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INTERVIEW

Japanese

アルコサイト

2025年04月号掲載

アルコサイト

Member:北林 英雄(Vo/Gt) 小西 隆明(Gt) 濵口 亮(Ba) 森田 一秀(Dr)

Interviewer:フジジュン

-地元の親友に向けて書いた歌で、照れ臭い言葉や表現も書けたそうですね。

北林:情景描写がすごく好きなんです。いい感じに情景が浮かびつつ、メッセージが伝えられるようにってところを強く意識して。友達に向けての応援歌にも聴けるし、失恋の歌としても聴けるし、おめでたい曲としても聴けるしって、聴く人それぞれのシチュエーションに当てはまるように書きました。

-こういう幅広い層に届いて、ライヴでもしっかり盛り上がれる曲ができて。小西さん、またZeppが見えましたね。

小西:あはは、また見えましたね(笑)。

-あと、アルバム収録曲だと、「嘘をついて」と「Life goes on」もすでにデジタル・リリースされています。

北林:「嘘をついて」はツアー直後、「うちにしとけ」や「淀川バッドダンス」と一緒に制作した曲で。「Life goes on」は自分たちの気持ちが落ちたタイミングで、ムカつくことや悔しかったこともあったんですけど、怒りの気持ちだけじゃなくて、"こういうときに心配してくれた仲間がいっぱいおるんやな"と気付いて、"好きなやつと好きなことしておれらは生きていく"ってことを歌いたいと思って。"今年のアルコサイトはこういうふうにやるぜ"って提示したくて、2025年1月1日にリリースしました。

-アルバムのリリースも控えた年頭に、"これがおれらのスタイル"と改めて表明したわけですね。「Life goes on」は怒りや感謝や覚悟といった、伝えたいメッセージをたくさん詰め込んだラップ調のヴォーカル・スタイルで、今作の中で新鮮で印象的に響きます。

北林:自分の音楽ルーツがヒップホップなので、今までもルーツを閉じ込めたりしていたんですが、もっとオリジナリティを出したくて。上手くルーツが出せたと思います。

-では、それぞれ今作で思い入れの強い曲を聞きたいのですが?

小西:僕はギター面で言うと、「風に舞う」です。いつも英雄が楽曲持ってきて、"ギターはこんな感じに仕上げてほしい"って大きなイメージを伝えてくるんですけど、この曲は、今ギター・ソロの必要性が薄れてきてると言われてるなか、ギター・ソロがないと成り立たない曲と思えるフレーズを作れたっていうのが、一番大きいですね。楽曲のエモーショナルな部分やノスタルジックな部分を、英雄の歌詞+僕のギターで一番加点できるというか。良いギターが弾けたなと思います。

北林:この曲の歌詞も当日の朝にできた感じですけど、自分の中で一番こだわった歌詞だと思うので、"歌詞見て!"って感じです(笑)。風景とか匂いとか温度とか、どうやったら歌に閉じ込められるかな? って挑戦して、当日の朝に乗り越えられたと思います。演奏に関しては、"伝え切れない想いを伝えるようなギター・ソロにして"とか、そんな感じのリクエストで。オケができた状態で自分の中で情景が固まっていたので、あとはそれをどう歌詞にするかってところで5パターンくらい書いたんですが、"1957"というのがシャネルの香水で、"甘い煙"ってのがたばこの匂いでとか、皆まで言わずにディティールや関係性や想いを表現するのにすごくこだわりました。

-濵口さんは思い入れの強い曲、いかがですか?

濵口:僕は「うちにしとけ」ですね。話に出てるように歌詞ができるのがギリギリなんで、僕が歌詞をどのタイミングで知るかというと、レコーディング直前のプリプロなんです。「うちにしとけ」は重めのリフから始まる激しい曲なんで、どんな歌詞が付くのかな? と思って。今までの楽曲にも尖ってる歌詞はあったんでそういう感じかと思ったら、"この曲に恋愛を落とし込んでくるんだ!?"みたいな(笑)。曲を聴いてる人はあまり思わないかも知れないけど、作り手側としては一番驚いた曲でしたね。

北林:あはは(笑)。カッコいい歌詞も乗せられるけど、恋愛をテーマにして、突き抜けすぎてて面白いくらいめんどくさい、こじれた想いを乗せたほうが旨味が出るかな? と思って書きました(笑)。この曲はライヴでも定番になりつつあって、恋愛の歌詞なんですけど、サビの"うっぜー"みたいなフレーズは自分の内側にあるモヤモヤや、言葉にできない感情をみんなで吐き出せるような曲になってきたなと思って。ライヴでやってるうちに、今までなかったような楽曲に成長してきてるなというのも感じます。

-森田さんの思い入れの強い曲は?

森田:さっきも話したんですが、今回はオンラインじゃなくて、レコーディング・スタジオのドラムで演奏して。いつもドラム・レコーディングするときって、何テイクも叩いていいやつを選んでという感じなんですが、今回「秘密基地」は1テイクで、"これでいいかも知れない"っていう手応えがあったんです。何も手を加えず、そのまま座ってバッと演奏したのがそのままパッケージされてるので、やっぱり「秘密基地」が一番印象深いし、思い入れも強いですね。ミックスまで終わったのを聴いたときも"こいつはすげぇな"と思いましたし、今もいいなと思って。ライヴハウスでお客さんとして聴きたいという気持ちさえあります。

北林:この曲は言わずもがなライヴハウスに来てくれる人に対して作った曲だし、みんなで歌うところもあるので、今一番ライヴでやりたい曲でもあって。リード曲は「告白」なんですけど、アルバムのタイトル曲といったらこの曲が一番近いかな? と思ってます。"なによりも自由でいようぜ"とか"鳴らせ 革命のアンセムを"とか、ここまでライヴにフォーカスを当てた曲って今まであまりなかったし。ライヴで歌うのを想定してるから、予想はできるんですけど、ツアーが初披露なんでツアーでどんな感じになっていくのか? っていうのがすごく楽しみな曲です。

-そんな北林さんの一番思い入れの強い曲はどれですか?

北林:僕は「告白」が一番大切な曲で。いろんな受け取り方をしてほしい歌詞なんですけど、実は親友が結婚すると聞いて書いた歌で。よく飲みに行く地元の友達なんですが、そいつが結婚すると聞いたとき、"結婚式で歌うなら、こんな感じかな?"って想像して書きました。お酒入っててギリ言えるかな? くらいの本音を自分の中で落とし込めたし、"朝が来るより早いスピードで駆け抜けたあの街"とか、"2人で見つけた名前のない星"とか、歳を重ねる程にあの頃に戻りたいって誰しもが考えると思うんですけど、"今が一番輝いてなくても、あの日の記憶を思い出すだけで強くなれる"って存在が自分の中にいるんです。 もともとは親友に向けて書いた曲ですけど、ライヴで歌うときは自分たちの歌を愛してくれる人や、歌を聴いてくれる人が光みたいな存在だって思いがすごくデカいんで、書いたときとは気持ちが変わりそうだなってワクワク感があるし、みんなの心にどう届くのか? というのがすごく楽しみですね。

-それぞれが大事な人を頭に浮かべてシンガロングするという光景も美しいです。

北林:いいですね。この曲も皆まで言わない普遍的な歌にしたいなというのがあって。それぞれが思い浮かべる誰かがいて、誰かに対して幸せを願う。自分もそのおかげで幸せになれてるというような、そんな歌にしたいなと思っていて。今までこういう思い切った曲は作れなかったんで、また次のフェーズに行けた感はあります。

-そして、そんなアルバムを掲げたワンマン・ツアー(["UNTAMED" tour 2025])が控えています。

北林:ツアーのコンセプトとしては、超過密なぎゅうぎゅうのライヴハウスで、みんなとぐちゃぐちゃになりたいっていうのがあって。おかげさまでほぼ売り切れくらいの感じなんですけど、タイトル通りお客さんの自由な楽しみ方を受け止めながら、自分たちはもっと自由にやってやろうと思ってます。今作とツアーが掛け合わさったらどうなっていくんだろう? ってのがめちゃくちゃ楽しみですし、発表されてるワンマン・ツアーが終わったら、その熱量を持ったままもう1本くらいツアーできればいいなとも検討していて。みんなと会える機会をたくさん作りますので、楽しみにしていてください。ぐちゃぐちゃになりましょう!

LIVE INFORMATION
["UNTAMED" tour 2025]


ALCO_UNTAMED_tour.jpg
5月24日(土)愛知 新栄 RAD mini ※SOLD OUT
6月15日(日)下北沢 DaisyBar
6月29日(日)福岡 public space 四次元
7月13日(日)大阪 心斎橋火影 -HOKAGE- ※SOLD OUT
9月21日(日)OSAKA MUSE ※追加公演 [NEW]

[チケット]
前売 ¥3,500(税込/D代別)
■オフィシャル先行(追加公演):~4月29日(火・祝)23:59
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