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INTERVIEW

Japanese

22/7

2025年07月号掲載

22/7

Member:西條 和(滝川みう役)

Interviewer:宮﨑 大樹
©22/7 PROJECT

秋元 康×Sony Music×Aniplexがタッグを組んだデジタル声優アイドル・プロジェクト"22/7(ナナブンノニジュウニ)"。リアルなアイドル活動だけでなく、担当キャラクターを演じてのパフォーマンスもするハイブリッドなアーティストだ。つい先日、初期メンバーの西條 和(さいじょう なごみ)がグループを卒業することが発表されたが、今回は彼女の卒業シングル『あなたでなくちゃ』について、西條本人に話を訊くことができた。

-Skream!初登場ですので、まずは22/7の紹介をお願いします。

22/7は2016年に結成された、秋元 康さんプロデュースのデジタル声優アイドル・グループです。他のアイドルさんと違うのは、メンバー9人それぞれに担当しているキャラクターがいまして、実際に自分たちで歌って踊る以外にも、キャラクターとして喋ったり踊ったりする場面があります。そのときは名前も全然違うし、キャラクターも全然違うし、そういう二方向で活動しています。

-グループの音楽的な特徴はどんなところにありますか?

私たちの曲は、基本的に全て秋元さんが歌詞を書いてくださっているんですけど、グループのその時々に合った歌詞をくださっているなぁと感じます。例えば初期の頃は、メンバー自身が試行錯誤して、悩みながら活動しているところも多かったので、そういうときは自分たちに寄り添ってくれるメッセージ性の強い曲だったりしました。私はデビュー・シングルの「僕は存在していなかった」(2017年リリース)という曲を初めて聴いたときに、曲調も歌詞も含めて"あ、このグループならやっていけるだろう"と思ったんです。なので、自分で言うのもなんですけど、ナナニジ(22/7)の曲はすごく好きだなと思いながら活動しています。今は後輩が入ってきて、私を含めた初期メンバーにもちょっと余裕も出てきたので、グループ自体が少しずつ明るくなってきたんですね。そうしたらちょっとコメディっぽい曲も貰えてきて、ひたすら"佐藤さん"って苗字を呼び続けるユニークな曲(2024年10月リリースの13thシングル『YESとNOの間に』収録「佐藤さん」)もあったりします(笑)。

-(笑)西條さんが演じているキャラクター 滝川みうは、どこか陰のあるキャラクターですよね。そんな滝川みうとご自身とのリンク度はどうですか?

私たちは先にキャラクターがある状態でオーディションを受けて、そのキャラクターに合った子を選ぶみたいな感じだったんです。滝川みうは引っ込み思案だったり、人と話すのが苦手だったり、"人に見られたくない"という想いで前髪が長かったり、そもそもアイドルをあんまり良く思っていなかったりする子なんです。私自身もそんなにアイドル向きじゃないなと思いながら入ってきたので、そういうキャラクターが付いたことがちょっと心強かったのはありますね。

-西條さんは自分を変えたくてナナニジに加入したんですよね。先日グループからの卒業が発表されていましたけど、当時の目標は達成できましたか?

そうですね。"変わりたい"と思ってはいたものの、変わることができたかは8年活動していても自分ではよく分からなかったんです。だけど、活動していくうちにファンの人や周りの人等から"よく笑うようになったね"とか言ってもらえるようになったので、"もしかして変わっているのかも"とファンの人の言葉によって気付かされました。

-活動の中でのそういう気付きがあったから、卒業はポジティヴな気持ちで?

そうですね。"アイドル・グループ 〇〇のメンバー 〇〇さんが卒業"とかって子供の頃からよく聞いていたので、アイドルには卒業が付き物だと認識はしていたんです。でも、いざ自分が活動し始めてみると卒業というものが想像付かなかったので、"いつまでいていいかな?"みたいに思っていました。他のメンバーの卒業の話があったときは、もちろんメンバーが減ってほしくないので"なんで?"とか"やめないで"とか言っていたんですけど、いつからかメンバーが卒業するという発表をしたときに"なんで?"って聞かなくなっているなと感じたんです。ということは、"自分の中にも卒業という選択肢があるんだなぁ"と思って。そうやって、なんとなく自分の中で気付いていった感じです。なので、ポジティヴではあります。

-選択肢があることと、実際にそれを選ぶことはまた別だと思うんですけど、卒業の決め手はあるんですか?

卒業という道が出てきたとは言っても、"本当にやっていけるかなぁ"とか"卒業してナナニジじゃなくなったら、私には何ができるんだろう"とか思っていたんです。卒業を意識し出しても、やっぱり居心地のいいほうに行っちゃうので、そのままずっとグループにいたんですけど、道が見えているにもかかわらず、見ないようにというのは何か違うなぁと感じてきて。この世界に入るときもそうでしたけど、"行ってみないと分からない"と思って、そこで別の道に行こうって決めました。

-ナナニジの活動での一番の思い出ってなんですか?

活動を始めるまでは家か学校にしか行っていなかったので、メンバーとプリクラを撮るとか、ホテルの部屋に集まってしゃべるとか、"青春ってこういうものなのか"みたいなものをメンバーから教えてもらったことですね。活動外のことですけど、そういうのが個人的にはいい思い出だなと思っています。活動では初めてすることが本当に多くて、もともと私はやったことがないことが多かったのか、"私がやったことないことをやらせてみよう"みたいな番組の企画とかがあったんです。缶切りだったりゲームだったり、そういうことを初めてやったし、海外に行ったりもこの活動をしていなかったら絶対やっていなかっただろうなって。あと、今でも覚えているのは滝行(笑)。滝行をやらされたんですけど、この世界に入っていなければやらなかったと思いますね。

-滝行はこの世界に入っても普通はやらないですよ(笑)

(笑)二度とやりたくはないですけど、貴重な経験だと思っています。

-逆に、やっておきたかったことはありますか?

卒業するにあたってときどき聞かれるんですけど、これが何もなくて。そもそもやりたかったことがあったわけでもなかったので、やらせてもらえることをやってきた感じです。なので、悔いはないかな。

-そんな西條さんが参加する最後のシングル『あなたでなくちゃ』がリリースされますね。

"最後にこんな歌が歌いたい"というよりかは、"どんな感じで西條 和が終わるのかなぁ"と思っていたんです。デモ音源を貰ったときはまだメンバーに卒業の発表をしていなかったんですけど、曲が一斉送信されてきたときにメンバーが"今回の表題曲めっちゃ好き!"みたいな話をしていたので、私が参加する最後の曲を"好き"って言って、みんなが楽しそうに歌ってくれているのが嬉しいなぁと思いましたね。

-レコーディングをするときにはメンバーも知っていたんですか?

歌割が決まったときくらいには知っていました。歌割で言えば、デビュー曲の「僕は存在していなかった」(2017年リリースのシングル表題曲)の歌い出しが私と河瀬 詩(斎藤ニコル役)ちゃんなんですけど、今回も私と詩ちゃんが同じ歌割で、なんとなくデビュー・シングルを感じる歌割になっているんです。レコーディングの前には詩ちゃんが"大事に歌うね"と言ってくれたので、私も大事に歌おうと思っていましたね。