Japanese
鎌野 愛
Interviewer:石角 友香 Photo:菅原一樹
声を楽器的に用いるアブストラクトな側面と、ポップスに近い歌モノの要素の両方を資質として持つ音楽家 鎌野 愛が、2ndアルバム『HUMAN』(2022年リリース)以降の作品をEPとしてまとめ、"cocoon"と題してリリースする。前作の延長線上にあるポストロック的なバンド・サウンドのアプローチもあれば、現代音楽的な解釈もポエトリー・リーディングも存在する多彩な6曲。テーマが明快だった2作のアルバム以上に彼女の音楽を知る手立てとして、入門的な作品と言えるかもしれない。
-『HUMAN』のリリース後は、今回のEPのためというよりは徐々に制作をされていた感じですか。
そうですね。昨年子供が生まれてまとまった時間が取れなくなって、作品制作への向き合い方も少し変えないといけないなっていうのもあって。音楽に対する根本的な向き合い方は変わってないんですが、どうにか子育てをしながら音楽を続けていくための新たな方法を考えないといけないと思いました。その結果、アルバムの構想を練ってから作曲を始めるのではなく、一曲一曲、今作りたいと思う曲を素直に作る! という制作スタイルで作っていって、ようやくEPをリリースできるところまでたどり着いたという感じです。出産前に作っていた曲が2曲、出産後に作った曲が3曲、『HUMAN』で作った曲のアコースティック・バージョンが1曲入っていて、アルバムの中に産前産後の曲が交ざり合っているので、今後の展開に向かうための経過の段階にあるEPと自分では捉えています。
-『HUMAN』の制作時は自然の厳しさから逃れられないっていう話をお聞きして(八ヶ岳に自宅兼スタジオを構えている/※2022年12月号掲載)、それもすごいなと思ったんですが、今は育児の大変さのほうが?
正直、今の生活においては育児の大変さのほうが上回ってるかな。自然をゆっくり味わえないぐらいになっていて、むしろ懐かしいというか(笑)、自然の厳しさすらしっかり受け止めることができないぐらい日々追われている感じで。子育てというものを初めて経験させてもらっているので、これもいずれ何か音楽に反映するんだろうと思ったり、自分自身も成長してる部分を感じたりして、それはそれですごく自分の大切なものではあるんですが、自然の厳しさを感じる暇はない忙しさになっています(笑)。
-ただ、歌モノもアブストラクトなものも両方お持ちの鎌野さんがアルバム2作を完成したことで、だいぶ自由になられたのかなと。
そうかもしれないですね。1stアルバム『muonk』(2019年リリース)のときは声でどれぐらい実験的なものが作れるんだろう、声の可能性ってどこまであるんだろうということをテーマにしてたので、その通り実験的なアルバムになったし、『HUMAN』のときは歌詞のある曲を作って感情を表に出した歌を歌おうと思っていたので、ポップスに少し近づくことができたと思うのですが、別の言い方をすると自分で決めたテーマに縛られていたのはあるかもしれないです。2つのアルバム制作を終えて、今はどちらにもとらわれなくていい、もっと今自分がやりたいもので良くて、それはどんな感じだろう? と思って作ったのが最近の楽曲かなと。ただ6曲全部雰囲気が違うので、心が揺れている感じも出てると思うんですよ。今回テーマを決めなかったことによって、今作りたいものをそのまま自然に作ったので、アルバムを通して自由になったと思っていただけたのなら、そうかなと今感じています。
-今回も全曲がそれぞれ素晴らしいので1曲ずつお伺いしていこうと思います。まず「蛹」は鎌野さんらしいアブストラクトさも含みながら、同時にポップスとしても聴ける曲になっていますね。
これはEPの中で最後に作った曲なんですけど、リリースするならEPを代表するような曲が欲しいと思っていて。で、今の私を代表するような曲ってなんだろうと思ったときに『HUMAN』で言うと「解憶」、1stアルバムで言うと「浮遊する都市」という曲があるのですが、コーラス・ワークとピアノ・リフの絡み等がとても自分っぽいなと思っていたので、それを意識して今現在の私らしい曲として取り組んだのがこの曲です。一度『HUMAN』の制作を経ているので、結果的に「解憶」よりもポップに落とし込めたというか、初めて自分が本当に好きだと感じるバランスで曲を作れたような気がします。とても気に入った1曲になりました。
-歌詞はösterreichの高橋(國光)さんと共作で、鎌野さんのことをすごく見てらっしゃるのかなという印象を受けました。
本当にそう思います。とりあえず自分で歌詞を1曲分書いたんですけど、言いたいことがあるのにどうしても歌詞に落とし込めない部分があったんです。彼には私がどんな意図でこの曲を作ったのかを細かく説明しなくても伝わっていて、"鎌野さんこういうこと書きたいんだよね"と。息子のことを思って書いたところもあって、"何かに喩えてこういうことが言いたかったんだよね"と理解してくれて。で、戻ってきた歌詞が素晴らしくて、今回共作できて本当にいい曲になったと思っています。
-鎌野さんの息子さんへの視線というか、どんなふうに見守ってらっしゃるのかを感じました。それを高橋さんも感じてらっしゃるんだろうなと。
ありがとうございます。國光君も私の子供に何回も会って一緒に遊んでくれているので、私と息子の雰囲気もすごく分かっていて、それを汲み取って書いてくれて、それが曲を聴いてくださった方に伝わっているのが今すごく嬉しいですね。
-そして先行シングルでもあった「皆既」ですが、これは演奏のダイナミズムがありますね。
これは子供が生まれて全然曲が書けない、時間が取れないという時期に最初(夫の)菅原(一樹)が"なんかじゃあリフあげるよ"と言ってギターのリフを何個かくれて。そのリフに合わせるようにヴァイオリンやピアノのリフを付けていったんですけど、結局最初に貰ったギター・リフと違うコード感が積み上がっていって、"あれ? ごめん、このギター・リフいらないかも"みたいな(笑)。最終的には少しコード感を変えて使わせてもらっています。最初はこの曲バンドっぽくなかったんですよ。難しいリフの集合体のような形になっていて。その方向に行っても面白くなったのかもしれないんですけど、「皆既」を作っている間、私の気持ちはまだ『HUMAN』から続いていてとてもポップでありたかったので、いつも一緒に演奏しているみんなのライヴ・プレイを想像しながら作っていったら、最終的にバンドっぽい曲に仕上がったんです。
-何かきっかけを掴む感じだったんですね。
そうですね。このままだと本当に1曲も作れないまま私は20年間子育てするのかみたいな気持ちになってしまって(笑)。どうしても今年中に1曲作りたい! と思って毎日1リフずつ作って"ヴァイオリンのリフが今日は作れた。はい終わり"、次の日に"ピアノのリフ重ねてみた。あ、なんかいい感じ!"と本当に少しずつ少しずつ1年かけて作り上げた曲になりました。
-1年ってすごい。そしてミックスが素晴らしいですよね。これだけダイナミックなのに音圧じゃなくて細かい声の部分も全部活かされてるという。
そうなんです。エンジニアは土岐彩香さんで、キタニタツヤさんや、Lucky Kilimanjaroや、Mrs. GREEN APPLE等幅広く活躍されている方なのですが、今回の曲のミックスも素晴らしくて、音数がとても多いのによくこんなにいいバランスで美しくミックスできるなと本当に感心しています。ですが、せっかく土岐ちゃんが作ってくれたミックスを、少し熱めのバンド・サウンドに戻してほしい等と最後に厚かましく注文させていただいたりしました。
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