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INTERVIEW

Japanese

CROWN HEAD

 

CROWN HEAD

Member:Moto(Vo) hiroto(Gt) Lumel(Ba/Vo) Tasuku(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

4月クールのテレビ朝日系ドラマ"天久鷹央の推理カルテ"オープニング・テーマ「Hidden」でメジャー・デビューを果たした、日韓混合バンド CROWN HEAD。各自ミュージシャンとしてキャリアを積んできた、また韓国出身のLumelはTAIL作品等のプロデューサー、Tasukuは英語系TikToker、YouTuber"たすまる。"としても活動してきた4人で結成したが、そのスタートは今年3月。バンドとして産声を上げたばかりだが、個々のスキルのいい化学反応があるのはもちろん、短期間ながらバンドらしくせめぎ合い、感性をぶつけ合いながら、曲と関係性を構築していっているところだ。デビュー曲となる「Hidden」は主題歌としての役割も汲みつつ、自分の思いを成し遂げていくときの心のざわめきや決意が、伸びやかなメロディとビートで描かれる、キャッチーで力強いロック・チューンとなった。その4人の始まりと、これからについて話を訊く。

-結成は今年3月で、そこから約2ヶ月でメジャー・デビューとなります。怒濤の2ヶ月だったのではと思いますが、体感的にはどんな感じですか。

Moto:もう1年くらいやってきた感じがしてますね。

Tasuku:毎日会ってるんで、もう顔も見たくないですけどね(笑)。

Lumel:そんなことないですよ!

hiroto:ツンデレだからね。

-ドラマ"天久鷹央の推理カルテ"のオープニング・テーマでもあるデビュー曲「Hidden」でCROWN HEADのことを知ってくれる方も多いと思うので、まずは皆さんのプロフィールから伺えればと思います。それぞれ音楽を始めたきっかけ等から聞かせてください。

Moto:僕は、歌を歌うこと自体は子供の頃から好きで。何がきっかけかも思い出せないくらい、部屋やお風呂でもずっと歌っていましたね。でも漠然と好きというところから意識が切り替わったのが、映画"BECK"を観たことで。主人公のコユキ(田中幸雄)君の姿に憧れて、バンドっていいな、ヴォーカルってかっこいいなと思って、高校に入る前に初めてギターを買ったんです。そこからも変わりなく歌は好きで、二十歳くらいのときにInstagramに弾き語りの動画を投稿し始めて。今はYouTubeやTikTokにも上げているんですけど、それがずっと続いてる感じです。

-"BECK"がきっかけということは、そこからロック・バンドにも入っていった感じですか。

Moto:そうですね。"BECK"を観て、そこからGREEN DAYの「Basket Case」のMVを観て、それで初めて海外のバンドを知って。他にどんなバンドがあるんだろうって調べていってハマったのが、"BECK"のエンディングもそうだったんですけどOASISで。今も好きですね。

-hirotoさんはどうですか。

hiroto:ギターを始めたのは11歳で、小学校5年生だったんですけど。初めはRED HOT CHILI PEPPERSのJohn Fruscianteをテレビで観て。最初は誰かも分からずに"あの人かっこいいな"と思って、親にお願いしてギターを買ってもらって、小中学校時代はバンドをやったりしていました。高校からは、アドリブで弾くかっこ良さとか自分が知らない世界を知りたくて、ギター教室にも通わせてもらって。将来はプレイヤーとして食べていきたいとなって音楽の専門学校に進学して、LAに行ってギターを習ったりもしながらバンドのサポートをしたり、これは今もやっているんですけど高校の軽音楽部のコーチをしたりしてきました。なので、バンドのギタリスト的な憧れはJohnで、ギターのニュアンス的なところではJohn Mayerとかも好きですね。

-Tasukuさんはどうですか。

Tasuku:僕もきっかけはレッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)なんです。小中の頃は全く音楽に触れていなくて。小中がインターナショナル・スクールで、そこを卒業してカナダの学校に行ったんですけど、そのときに先輩のドラマーがすごくかっこ良くて、その人もレッチリが好きだったんですよね。レッチリに出会って、Chad Smith(Dr)が好きになって、ドラムを始めたというのがルーツで。それまではずっと美術をやっていたんですけど、そこで音楽の素晴らしさを知ってしまって、親に"美術やめるわ"って言って。父がデザイナーなのでめちゃめちゃ怒られて、口利かないとか言われたんですけど、親が卒業式のときにカナダに来てくれて、そのときにサプライズで演奏をしたんです。それで許してもらえたみたいな。

-納得してもらえる演奏ができたんですね。

Tasuku:できたんですかね。高校生だし、相当下手だったと思いますけど。なんとか説得できました。

-そのときはなんの曲をやったか覚えてますか。

Tasuku:オリジナルでした。編成が特殊で、ヴァイオリンとベースとドラムという謎バンドだったんです。学校内ではちょっと有名みたいな。それで12年前に日本に帰ってきて、友達にONE OK ROCKとかRADWIMPS、あとはKEYTALKとかを教えてもらって。"SUMMER SONIC"とかにも行って、日本のバンドってこんな感じなんだと初めて知った感じでしたね。今やっているバンドも結構J-ROCKだと思うんですけど、そういうところからですかね。

-Lumelさんは韓国出身ですね。どういう影響や、音楽的なキャリアがありますか。

Lumel:僕は中学生くらいの頃からお母さんの影響で音楽を聴いてきて、OASISとかヒップホップ、MIKAとかいろいろと聴いてきた中に、MUSEやMETALLICAもあって。そこでベーシストってかっこいいなと思って、ベースを弾いたりしていたんです。高校に入るくらいのときに音楽を仕事にしたいなと考えて、高校受験だけして通わずに、音楽大学に入ってヴォーカルの勉強をして。いろんな音楽を聴いてきたんですけど、自分のルーツと言えるのはブラック・ミュージックで、モータウンとか'90sのR&Bが結構好きで。ヴォーカルの勉強をしながらも、モータウンのベーシストって最高だなとか、hirotoも好きなJohn Mayerがトリオ(JOHN MAYER TRIO)で活動するときのベーシスト Pino Palladinoにハマったりしつつ、韓国でベース・ヴォーカルとしてバンド活動をしていました。そのバンドが解散してからは、1人でなんでもできる人になりたいと思ってトラックメイキングやミックス、マスタリングを覚えていって、シンガー・ソングライターやエンジニアとして活動して。その頃にいい機会があって、1年半くらい前から日本でプロデューサーやミックス・エンジニア、シンガー・ソングライターとして活動してきたという感じです。

-LumelさんはTAIL、向井太一さん作品のプロデュース等も行っていますね。この背景がバラバラの4人がどう出会うんですか。

hiroto:自分とTasukuさんは他のバンドでやっていた時代から、お互いの存在は知ってたんです。あるときSNS上でミュージシャンを集めてバンドをやろうみたいなプロジェクトがあって、そこで別々に声を掛けてもらって、久しぶりに再会して。そのバンドはそんな長くはやらなかったんですけど、その後も意気投合して一緒にやろうとなって、そこに知り合いの紹介で、ミックスやトラックメイクでいろいろサポートしてくれるLumelが仲間になったんです。Lumelは歌も歌えるし、バンドをやりたいと言ってくれてたのでベース・ヴォーカルとして一緒にやることになって。ただLumelはベースを弾きながら歌うから、バンド的にはメインでヴォーカルがいたらいいんじゃないかっていう話で、僕がMotoを誘ったんです。

Tasuku:Motoはhirotoの幼馴染なので。

hiroto:幼稚園から一緒で。この3人の音楽性に合う声とか、あとは信頼できる人間性であることも込みで、僕がMotoを2人に紹介して──というのがこの4人の出会いです。

Tasuku:結構ざっくりと言ったんですけど、僕とhirotoに関してはこれが3つ目のバンドなんですよね。

hiroto:そう、これまで結構一緒にやってきたんですよね。

-順風満帆というわけではなかったんですね。そこで、今回最後のピースとしてMotoさんがはまって──というのが今年の3月の話ですか?

Tasuku:そうです(笑)。そう考えるとすごいですよね。

-といことはMotoさんがCROWN HEADに加入すると決まった頃には、デビューの話が進んでいるくらいですよね。

Tasuku:それがすごくて、彼はまだそのとき水戸に住んでいたんです。1週間以内で、やるかやらないかの決断をしないといけなかったんですけど、一発でやるって決めてくれて引っ越しもしてきて、茨城での会社とかも全部辞めて東京に来たんです。

-そのくらいの覚悟で臨んだんですね。

Moto:そうでしたね。そこからは、目まぐるしくて。

Tasuku:その間に引っ越し先も見つけてね。すごかったよね、あの時期は。

Moto:まず全然、物件が見つからないし。でももう時間もないし、ここしか空いてないからここ! っていう。

hiroto:と、同時に制作とか作業も進んでいるから、最初の頃は水戸から通ってたんですよ。

-まず誘いを受けたときはどう思ったんですか。

Moto:びっくりしましたよね。hirotoから電話が来て、"こういうことなんだけど、どう?"って。"どう?"と言われてもという感じでしたけど(笑)。でもやるしかないよねって。

-その時点ではTasukuさんとLumelさんにも会ってないと。

Tasuku:2ヶ月前に初めて会った人とメジャー・デビューするっていう(笑)。

Moto:これも縁かなと思って(笑)。

Tasuku:合わない可能性だってあったのに、奇跡的に人間性も音楽性も合ったので。

-初めて会ったのはスタジオとかレコーディングという感じですか。

Moto:いきなりレコーディングでした。

Lumel:それが僕の家でだったんですけど。"初めまして、じゃあこっちでこれを歌ってください"っていう。

Moto:いきなりマイク渡されて、じゃあ録るねーって。

Lumel:Motoはそこで初めて聴く曲だったんですけど、何回か聴かせるからそれで歌ってみてという感じで(笑)。

Tasuku:Lumelはプロデューサーとかもやってるから、結構ヴォーカルに関してはうるさいんですけど、そのLumelが気に入ったって言ったんです。

Lumel:最初に動画とかで歌っているのを見せてもらったときはどうかなって思ったんですけど、僕が作った曲を歌っているのを見て、この人だったら一緒にいけるなって感じて。

Tasuku:じゃあもうやるしかないねっていう。

-Lumelさんは、ヴォーカリスト Motoさんのどういうところが良かったんですか。

Lumel:声を聴いた瞬間にJ-POPの匂いをめっちゃ濃く感じたのがありますし、僕はその人の音楽や声を聴けば、その人の生き方とか性格とかが見えると思うんですけど、そのときは今よりもすごく真面目な歌い方で(笑)。きれいな声で、それもあってポテンシャルも見えたなって。ちょっとクセがあるとも言えるヴォーカルでしたけど、それも嫌じゃないなっていうのが良かったですね。

-Motoさんのヴォーカルがあることで、よりCROWN HEADとしての音楽も見えたという感触ですかね。

Tasuku:それはありましたね。