるぎ~ 解
3月11日(土)配信開始 19:30 / 開演 20:00 / リピート配信 24:00
販売期間:2月10日(金)20:00~3月11日(土)24:00
※見逃し配信や追っかけ再生はございません。
配信はこちら
- 1
LIVE INFO
- 2025.03.10
-
Panorama Panama Town
Jack White
秋山黄色
SCOOBIE DO
三浦透子
- 2025.03.11
-
Panorama Panama Town
ACIDMAN
SCANDAL
MOGWAI
a flood of circle
SILENT SIREN
THE SPELLBOUND
神聖かまってちゃん
4s4ki
フクシア / MAKKURAGE / ジンバジ / goat Life / BUA
- 2025.03.13
-
yama
礼賛
フラワーカンパニーズ
マカロニえんぴつ
Jack White
GANG PARADE × RED in BLUE
挫・人間
04 Limited Sazabys × WurtS
伊東歌詞太郎
Wisteria
大橋ちっぽけ
- 2025.03.14
-
HY × Anly
yama
GLIM SPANKY
サカナクション
マカロニえんぴつ
OKAMOTO'S
SCANDAL
荒谷翔大 × 鈴木真海子(chelmico)
NOT WONK
おいしくるメロンパン
FUNKIST
THE YELLOW MONKEY
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
伊東歌詞太郎
緑黄色社会
- 2025.03.15
-
HY / LiSA / BURNOUT SYNDROMES ほか
MAN WITH A MISSION
SCANDAL
フラワーカンパニーズ
サカナクション
さとうもか
GLIM SPANKY
sumika
リアクション ザ ブッタ
OKAMOTO'S
Kroi × BREIMEN
THE ORAL CIGARETTES
Re:name
BRADIO
This is LAST / NEE / シンガーズハイ ほか
Hump Back / ヨネダ2000
FUNKIST
East Of Eden
NOT WONK
moon drop
原因は自分にある。
kobore
GRAPEVINE
ExWHYZ / Tani Yuuki / cross-dominance
INORAN
LEGO BIG MORL
藍坊主
ジュウ
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
ラックライフ
Galileo Galilei
キタニタツヤ
"DreamARK presents 『D-FES』"
TENDOUJI
Jack White
- 2025.03.16
-
HY / SUPER BEAVER / Saucy Dog ほか
フラワーカンパニーズ
さとうもか
"machioto2025"
sumika
ヒトリエ
OKAMOTO'S
TENDRE / Chilli Beans. / iri
ビレッジマンズストア
GANG PARADE × BiTE A SHOCK
ズーカラデル
PIGGS
East Of Eden
礼賛
FUNKIST
原因は自分にある。
osage
NEK!
Appare!
AIRFLIP
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
JYOCHO
ART-SCHOOL
a flood of circle
キタニタツヤ
w.o.d.
THE BACK HORN
- 2025.03.17
-
ぜんぶ君のせいだ。 × Not Secured,Loose Ends
THE YELLOW MONKEY
アイナ・ジ・エンド
Jack White
9mm Parabellum Bullet
- 2025.03.19
-
荒谷翔大 × 鈴木真海子(chelmico)
TAHITI 80
空白ごっこ × クレナズム × Hakubi
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
FUNKIST
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Apes
East Of Eden
FIVE NEW OLD
- 2025.03.20
-
Appare!
FUNKIST
SUPER BEAVER / ハンブレッダーズ / レキシ
FINLANDS
This is LAST
kobore
THE BACK HORN
go!go!vanillas
THE YELLOW MONKEY
フラワーカンパニーズ
osage
never young beach
キタニタツヤ
キュウソネコカミ
ズーカラデル
リーガルリリー
yama
04 Limited Sazabys / coldrain
sumika
片平里菜
ビレッジマンズストア
moon drop
ACIDMAN
a flood of circle
KiSS KiSS
I Don't Like Mondays.
戦国アニマル極楽浄土 / 輪廻 / LYSM ほか
TAHITI 80
East Of Eden
インナージャーニー / ザ・シスターズハイ / 板歯目 / 終活クラブ ほか
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Ayumu Imazu
リアクション ザ ブッタ
OKAMOTO'S
私立恵比寿中学
Hello Sleepwalkers
東京スカパラダイスオーケストラ
- 2025.03.21
-
空白ごっこ × クレナズム × Hakubi
君島大空
SCANDAL
超能力戦士ドリアン
リーガルリリー
TAHITI 80
フレンズ
fox capture plan
サカナクション
片平里菜
礼賛
ORCALAND / Hello Hello / サウルス / ATOP_LARVE / roi bob
Cody・Lee(李)
TAIKING(Suchmos)
ヒトリエ
CAT POWER
the quiet room
GLIM SPANKY
GRAPEVINE
- 2025.03.22
-
FUNKIST
kobore
RAY×BELLRING少女ハート
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
never young beach
FINLANDS
Omoinotake
THE BACK HORN
envy
This is LAST
go!go!vanillas
a flood of circle
フラワーカンパニーズ
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
ズーカラデル
Appare!
GANG PARADE / ASP / ExWHYZ ほか
サカナクション
Apes
Maki
"IMAIKE GO NOW 2025"
PIGGS
yama
BLUE ENCOUNT / BURNOUT SYNDROMES / SPYAIR
sumika
miwa
緑黄色社会
GRAPEVINE
MAN WITH A MISSION
"ツタロックフェス2025"
岸田教団&THE明星ロケッツ
RELEASE INFO
- 2025.03.10
- 2025.03.12
- 2025.03.14
- 2025.03.19
- 2025.03.26
- 2025.03.28
- 2025.04.01
- 2025.04.02
- 2025.04.04
- 2025.04.09
- 2025.04.11
- 2025.04.15
- 2025.04.16
- 2025.04.23
- 2025.04.25
- 2025.04.26
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
フラワーカンパニーズ
Skream! 2025年02月号