Japanese
あらいやかしこ
2024年12月号掲載
Member:梨本 うい(Vo/Gt) なおた(Ba/Cho) taroO(Dr/Cho)
Interviewer:フジジュン
"なんでこうなんだ!?"、"なんで俺は!?"と"WHY"だらけの自己否定感や自身への苛立ちを爆音でぶっ飛ばせ! ボカロP、そしてモノノケノノモのベーシストとしても活躍する梨本ういを中心とした3人組バンド、あらいやかしこが2ndフル・アルバム『WHY』を完成させた。2018年10月にリリースした『POP!?』以来、実に約6年ぶりとなる今作。離れた場所に暮らす3人がリモートで集結した、貴重なこの日のインタビューでは、それぞれが今作に込めた熱い想いを語った他、ライヴはほぼぶっつけ本番、レコーディングは全曲一発録り等、仰天エピソードも満載です!
-2018年10月リリースのアルバム『POP!?』以来となる2ndフル・アルバム『WHY』が完成しました。前作以降のあらいやかしこの活動はどうだったんでしょうか?
梨本:前作のリリース以降、すぐにコロナ禍に入ってしまったのもあるんですが、うちのメンバーは僕が千葉、なおたが神奈川、尼崎tora(の代表)のtaroOが兵庫と距離的にも離れてて、なおさら顔を合わせることができなくなって。ちょくちょくライヴはやってましたけど、頻度はだいぶ減りましたね。
taroO:距離が遠いので年に何回しか会えない上に、コロナ禍がぶつかって。僕自身、ライヴハウスを経営させてもらってるのもあって、コロナ禍は精神的にも落ち着かなかったんですが、今考えるとピンポイントで会えて、ライヴができてというのが逆に良かったような気もします。
-なおたさんにとっては、あらいやかしこってどんな居場所ですか?
なおた:僕は2代目ベーシストなんですけど、もともとは梨本ういのファンで。お客さんとしてライヴに通ってたところから、いろいろあって加入することになったんですが。
-え、そうだったんですね! 加入が2014年ですよね?
梨本:そう。ツアー("ぶらりモノノケ珍道中 二〇一三")の直前に初代ベーシストが体調不良になって。1週間前だったから、中止にするかどうしようか? ってtaroO さんと相談してたら、ニコニコ動画になおた君という僕のファンがベースを弾いてる動画があってので、"1週間後にツアーがあるんだけど、弾いてくれない?"って急遽コンタクトを取ったんです。
なおた:僕は演ってる曲も一通り弾けるし、チケットを取って行くつもりだったからスケジュールも空いてたんです。
-わはは。めちゃくちゃなエピソードですけど、渡りに船でしたね!
梨本:で、ツアーに同行してもらって、その後はメンバーが戻るまで活動休止ということになったんですけど、正式に抜けるって連絡が来て、"なおた君にサポートをやってもらおうか"ってところから、正式加入することになったんです。
なおた:だからすごく大事な場所だし、長く続けていきたいし。どんどんやって行きたいですね。
-ういさんはあらいやかしこ以外の音楽活動もあるなかで、このバンドはどんな居場所、どんな存在なんですか?
梨本:そんなことも意識しないくらい当たり前にあるもので。モチベーション的な上下はありますが、次にやるべきことを考える軸になっているので、自分の音楽活動の核であることは間違いないです。DTMで作る曲も(あらいや)かしこでどう演るか? というのが軸にあるし。全部のアウトプットが、かしこに向けてのプラスになればいいなと考えながらやっています。
-楽曲ができる過程というのは、どんな感じなんですか?
梨本:僕がVOCALOIDで作った曲を全部カバーしてるって形で。僕がボカロ曲を作って、なんだったらYouTubeやニコニコ動画に上げて、"次、これやるから聴いといて"って(笑)。で、ライヴがあったら当日にスタジオに2時間入って合わせて、ライヴして現地解散みたいな感じです。
-えぇ、マジですか!? 一度しっかり完成形を作って、それをライヴで披露するんじゃなくて、いきなりなんだ(笑)。
梨本:時間的にはぶっつけ本番みたいなことがほとんどですね。
なおた:普通のバンドとは全然やり方が違いますよね(笑)。
-ういさん、今のメンバーを大事にしたほうがいいですよ。そのやり方で成立している上に、理解して面白がってやってくれる人なんてなかなかいないですよ(笑)!?
梨本:そうですね。それをサポートでなく正式メンバーとしてやってくれてるんで、"ようやってくれてるな"とは思っています(笑)。
-『WHY』を聴いて、1曲目「わるつ」から頭がおかしくなりそうなラウドでノイジーなサウンドで始まって、激しい曲からミディアムな曲まで、全体を包むカオティックさで、感情や内省的な部分が表現されているなと思って。遠距離に住んでいながら、曲に込めた思いや感情をそれぞれが理解して、音にできてるのはすごいことだと思います。
梨本:"この曲はこういうテーマだよ"というのは今まで一回も口で言ったことがなくて。今さら言うのも恥ずかしいし、それぞれで噛み砕いてくださいって形でアレンジは進めています。キメの部分やブレイクは揃えてもらいますけど、あとは任せっきりだよね?
なおた:そうですね。ボカロ曲として一回完成してるものだから、その良さは消したくないけど、バンドとしての良さも出したいので、そこは結構taroOさんと"こうしたい"って話したり、練習の前に合わせたりしてます。
-なるほど。ういさんが作った曲だから、曲への理解が大きく違っていなければ合わせられるし、リズム隊の2人への信頼があるから成立しているんですね。
梨本:そうですね。信頼とちょっと諦めの部分もありますが(笑)。それ込みでバンド・サウンドだと思うので。
taroO:僕はアドリブ力の練習にもなって楽しいです(笑)。学生の頃から音楽で飯食いたいと思ってたので、プレイヤーだったりライヴハウス経営だったりで叶えられていて。あらいやかしこは"限られた時間で惰性ではないものをどこまでできるか?"っていうところに燃えるものがあって、自分の性格的にも合っています。上手くいかへんライヴも"ここが足りなかったのか"って次に活かせますし、性に合ってる感じはしますね。あと、ボカロ曲だと完全に電子音のドラムなので、それをいかに生のドラムで再現するか? とか、生だからこその効果をどうするか? っていうのをよく考えています。
-そんな活動の中でできあがった最新アルバムですが、完成しての感想はいかがでしょうか?
なおた:あらいやかしこは音源よりも、ライヴで聴いてカッコいいバンドだと思っていたんですけど、今回はライヴの良さを音源として残せたかな? と感じています。今作を聴いてライヴを観てもガッカリしないと思うし、ライヴを観たらもっといいと思ってもらえるのが理想なので。すごくいい作品になったと思います。
-今作の楽曲はすでにライヴで演奏してるんですか?
なおた:ほぼほぼライヴでやってる曲ですね。
-あ~、なるほど。しっかりライヴで完成させてからレコーディングに臨めているから、感情も乗ってるんですね。taroOさんはアルバムができての感想はいかがですか?
taroO:前作とはガラッと変わった内容になっていて、トライが反映された部分と"もっとできたな"と思う部分があるのですが、まずはいろんなことにトライできたのが良かったなと思います。僕、ういさんの作った『墓標』(2019年リリース)ってアルバムにすごい衝撃を受けて。そのアルバムをあらいやかしこで超えたいという想いはあったんですが、その手段が難しいなと思っていたんです。3人でどこまで行けるかな? と考えながら、まだトライの過程のような気がしていて。前作からガラッと変えられた意味は大きかったと思うし、1歩踏み出せた感じはしています。
-ういさんはいかがでしょうか?
梨本:これまでもリリースする前は楽しみもあるし、どう聴いてもらえるか? という怖さもあったんですけど、今作は今までで一番怖い作品で。今まではできあがったものをどうストレートに、きれいに聴いてもらえるか? ってところを意識してたんですけど、耳に自信がないので、100パーセントはしっくり来ていなかったんです。それが今回、"ミックスも全部、俺の好きにやらせてくれ"と言って。ちょっとやりすぎかな? っていうくらい、僕の好きなように作ったんです。で、2人に聴いてもらったら"ええんちゃう?"と言ってくれたからこれで行こうと思ったんですけど、出すのが怖くて、うだうだと1年くらいかかっちゃいました。
-あ、そんなに寝かせちゃったんですね。
梨本:アルバム・タイトル1つにしても何転もして、うじうじしちゃって。怖さがデカいですけど、これがカッコいいと僕も思ってたので、ちょっと開き直ったくらいでリリースしようと考えてたんです。
-でも、やりたいことがあったし、作ったときは"これが俺たちの音だ!"って自信もあったわけでしょう?
梨本:そうなんですけど、どう考えてもバッキバキのボッキボキなんで、今の時代には完全に反してると思うし。ただ、万人受けするバンドでもないからとか、言い訳を重ねてやっとリリースってところまで至りました(笑)。
-いや、今作に関してはバッキバキだから伝わるものが確実にあって。曲の良さや歌詞の共感性もすごく重要だと思うけど、バンドだからこそ、生だからこそ伝えられる気持ちや感情が絶対あって、ういさんの歌詞から、俺は開き直りの強さを感じました。クソみたいな日々も受け入れた上で爆音を鳴らすしかない、みたいな。諦めの先にある開き直りの境地のようなものを、今作からは感じました。
梨本:あ~、ありがとうございます。
-作詞作曲に関しては、前作と比べたときの変化ってありました?
梨本:曲の軸自体はさほど変わっていないんですが、これはアルバム・タイトルの話にも繋がるんですけど、最初はもっとチープな形になると思ってたので、"チープ"ってタイトルにしようと考えていたんです。でも、できあがってみたら思いの外良かったし、バンドの本質的なアルバムになったので、"これを「チープ」って言って逃げるのはちょっとダサいな"となって。やかましいパンク・サウンドなんですけど、反体制を歌ってるわけでもなく、あくまでも自分のことについてばかりで、自分への苛立ちというのがメインで。"なんでこうなんだ!?"とか"WHY? WHY?"ばかりなので、"WHY"というタイトルを付けました。そこが僕の軸になってるのかな? と思いますね。
-うん、すごく良く分かりました。でも俺に言わせると、"WHY"のその先まで行けてるところがすごくて。「絶叫モブB」で歌う"笑うんだ ほら開き直っては笑おうぜ"とか、"なぜ?"や諦めの先まで行けてるじゃないですか?
梨本:根本的な解決は何もしてないですけどね(笑)。
-うん、解決はしてないけど(笑)。そこから突き抜けて、爆音を鳴らしたり、歌声を上げたりする意味があって。全てを受け入れた上で開き直る強さを感じたし、聴く人により深く刺さるものになったと思います。
梨本:はい、刺さってくれたら嬉しいですね。
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