Japanese
神聖かまってちゃん
2015.07.16 @ 池下 CLUB UPSET
"Athena最前線"
7月16日(木)名古屋CLUB UPSET
w/ Charisma.com
開場 18:30 / 開演 19:00
前売 ¥3,800(税込/drink別)
【問】CLUB UPSET:052-763-5439
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昨年活動を再開したCharisma.comから約7年ぶりのアルバム『ERROR40』(読み:エラー)が届いた。本作には、弓木英梨乃、shimimins、屋良朝幸、ポチョムキン(餓鬼レンジャー)等、多くのゲスト・アーティストが参加。1曲ごとにサウンドと表情が変わる、色彩豊かな作品となっている。中でも2015年発表「アラサードリーミン」の続編という「アラフォーマジック」の振り切り具合とキレッキレのラップが最高で、30代付近のナイーヴな心境に寄り添った前作に励まされていた世代は、きっと今作の煌びやかなエレクトロ・サウンドとリリックに背中を押されるはず。これぞCharisma.com印な全12曲が揃った。(山田 いつき)
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2011年の結成から現在までのCharisma.comのオリジナリティを凝縮した全19曲からなる初のベスト・アルバム。バキバキのEDM寄りのエッジーな「HATE」、「お局ロック」、「サプリミナル・ダイエット」。OL時代の女子に対する様々なツッコミも、圧倒的なラップに乗ると切れ味抜群の新しい表現に聴こえる。この発明は、女性のみならず他のラッパーも似た者がいないMCいつかの独壇場。生音など、トラックメイクの方向性が変化した『not not me』以降の楽曲センスは、まさにこれから進化しそうなだけに残念さも募るのだが......。新曲「りぼん」と「グララ」の曲調の違い、また、今をときめくTokyo Recordingsによる「Hello 2」のトラップ以降のラップ・ミュージック世界基準の音作りもクールで上品。(石角 友香)
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従来の攻撃的なエレクトロ・サウンドと重低音の効いたサウンドメイクから、グッと音数を減らし、圧で押すより曲そのものの同時代性に快哉を叫びたくなるメジャー初のフル・アルバム。ダンサブルでありつつ、ギターなど生音のグルーヴが新鮮なTrack.1「#hashdark」。OKAMOTO'Sのハマ・オカモトのベース1本で展開する驚きの新境地であるTrack.6「classic glasses」、SOIL&"PIMP"SESSIONSの社長らしさが功を奏した、ビッグ・バンド風のTrack.8「婿においで」、二度目のタッグとなる西寺郷太との洗練されたファンキーさが粋なTrack.5「Lunch time funk」など、リスニング・アルバムとしても十二分に楽しめる。攻撃的なだけじゃないメロディやメロディに近いラップを聴かせるMCいつかの表現力、全体の構成力にも注目を。(石角 友香)
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視聴者のイタい経験談を番組内で吸い上げて曲にしていくという、彼女たちならではの企画から誕生した「unPOP」は、Michael JacksonやPRINCEの研究でも知られるNONA REEVESの西寺郷太との共作で、これまでバッキバキのエレクトロ・ダンス・チューンが特徴だったそのイメージで聴くと、意表を突かれるシティ・ポップ感や、サビでBPMが下がるというシュールな展開も面白い。また、フルカワユタカとのバンド・サウンドがベーシックにある「もや燃やして」も、ギター・サウンドが新鮮。従来の音を踏襲した「999」はアタックが強く、90sのJ-POPのごとき煌くサビメロとドスの効いた迫力のラップ・パートの落差が激しすぎる「恨み積もって山となる」の展開も強烈。転換期の実験作として注視したいEPだ。(石角 友香)
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MC いつかとDJ ゴンチによる現役OLエレクトロ・ヒップホップ・ユニットの2ndミニ・アルバム。その舌鋒はますます鋭く冴え渡っており、ダイエットを口癖にしながら実行できない人間に痛烈にツッコミを入れるTrack.1「サプリミナル・ダイエット」、クレーマー消費者へ向けた痛快なTrack.5「GODcustomer」、自撮り女子に強烈な"ディス"を送るTrack.8「自撮ーる」など、テーマとなっているのは自己愛に満ちた人々。核心を突いたリリックに耳が痛い人も多いと思うが、キャッチーなサビメロとエレクトロ・サウンドが融合したTrack.2「骨抜きに恋して」やダンサンブルなTrack.7「ベルサッサ」といった楽曲で聴けるサウンドは理屈抜きにカッコいい。TOWER RECORDS限定盤にはもう1曲追加収録。その曲名は「豚」! (岡本 貴之)
一見、キラキラしたリア充女子も、年がら年中、恋バナをしてる女子も、どうも他者への愛じゃなく、それって自己愛の塊なんじゃ?という場面に遭遇すること多くないですか? そこに違和感を持つあらゆる人は痛快な気分に、そして若干、自分ごととして刺さる女子のみんなさえ踊らせる、それがCharisma.comの許容量なのでは。テーマが愛や恋なぶん、歌詞はさらに攻撃的になりつつ、トラックはバキバキの四つ打ちエレクトロ以外にも大きくウィングを広げた本作。ゆったりめのBPMが歌詞のアグレッシヴさを強調するTrack.1、ミニマル・ファンクが今っぽいTrack.2、ダークで冷淡ですらあるR&BのTrack.8など、サウンドが洒脱になればなるほど、内容が刺さるという展開に唸りながら笑うしかありません。(石角 友香)
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もし怒りが込み上げても、すぐにそれをぶつけずに、ちょっと冷静になってごらん......というのは、筆者が昔、誰かに言われた言葉である。"知らんがな"って言わないで。本当にそうだと思うのだ。"怒り"とは往々にして、一方的なエネルギーである。Charisma.comがインディーズ時代から支持を得たのは、MCいつかの紡ぐリリックが、"怒り"を放つと同時に相手を"受け止める"懐の深さを持っていたからだと思う。彼女は怒りながらも冷静だ。満を持してのメジャー・デビュー作、MCいつかは過去最高に優しい。中間管理職になった(らしいですよ)からだろうか。ポップで穏やかな「アラサードリーミン」などは涙が出てくる。悩むアラサー、嫌な上司にお局、ダメダメなカップル......でも"本気で生きている"人には、このふたりは優しい。(天野 史彬)
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最高。もう最高。現役OLエレクトロ・ヒップホップ・ユニット、Charisma.com待望のフル・アルバムである。前作『アイ アイ シンドローム』で見せた、鋭い社会批評を取り込んだ刺々しいリリックの殺傷能力は俄然高まり、同時にトラックは一層のポップネスと奥深さを手に入れた。まるで隠れた場所から手榴弾を投げつけるテロリストのように音と言葉を放っていた『アイ アイ~』と違い、本作からは、ミュージシャンとして真っ向からこの社会に喧嘩を売ろうとする2人の確信に満ちた姿が浮かび上がる。だからだろうか。この作品からは全編通して、今、この世の中を生きる人々に対して捧げられる母性的な優しさすら感じさせる。そう、怒りとは愛なのだ。Charisma.comは怒りという名の全身全霊の愛で、この社会を抱きしめている。(天野 史彬)
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MCいつかとDJゴンチの現役OLによるエレクトロ・ヒップホップ・ユニット、Charisma.comが2014 PARCO VALENTINEキャンペーン・ソングに起用された「チャンコイ」に続くiTunes限定配信シングルをリリース。今作は"幸運(ハッピー)は回ってる(ターン)"という想いを込めた、彼女たちらしいホワイトデー・ソング。本人たち曰く"こじらせ女子の日常の歌"だという今作は、日々の生活から嫌気がさしている女子の感情をありありと表現しており、現役OLの2人だからこそ産み落とせた作品と言える。1stミニ・アルバム『アイ アイ シンドローム』の楽曲と比べ軽やかにはなっているものの、独特な気だるさと刺々しいリリックは健在。iTunesエレクトロニック・チャート1位に輝いた「チャンコイ」同様、今回もヒット間違いなしの1曲。(奥村 小雪)
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MCいつかとDJゴンチというふたりの現役OLから成るエレクトロ・ヒップホップ・ユニット、Charisma.comのデビュー・ミニ・アルバム。ヘヴィでアグレッシヴなトラックに乗せて歌われる、現役OLならではの生々しく社会の矛盾、暗部を暴き、告発するリリックの鋭さは、そのキュートな存在感と相まって、聴く者に大きな衝撃を与えるだろう。SNSに蔓延する肥大した承認欲求や、会社での理不尽な人間関係といった彼女たちの怒りの矛先は、今、誰もが無理やり隠し通そうとする現代社会の“弱さ”でもあるから。だが、だからこそ、Charisma.comの音楽には、この社会で悩み、傷つきながらも生きる者への慈愛にも似た優しさも孕んでいる。それは、メロウで感動的なラスト・トラック「OLHERO」に、何よりも顕著に表れている。(天野 史彬)
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生と死は常に隣り合わせであり、何気ない日常もまた、死と地続きのものだ。ラテン語の成句にメメント・モリという言葉があるが、神聖かまってちゃんは一貫してそれを叫んできたバンドだと思う。幼少期から30年以上、千葉ニュータウンの団地に住み続けるの子(Vo/Gt)が、日常の中で積み重ねてきたアンチテーゼを1つの作品としてまとめ上げた、5年ぶり11枚目のフル・アルバム。「オルゴールの魔法」を彷彿とさせるTrack.6、四つ打ちサウンドが高揚感を生むTrack.8、メロディ・メーカーとしての手腕が光るTrack.11、さながらヴェイパーウェイヴのような後奏のTrack.12等、渦巻く希死念慮の中で垣間見える遊び心がいちいちぶっ刺さる。キャリア史上、最も発売スパンが長く、そして最も死生観が色濃く滲み出た新体制初アルバム。これぞ最高傑作。(山田 いつき)
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この曲はただの排泄行為だ。または、感情の嘔吐といったところか。の子(Vo)の声とは判別できない、ヴォイス チェンジャーのような気味の悪い声でひたすらに"死ね"と叫んでいる、曲の半分以上がそれだけ。だが、このおぞましい行為こそが、このバンドの持つ"全てを生身のままドキュメントしていく" という側面を象徴しているともいえる。彼らは、頻繁にニコニコ動画内で生放送を行う。そこでは視聴者からリアルタイムで何百という言葉が寄せられ、その大半がキモイだのキレてるだのといったもので、ある種2ちゃんねるのような無法地帯と化している。彼らはそうやって、状況を意味のあるなしに関わらず、全てありのままたれ流しにしていく。だからこの曲も、音楽作品である前に、の子のドキュメンタリーのようなものなのかもしれない。(島根 希実)
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現段階で1曲目の「ロックンロールは鳴り止まないっ」はYouTubeの再生回数が154000回を突破している。彼らが放った"ロックンロールと出会った瞬間の衝動"は何万人もの人に求められ、共有されたわけだが、本作はこの事実を裏切らない作品であると同時に、その事実以上の作品である。同曲だけでは分からなかった神聖かまってちゃんの真髄が詰まっているのだ。彼らはいわゆる"青春のあの頃" を歌うような生易しいバンドではない。公の場で自傷行為するように、もっと痛々しく、危うく不安定なのだ。大袈裟にエフェクトがかかったへろへろの声と、どこかセンチメンタルにさせるキーボードの音色が響く白昼夢の中で、悲しいくらいに絶望的であったり、時に狂気をはらんだ世界を歌う。こんなにも"刹那(せつな)い" パンク・ロックに久しぶりに出会った。(島根 希実)
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