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INTERVIEW

Japanese

梟note

2025年05月号掲載

梟note

2020年5月より"弱酸性"として歌い手活動を開始、2023年5月5日に現名義でメジャー・デビューを果たしたシンガー・ソングライター 梟note。透明感がありつつも厚みを感じる声質や、コーラス・アレンジ等多彩な表現が魅力の彼が、TVアニメ"戦隊大失格"2ndシーズンEDテーマ「正偽」を表題に据え、初のCDをリリースする。同作について、メール・インタビューで訊いた。

-今回Skream!初登場ということで、自己紹介をお願いします。

初めまして。シンガー・ソングライターの梟noteです。よろしくお願いします。

-もともと歌い手"弱酸性"として活動されていましたが、活動を始められた経緯を伺えますでしょうか?

コロナ禍の自粛期間中に、スマホの"GarageBand"というアプリを使って、自分の好きなボカロ曲を録音して"歌ってみた"を作っていたのが活動のきっかけです。当時は本当に趣味の延長のような感覚だったんですが、そこから少しずつ音楽を作ることの楽しさにのめり込んでいきました。

-今年の5月5日で"弱酸性"として活動をスタートされてから丸5年、"梟note"としてメジャー・デビューされてから丸2年となります。これまでのご活動を振り返っての感想や今の心境はいかがでしょうか。

当時はこの先も音楽を続けていくイメージがなかったので、音楽活動を始めて本当に良かったと思っています。支えてくださる方々のおかげで今もこうして活動が続けられているので、感謝しかありません。

-"梟note"の名前の由来を教えてください。

昔から夜が好きで、本当の自分と向き合ったり、音楽に触れたりする時間が、自分にとって救われる瞬間でした。そういう夜というものの象徴として夜行性の"梟"という存在を選び、自分の書いた音楽で世の中の人たちを少しでも明るくできたらと思って"人生を綴る"という意味で"note"という言葉を付けました。誰にも見せられない感情や言葉にできない思いを音楽と共に綴っていけるような活動をしたいという思いが込められています。

-梟noteの音楽性について伺えますでしょうか。

現時点では梟noteの音楽はポップスだと思いますが、まだまだ模索中です。ジャンルにとらわれることなく、自分が魅力的だと感じるメロディやリズムの楽曲を届けられたらと思っています。

-ルーツとなるアーティスト、よく聴いていた音楽等を教えてください。

僕が影響を受けたのは、ONE OK ROCKさん、藤井 風さん、米津玄師さんです。昔からよく聴いていて、あんなふうにかっこいい音楽や素敵な楽曲が作れるようになりたいなと思っています。

-そういったアーティストや音楽と出会ったきっかけはなんだったのでしょうか?

音楽との出会いは、幼い頃に母が音楽をたくさん流してくれたことがきっかけです。90年代のポップスを一緒に歌ったり、定期的に家族でカラオケに行っていました。その影響で、自分でもいろんなアーティストさんの曲を聴くようになりました。

-シングル『正偽』のリリースおめでとうございます。初のCDリリースとなりますが、今の心境を教えてください。

ありがとうございます。CDとして手に取れる形でリリースできることが素直に嬉しいですし、アニメ"戦隊大失格"という素晴らしい作品に携わることができて大変光栄に思っています。

-今回制作される上でのテーマやコンセプトはあったのでしょうか? また、よろしければ今作のタイトル"正偽"に込められた想いも教えてください。

はい、今回はアニメ"戦隊大失格"に登場するキャラクター、戦闘員Dをテーマに制作を進めていきました。やられ役として描かれる彼が、物語の中で自分の信じていた正義が実は偽りだったと気付き、不完全ながらも"人を守りたい"という想いを抱くようになる姿が印象的で。そうした主人公の心境の変化を通して"正しいと信じていたものがもし間違っていたとき、人はどう生きるのか?"という想いを込めて、今回のタイトルを"正偽"としています。

-表題曲の「正偽」はTVアニメ"戦隊大失格"2ndシーズンのエンディング・テーマ、2曲目「烏瓜」は昨年8月の豊洲PITでのワンマン・ライヴ"梟note 2nd Live - Virtus"で初披露した楽曲、3曲目には完全新曲となる「コトゴコロ」が収録されています。今回の制作にあたって作曲で意識した点や、苦労したポイントはありますか?

表題曲の「正偽」は独特で耳に残りやすいような、少し遊び心のあるメロディ・ラインやリズムを意識して制作しました。
2作目の「烏瓜」は、"花"をテーマにこれまでの「オボツカナシ」(2023年5月リリースのデジタル・シングル)や「愛ばっかり」(2023年8月リリースの4thデジタル・シングル)で追求してきた"オシャレさ"に加え、さらに大人っぽさを加えた一曲になっています。
"烏瓜"のどこか儚くて切ない、でも美しく強く咲くという部分に惹かれて、学生時代に人間関係で悩んでいた自分自身が、夜に大好きな音楽を聴くことで、なんとか新しい明日へと踏み出そうとする姿を描いた楽曲です。"夜にこそ本当の自分が出せる"、"朝になればまた偽りの自分に戻ってしまう"、そんな当時の心の動きを、夜に咲き、朝には花を閉じる"烏瓜"の性質と重ね合わせた一曲になっています。
3作目の「コトゴコロ」は、失敗をきっかけに自分の価値や積み重ねてきたものが見えなくなってしまっていた、過去の自分をテーマにしています。そこからもう一度、夢に向かって歩き出そうとする気持ちを込めて"立ち向かうことを恐れない"という思いを、自分自身に言い聞かせるように書きました。

-3曲ともそれぞれ違ったテイストの楽曲が並んでおりますが、楽曲制作のスタイルについて教えてください。

普段はメロディから先に作ることが多いのですが、「正偽」は戦闘員Dというキャラクターを大切にしたかったので、歌詞を先に書いてからメロディを付けました。「烏瓜」はかっこいいメロディ・ラインを重視したかったので、メロディを先に作り、その雰囲気に合うように歌詞を後から付けています。そして「コトゴコロ」は、歌詞自体は少し暗めの内容ですが、"前を向く"というメッセージを込めたかったので、背中を押してくれるようなポップなメロディから作りました。

-透明感がありつつも厚みを感じる声質にコーラス、アレンジ等多彩な表現が魅力的です。ヴォーカルやサウンド面でのこだわりポイントはありますか?

ありがとうございます。自分の声についてはまだ模索中な部分も多いのですが、ヴォーカルでは特に"リズム"を意識しています。自分なりに、聴いていて気持ち良く感じるリズムを追求して、その流れに合うように歌い方や声の出し方を工夫するようにしています。そういったことが、結果的に表現の幅やアレンジとの相性にも繋がっているのかなと思います。

-表題曲の「正偽」はMVも公開されていますが、見どころやポイント、撮影時のエピソード等があれば教えてください。

今回のMVでは実写の自分が登場するんですが、それを絵コンテ風に表現していて、まるで絵本の中に入り込んだような感覚が味わえる作品になっています。映像の中にはちょっとした隠し要素もあって、物語の中を主人公として進んでいくような演出が、これまでにない新しい表現になったと思います。撮影はグリーンバックのスタジオで、何もない空間の中、僕がひたすら動きをするだけだったので、どんなふうになるのかな? と思っていたのですが、完成映像を観たときは本当にびっくりしました。

-5月4日には下北沢LIVEHOLIC主催サーキット・イベント[LIVEHOLIC presents "革命ロジック2025" supported by Skream! & 激ロック]へご出演されましたが、この先ライヴをしてみたい場所はありますか? 具体的な場所や、音楽シーンでも構いません。

はい、以前一度立ったことがある横浜アリーナ("Ado 全国ツアー2023「マーズ」")に次は"梟note"としてもう一度立てたら......と思っています。あの場所に自分の音楽で戻れたら本当に嬉しいですし、それを目標の1つとしてこれからも頑張っていきたいです。

-今後の展望や目標を教えてください。

梟noteという存在をもっとたくさんの方に知っていただけるように、これからも自分らしい表現や物語を大切にした音楽を、一人一人の心に残るような形で届けていきたいです。そして、応援してくださる皆さんと一緒に、新しい人生のノートの1ページをこれからも綴っていけたらと思っています。

-最後にSkream!読者にメッセージをお願いします。

梟noteをこれまで応援してくださっている皆さん、そして今回のライヴや記事を通して知ってくださった方々、本当にありがとうございます。これからも、心を揺さぶるような作品を届けていけるように頑張りますので、梟noteという存在をこれからも覚えていてもらえたら嬉しいです。

RELEASE INFORMATION

梟note
CD
『正偽』

SRCL-13283~4/¥3,190(税込)
[MASTERSIX FOUNDATION]
2025.5.14 ON SALE
©春場ねぎ・講談社/「戦隊大失格」製作委員会

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