Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

VESPERBELL

2024年12月号掲載

VESPERBELL

Member:ヨミ カスカ

Interviewer:高橋 美穂

ヨミとカスカから成るVシンガー・ユニット、VESPERBELLがメジャー1st EP『RUMBLING』をリリースした。2020年6月のデビューからYouTubeを中心に活動し、現在のチャンネル登録者数は29万人を超える。今年7月に満を持してメジャー・デビューしてからも、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進中だ。『RUMBLING』には、パワフルなヨミの歌声と、優しいカスカの歌声が活かされた全6曲が収録されている。ジャンルも国境も越えていく2人の才能と意志を感じてほしい。

-まずはメジャー1st EP『RUMBLING』ができあがった今の率直な想いを伺えますか?

ヨミ:メジャー・デビューをさせていただいて、ドラマ("私の死体を探してください。")の主題歌(「羽化」)も担当させてもらったなかでのEPで、流れとしては完璧だと思うんですけど、自分の中ではやっと出せたというか。結構準備期間があって、春、夏あたりから細かな作業も含めてずっとやっていたので、長く感じましたね。

カスカ:こうやって同時期に新曲をバッと録るのが、すごく久しぶりで。制作期間は忙しくってバタバタしていました。曲があがってきて、練習して、レコーディングしての繰り返しで。だから、"精いっぱい作った!"って感じだったんですけど、できあがったら"あ、こんなにかっこいいものを作っていたんだ!"とリスナーの気持ちになれて。早くみんなに聴いてほしいなっていうワクワクな気持ちを、やっと味わえています。

-メジャー1st EPなので改めて伺いたいんですが、そもそもVESPERBELLは、どのようないきさつで結成されたのでしょうか。

ヨミ:VESPERBELLの2人は、もともと完全に他人だったんですよ。

カスカ:関わりもなかった(笑)。

ヨミ:そうそう(笑)。事務所側から、お互いスカウトを受けて集結したんです。ほんとにギャンブルみたいな集め方をされて(笑)。でも、たまたま相性が良かったんですね、性格も含めて。

カスカ:奇跡だなぁと思います。

-カスカさんは、ヨミさんに対してどんな印象を持っていらっしゃったんですか?

カスカ:ヨミちゃんが相方に決定したとき、歌は聴いたことがあって。圧倒的な歌唱力というか。ほんとに皆さん聴いたら分かると思うんですが、圧倒的な歌唱力。

-2回言いました(笑)。

カスカ:(笑)今もその印象はブレないんですけど、歌がうますぎて怖いっていう。

ヨミ:ははは(笑)。

-では、結成してから発見したヨミさんの魅力ってありますか?

カスカ:どれだけ知ろうが、歌がうまいっていうのが一番真ん中に来るのはブレなくって。でも性格は、想像の何倍も優しくって、繊細な女の子だなぁと。

ヨミ:あはははは(笑)!

-逆にヨミさん、新たに発見したカスカさんの魅力って?

ヨミ:結成する前は、ポップでキャッチーで、J-POPが似合う声だと思っていたんです。声から想像するキャラクター性は明るくて元気な女の子ですけど、まさにその通りで。でも、自分の歌について真剣に考えているんです。さっき自分のことを繊細って言ってくれましたが(笑)、逆に(カスカは)繊細と言えば繊細なんですけど、意外ときっぱりしているタイプで、見た目と(キャラクターが、お互い)逆じゃない? って。

カスカ:ははははは(笑)!

ヨミ:いい意味で、誰にでも優しいわけではない(笑)。基本的にめちゃめちゃ優しいんですけど、俯瞰して見ている。なんも考えていないようで、すごく考えているタイプですね(笑)。

-いわゆるパブリック・イメージとは違った面を知ることができたんですね。

ヨミ:そうですね。お互いあったね。

カスカ:あった(笑)!

-でも、声色もキャラクターも全く違う2人が、どうして組むことになったんだろう? って思いませんでした?

ヨミ:最初は声(の違い)で組むことになったんだろうなって思ったんです。一緒に歌ったときに、ほんまに適当に言うんですけど、いい化学反応が出ているんじゃないかなって勝手に考えていて。倍音鳴ってるみたいな。対極にいるんですけど、同じ線上に立っている声なのかなって思っています。

カスカ:声が全然違うから、同じ歌を歌ってもかすりもしないので(笑)、ケンカしないし奇跡的なバランスで調和していると思います。ユニゾンとかは、声色が似ていると声と声の区別が付かなかったり、良くも悪くも1人の声に聴こえたりしますけど、VESPERBELLは一人一人の声が聴き取れるんですよね。

-そんな2人だからこそ、いろんなことが奇跡的に進むのは、ある種必然なのかもしれませんが。7月にリリースされたメジャー・デビュー曲「Noise in Silence」は、オカモトコウキ(Gt/OKAMOTO'S)さん、GOTO(Dr/礼賛/DALLJUB STEP CLUB/あらかじめ決められた恋人たちへ)さん、バンビ(Ba/アカシック)さんと、脇を固めるミュージシャンも豪華な面々が揃っていたじゃないですか。こういったバックアップについて、どんなふうに感じていらっしゃいますか?

ヨミ:なんていうか、メジャー・デビューすげぇ! みたいな(笑)。

カスカ:分かる(笑)。

ヨミ:まだ他人事というか(笑)。VESPERBELLすげぇ! みたいな。でも、しっかり期待していただいているんだなとは思っていて。これからも、しっかりバックアップを続けていただけるような自分でいたいという目標もできました。

-プレッシャーみたいな方向にはいかなかったんですか?

ヨミ:あぁ、"嬉しい"しかなかったですね(笑)。

-素晴らしい。カスカさんは?

カスカ:基本的に超ポジティヴ・シンキングなので、"やったー! 期待されてる!"っていう(笑)。"どうしよう、できるかな?"っていう気持ちは、正直なかったですね。ヨミちゃんが言っているように他人事な感じもあって(笑)。ほんとに!? っていう気持ちもありましたし。