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INTERVIEW

Japanese

ザ・ダービーズ

2025年01月号掲載

ザ・ダービーズ

Member:後藤 文音(Vo/Gt) 玉田 宗大(Gt) 石川 泰志(Ba) 加藤恵太(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

名古屋を拠点とするロック・バンド、ザ・ダービーズが1stミニ・アルバム『若者たち』をリリースした。今作は、名盤と言われるロック・アルバムを作りたいとの思いで制作した作品だという。それでいて肩に力が入っていない、衝動感とロックへの憧れ、"バンド"でかき鳴らす楽しさが詰まっている。ルーツである2000年代以降のバンドへのオマージュも覗かせながら、無邪気に、時に不敵に、形なき心の様を騒々しい音楽に映した。4人の鼓動が聴こえてくるアルバムだ。

-後藤さんと玉田さんは小学校からの幼馴染と聞いていますが、一緒にバンドをやろうとなったのはどのタイミングからですか。

後藤:高校生のときにそれぞれ遊びみたいな感じでバンドはやっていましたね。

玉田:高校は別々の学校で、僕は通っていた学校で軽音楽部に入って音楽をやっていたんです。大学に上がったときに、軽音部だけじゃなく外でバンドをやりたいなと思って。そのときにバンドをやりたいっていう2人(石川、加藤)とSNSで繋がって一緒にバンド活動を始めたんです。そこから文音が1浪して大学に進学したタイミングで、じゃあ一緒にバンドやろうぜとなって、この4人でザ・ダービーズを組んだという感じですね。

-2人はどういう感じでSNSで繋がったんですか。

加藤:もともとTwitter(現X)とかInstagramでなんとなく繋がってはいて。

玉田:僕が高校時代に軽音楽部で一緒だった子が、恵太と地元が近いんだっけ?

加藤:その子とその頃バンドを組んでいたので。それで宗大がセッションしてる動画をSNSで観たのかな。めっちゃ上手い人いるなと思って。特にオリジナルのバンドをやりたいと考えていたわけじゃなかったんですけど、学校の外でバンドを組みたいと思っていたので、コピーバンドみたいなのやろうぜって言った気がします。

石川:僕は恵太と同じ軽音楽部の先輩で、高校卒業後に就職してバンド活動はしていなかったんですけど。ちょっとずつバンドやりたいなと思っていたときに、恵太が、宗大とバンドやるから誰かベース弾きませんかってSNSで募集していたのを見て、連絡したのがきっかけでした。

-最初にこの4人で会ったときのことって覚えてますか。

加藤:たしか前のヴォーカルの人と文音以外の3人で、宗大の家に集まっていたときだったかな。ちょうどヴォーカルの人が抜けちゃうことが決まっていて、宗大が"いい人いるよ"っていうので文音が来て、一緒に音を合わせた覚えがある。

後藤:そうだ、4人で会ったのは宗大の家だったね。

石川:遊ぶ感じで一緒にいた気がする。バンドやろうぜ! って集まった感じではなくて、なんとなく集まっていたというのに近い気がしますね。

-というのが意外というか、今回の『若者たち』での曲もそうですけど、これまでも「ダービーズのテーマ」(2023年3月リリースの1stシングル『初期のダービーズ』収録曲)や「僕らがバンドを組む理由」(2023年12月リリースの2ndシングル『退屈な日々にも花束を』収録曲)等、バンドに対する憧れやロマンを描いた歌詞が多いですよね。これは曲を書いている後藤さんが何か理想とするバンド像があるからですか。

後藤:俺があんまり友達がいないからかもしれないですね。あとは曲を作るときとかに、バンドがそもそも好きっていうのもあるけど、いろんなオマージュとかを入れるようにしているので。憧れだと思いますね。

-曲作りはザ・ダービーズ以前から個人的にやっていたものですか。

後藤:高校生の頃から作り始めてたんですけど、今思い出すと最悪な曲をいっぱい作ってましたね(笑)。誰かに聴かせるでもなく──玉田には聴かせてたけど。それで浪人中か大学に入るタイミングかにandymoriを聴いて、今の感じの作風になったのかな。今のザ・ダービーズ的語彙はそこで手に入れた感じがします。

-そういうバンドのルーツや音楽的な軸になるもの、好きなものはメンバー間で共有しているんですか。

玉田:僕は小さい頃から一緒だからあえて共有することはないですけど、移動が一緒になることが多くて、車内でよく文音のプレイリストが流れているので"今はこういうのを聴いてる時期なんだな"みたいのはあります(笑)。

後藤:泰志は、この前の遠征の帰りで共有してないことが発覚しました(笑)。車で俺と泰志が前の席で銀杏BOYZを聴いてたんですけど、泰志が初めて聴くみたいに"かっこいい!"って言ってて。

石川:たしかに(笑)。普段曲を作るときも、文音が作ってきた曲に対して各々が好きなアプローチの仕方で形作っていくことが多いんですよね。だから、みんながピッと同じ方向を向いているというよりは、それぞれに好きなものがあって、文音が作る曲を軸として各々が好きなことをやっているというのがザ・ダービーズっぽいのかなって思いますね。

-今回リリースされた1stミニ・アルバム『若者たち』には7曲が収録されましたが、これは大事に育てたきた曲だなとか、思い入れが強い曲はありますか。

後藤:「サンセットメロディ」ですね。これは一度もライヴでウケたことがなくて。俺等が下手くそだからダメなんだって、ずっと練習してきてたんです。やっと最近になっていい形でできるようになったし、音源もすごくいいものになりました。

玉田:大変だったね、これは。

後藤:一番最近作ったのが「君の歌うメロディ」なんですけど、これは全然完成してない状態でライヴでもやっていたので自信がありましたね。1度スタジオに入っただけで、大阪でのライヴで"勘でもいいから新曲やってみよう"って言ってやった感じだったので。手応えはありました。

加藤:正直、やめてくれって思ったけどね(笑)。

石川:突然 MC中に"1曲やらん?"っていう感じだったから。

後藤:そんなのもいっぱいありますね(笑)。ライヴハウスのスタッフの方と喋っていて、"新曲できたんですけど、まだ全然できてないのでどうすればいいですかね"って相談したら、"やってまえ!"って言うので。やってしまったという。