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INTERVIEW

Japanese

VESPERBELL

2024年12月号掲載

VESPERBELL

Member:ヨミ カスカ

Interviewer:高橋 美穂

-お2人、いろいろ正反対なようで、前向きな考え方は共通していますね。

カスカ:まさに。

ヨミ:自分はカスカちゃんと関わり始めてから、そっち寄りの考え方になったかもしれない。これがソロ・デビューだったら恐れ多いですって気持ちになったと思うんですけど、4~5年一緒に活動してきて、VESPERBELLとして無敵感も出てきましたし、ポジティヴな方向性につられるようになってきましたね。感謝です。

カスカ:良かったです(笑)。

-さらに「羽化」はドラマ"私の死体を探してください。"の主題歌にもなりました。とんとん拍子の状況を、お2人自身はどう受け止めていらっしゃいますか?

カスカ:ドラマに起用していただけたのは、ほんと光栄なことで。しかも、豪華なキャストさんが出演されていて、内容も面白くって、お話をいただいたときからテンション爆上がりでした。ただ、いざテレビで流れたら、また第三者目線になっちゃって"ベスパ(VESPERBELL)最近すごいなぁ!"って(笑)。

ヨミ:分かる分かる(笑)。メジャー・デビューしたとはいえ、すぐにタイアップが決まるとか、自分の声がテレビから流れるとか、現実味がなかったので。悪く言えば自覚がなさすぎるんですけど。これから慣れていければいいなとは思っています。

-ここからは『RUMBLING』について詳しく伺っていきたいと思います。それぞれ特に気に入っている楽曲、印象的な楽曲はありますか?

カスカ:もしかしたらヨミちゃんと一緒かもしれないんですけど、「鳴動」ですね。好きなところが2つあるんですけど、まずは歌詞で。サビの頭の"存在を示せ/この広い宇宙でふたり出会ったんだ"っていうところが、ほんとに好きです。事務所のプロジェクトの方が私たちを出会わせてくれたんですけど、広い宇宙の中で私たちのことをよく見つけたなって。このフレーズには私たちの経緯や運命が込められていると思うし、私たちの歌だ! って実感しています。もう1つは、ライヴで盛り上がれるところが好きなんです。この曲ラップがあるんですよね。そこでみんながテンションの上がる姿が想像できるので、お気に入りです。

ヨミ:自分も「鳴動」はめちゃめちゃ好きなんですけど、せっかくなんで違う曲言っちゃおうかなって(笑)。「Imperfect」ですね。メロがいいのと疾走感があるのと、あとは歌詞がめちゃめちゃいいんですよ。今までのVESPERBELLの歌の内容を、しっかり嚙み砕いて考えていただいたことが伝わってきて。そこも注目して聴いていただきたいです。

カスカ:私も歌詞が好きなんですけど、EPの中ではリズミカルでポップな曲調だと思うので、私は歌いやすいというか。レコーディングでも楽しんで歌えましたね。

-2曲目は先程も話題に出た「Noise in Silence」ですが、すごくテクニカルですよね。

ヨミ:今までやってきた楽曲と比べても、めちゃめちゃディープというか。メロもテクいしリズムも単純じゃないので、レコーディングでアドバイスをいただきながら歌いました。リズムを2拍子で取ってごらんって言われてから、めちゃめちゃ歌いやすくなって。手取り足取り教えてもらって、深みのある新しいVESPERBELLが見せられたと思います。こういうのもできるんだ! って衝撃を与えられたというか。

カスカ:私も難しくって。レコーディング当日になっても、なかなか歌いこなせていない状況でした。でも、リズムの取り方から発音の仕方、裏声で歌うのか/地声で歌うのかまで細かいアドバイスをいただいて、やっと歌えて。自分1人の力では歌いこなせなかったと思います。でも、この曲によって新しい引き出しをゲットできました。

-そして、「羽化」についても、もうちょっと伺いたいと思っていて。確固たる世界観のある楽曲ですけど、歌ってみていかがでしたか?

ヨミ:「羽化」も「Noise in Silence」に続いて、VESPERBELLってこんなシリアスなん? って。実際の2人は"はい、どうも~"みたいなノリなんですけど(笑)、この2曲を聴いてメジャー・デビューから知ってくださった方のイメージは、(※しっとりした声で)"どうも、VESPERBELLです"みたいな(笑)。だから、新しい面を届けられていると思うんですよ。あと、ライヴですっごく難しい曲なんです。歌詞分けが入れ代わり立ち代わりで、1人歌って、同じところを途中から2人で歌って、今度は入ってきたほうが1人りで歌ってみたいな、1回ミスったら終わりっていう。「Noise in Silence」とは違った難しさがありますね。でも、本当に思い入れのある楽曲でもあります。

カスカ:私も、やっぱり難しかった印象が強くって。私はもともとポップな声質でポップな歌い回しをするので、楽曲に合わせてディープでシリアスな雰囲気を出しているんですね。でも気を抜くとポップな歌になってしまうから、シリアスな表現はヨミちゃんが上手なので、いいお手本を隣で見せてもらって、たくさん学びながら雰囲気を崩さないように気を付けました。

-私が特に気に入っているのは「Trust Me」なんですけど、これもハードですよね。

ヨミ:サビで張り上げる感じがあって。「羽化」だったら、ずっとテクい感じですけど、張り上げるようなところがあると生き生き歌えるというか。ただ、セリフみたいなところがあって、その塩梅は難しかったです。

-激しく歌うところとセリフを語るところと、緩急がありますよね。

ヨミ:そうですね。そこに翻弄されてほしいと思います(笑)。

カスカ:語りパートがあるオリジナル曲は初めてで。かなり意外なんじゃないかなと思うんですけど、サビの迫力で、いつもの安心安全のVESPERBELLの世界観に引き戻せるというか(笑)。メジャー・デビューしても、ちゃんとVESPERBELLだよ! っていう軸の部分も見せられる振り幅があると思っていて。こういう壮大な楽曲をライヴでやるのも楽しみですね。みんなを引き込んでVESPERBELL最高! っていう気持ちにさせたいです。

-ラストの「Bell Ringer」は2人の役割分担も鮮やかだと思いました。

ヨミ:自分としては若干イレギュラーな曲かもしれません。あまりメロを歌わないというか、ラップ口調というか、諭す歌い方で。こういう歌は初めてだったので結構悩みながら収録しましたね。その工程が自信になって。他の曲でもセリフやラップが入っていますけど、それらを自信を持ってやれるようになったきっかけの曲です。

カスカ:私がハイトーンを担当していて。そういう役割って1番と2番で入れ替わることが多かったんですけど、これは1曲を通して同じ役割なんです。新しいことだったんですけど、メロディを担当しているときにラップで盛り上げてもらえるのが楽しくって。合いの手を入れてもらっているような感覚になるというか(笑)。ヨミちゃんはラップが上手なので、聴いていて楽しいしライヴでも絶対に盛り上がるだろうし、お気に入りですね。

-このEPにもいろんな楽曲が入っていますけど、これからどんな歌を歌っていきたいか、さらにどんな活動をしていきたいか、見えてきているんじゃないでしょうか。

ヨミ:今までやってきたものをしっかり続けながら、今回のEPでも新しいVESPERBELLをいっぱい見せられたので、さらにアップデートしていきたいなと。止まらずに変化していきたい気持ちと、そのなかでも、自分たちのブレたくないもの――ロックな部分をしっかり守り続けて、ライヴで盛り上がれるような曲作りはしっかりやっていきたいですね。

カスカ:VESPERBELL、今はめちゃめちゃチャンスをいただけている期間だと思っていて。しっかりものにして、ずっと応援してきてくれたファンのみんなを驚かせられるような活動をして、VESPERBELLを世界に広めていきたいと思います。ベスパこんなことまでやっているんだ! って常に楽しませるような活動をしたいですね。

-年明け2025年1月15日、16日の2日間Spotify O-EASTにて有観客ワンマン・ライヴ("KMNZ 3rd ONE-MAN LIVE「KMNCULTURE」"ゲスト出演、"VESPERBELL 2nd ONE-MAN LIVE「RUMBLING」")も決まっています。最後に、こちらへの意気込みを伺えますか?

ヨミ:ライヴは唯一ファンとしっかり交流できる場所なので、見せ方も歌い方も一つ一つこだわっていきたいと思いつつ、音楽が聴こえないぐらい盛り上がってほしいなって。周りに迷惑をかけなきゃなんでもしていいよ。かかってこいや! っていう(笑)。

カスカ:今回2ndワンマンなんですが、1stワンマン("VESPERBELL ONE-MAN LIVE「RAMPAGE」")の完成度が高くてファンのみんなにも楽しんでもらえたんですけど、それを越えられるのか!? っていう期待がファンから寄せられていて。そこを遥かに越えるつもりですし、真冬ですけど、いっちばん熱いところにしたくて、汗だくで全員を帰すライヴにしたいです。

ヨミ:タンクトップで来てほしいよね。

カスカ:そうだね(笑)。私も、かかってこいや! って思っています。