Japanese
Umisaya
2024年11月号掲載
Member:フナワタリコウタロウ(Gt/Vo) 三ッ千ー(Ba) 誉也(Dr)
昨年夏に宮城県仙台市にて結成された3ピース・ロック・バンド Umisaya。"海を奏でる"というコンセプトを掲げて活動する彼等が、バンド初となるアルバム『a seaside mixtape』をリリースした。ミッドウェスト・エモ/オルタナティヴ・サウンド等――様々なアーティストへのリスペクトを要所に織り込んだという本作についてメール・インタビューで訊いた。
-Skream!初登場ということで、自己紹介をお願いいたします。
フナワタリ:宮城県仙台市を拠点に活動しております、Umisayaと申します。昨年の9月から本格的に活動を開始しました。"海を奏でる"というコンセプトで、ルーツであるエモやオルタナティヴな演奏に海にまつわる歌詞のみを落とし込むという制作スタイルで活動しています。
-結成の経緯を教えてください。
フナワタリ:自分がもともと仙台で違うバンドをやっていて、メンバーの大学卒業に伴い活動を休止したのですが、自分は音楽を続けたいという気持ちが強くて、当時のベースと一緒に新しく音楽をやろうとなり、結成しました。最初は羊の群れは笑わない。みたいなバンドがやりたくて、手数が多くて激しく叩けるドラマーが必要だ! となってずっとメンバーを探していました。
誉也:自分はTwitter(現X)を見てたら"仙台でエモ/マス・ロック、ポストロック系統に造詣が深い、またはその手のジャンルをこれからもっと知りたいというドラマーさんいらっしゃいませんか......"ってフナ(フナワタリ)が呟いてて、そこにリプをしてからですね。
フナワタリ:誉也さんとは各々前に活動していたバンドで対バンしたことがあって、そのときから複雑なリズムのドラムを構築できる人だと知っていたので、即お願いしました。あと歳も僕の1つ先輩でかなり近かったので、そこもありいろいろとスムーズに話ができました。三ッ千ー(読み:みっちー)はオリジナル・メンバーのベースが生活の変化に伴いバンドを抜けることが決まって、すぐに声を掛けました。今年の春からサポートで入ってもらってて、9月に正規加入しました。
三ッ千ー:フナさんとは音楽の好みが近いことを知ってたので、すぐにOKしました。
フナワタリ:もともと大学でやっていたバンドを好きで観ていて、三ッ千ーの音にベタ惚れしていたので、何がなんでも入ってもらいたかったから、本当にありがたかったです。ベースのスタイルがめちゃめちゃカッコ良くて、今はライヴの要になってくれてます。あとは僕の暴走をしっかりセーブしてくれるのでそこも助かってます(笑)。
-"海を奏でる"というコンセプトを掲げられている理由を伺えますでしょうか?
フナワタリ:バンドを始めるにあたって、ちゃんとメジャー・シーンに食い込んでいける音楽がやりたいという目標がもともとあって、でも僕が好む音楽は結構アンダーグラウンド寄りな自覚があったので、明確な独自性を付けて売り出したいというのが最初にありました。祖父がずっと漁をしていたり、父親がサーフィンをしてたりしたので、幼い頃から海に触れることが多かったから、ここをコンセプトに据えて歌詞に一貫性を持たせることで音楽的なジャンルに縛られずに、エモやオルタナティヴの文脈の外側からリスナーをたくさん増やしていきたいという狙いがあります。名字も船渡ですしキャラクターとしてすごくキャッチーだなって。
-メンバーそれぞれのルーツとなるアーティスト、よく聴いていた音楽等教えてください。
フナワタリ:高校時代に残響レコードにハマってから、マス・ロック/ポストロックにハマり、その後にALGERNON CADWALLADERやTINY MOVING PARTS等のミッドウェスト・エモを聴くようになりました。cinema staffはずっと好きで、最近はsusquatchやhe等を好んで聴いています。
誉也:僕のルーツであり普段からよく聴くのはBUMP OF CHICKEN、RADWIMPSですね。
三ッ千ー:NUMBER GIRLやbloodthirsty butchers等の国内オルタナ、あとはPENFOLDやALGERNON CADWALLADER、YOU BLEW IT!等のエモが好きです。
-そういったアーティストや音楽と出会ったきっかけはなんだったのでしょうか?
フナワタリ:中学生のときに観たアニメで凛として時雨がオープニングをしていて、そのときに明確にバンドってカッコいい! と興奮したのを覚えています。そこからずっと細かいオルタネイト・ピッキングの練習やリフ作りをしていました。
誉也:中学2年生のときに先輩たちが文化祭でバンドをやっているのを観て、友達から3年生になったら文化祭でバンドをやろう! って誘われましたね。そのときにBUMP OF CHICKENとRADWIMPSとオリジナルをやることになってコピーするために聴き始めたんです。バンドに誘われるまでほとんど音楽に触れてこなくて、曲を聴いてもビビッとくることがなかったんですけど、BUMP(BUMP OF CHICKEN)とかRAD(RADWIMPS)を聴いたときに"これが自分の好きな音楽なんだな"って感じがしてワクワクが止まりませんでしたね。そこからバンド→ドラムが好きになり今でも続けられていますね。当時の友達に感謝ですね。
三ッ千ー:YouTubeなんかで見つけて聴き始めたものがほとんどですが、大学の先輩や同期に教えてもらったアーティストも多いです。いいサークルに入りました。
-『a seaside mixtape』のリリースおめでとうございます。バンド初のアルバムとなりますが、心境はいかがですか?
フナワタリ:今作は、バンドを立ち上げるにあたってライヴをするために最初に作った曲が多く入っているので、まさにこのアルバムが始まりの位置付けになるなと感じています。とてもいいものを作っていると自負しているので、とにかくたくさんの人に届いてほしいです。
誉也:やっと出る! って感じもありますが、これがゴールとは思ってませんね。アルバムを出すことでいろんな人にUmisayaを知ってもらえるきっかけになるので、いいスタートダッシュにしたいです。
三ッ千ー:自分の携わった作品が世の中に出るのは初めてで、正直なところまだ実感がありません。いいアルバムになったと思うので、ぜひ聴いてみてください。
-収録曲の中で特に思い入れのある楽曲や気に入っている楽曲はありますか。理由も含め教えてください。
フナワタリ:リード・トラックの「EBB」は、唯一レコーディングを開始したときに書き下ろした曲で、未リリースを含んでもUmisayaの曲の中で一番新しい曲になっています。他の曲たちは架空の登場人物を立てたりして歌詞を作ることが多いのですが、この曲はまっすぐ自分の中にあるものをそのまま言葉にできたような気がしています。他の曲よりも言葉が直接的な気がしていて、これまでのUmisayaがあったから作れた曲だなと思います。
誉也:「BLU」から繋がる曲で、歌詞も繋がりがあるので、ドラム・フレーズは近いものを使うよう意識してました。「EBB」はめちゃくちゃ元気! って曲ではないので落ち着きはあるけど、引き潮のように静かな力強さを感じれるように曲中にダイナミクスが表れてるところがあるのが個人的推しポイントです。
三ッ千ー:4曲目の「CUC」はキメが気持ちいいです。自分がやっている別のバンドの曲からフレーズを引用したりしています。6曲目の「TIL」はサッドな曲調が非常にグッドです。
-楽曲のところどころに会話が織り交ぜられており、アルバムを通して1つのストーリーが感じられるような構成も印象的です。制作にあたって意識したり、苦労したりしたポイントはありますか?
フナワタリ:会話劇はフランスのバンド SPORTのアルバム等を意識してますし、他にも要所で様々なアーティストへのリスペクトを織り込んでいます。僕はアルバムという形態が大好きなんですけど、シングルでの売り出しが主流の昨今において、アルバムを出す意味を考えていくなかで、アルバムを最初から最後まで聴いたときにだけ得られる体験みたいな部分をすごく意識しました。
誉也:海にもいろいろな種類、感じ方、見え方があると思うので、曲中でそれをどう表現するとなったときに同じフレーズは使わない、ノリを変える意識はすごいしてました。今の自分の引き出しが少ないので、作り込んでいくと後に作っていく曲たちの作成時間が長かった気がします(笑)。
三ッ千ー:加入が決まってわりとすぐのレコーディングだったので、楽曲のテンポ感を掴むのに苦戦しました。
-楽曲やサウンド以外にもこだわった点があれば教えてください。
フナワタリ:先程話した会話劇の部分は、サンプリングではなく、留学生のお2人にお願いをして実際に会話を録音させていただきました。2人の会話に耳を傾けてみると、曲の解釈にも絡んできて面白いかもしれません。
誉也:ライヴでは曲間の繋ぎや、サビに入るときの魅せ方を曲ごとに決めて行ってますね。ぜひライヴに来てみてほしいです!
三ッ千ー:ジャケ写がとてもいいです。発案者は自分ではありませんが......。アーティスト写真と同じ日の撮影だったのですが、とても暑かったのを覚えています。
-11月4日の下北沢 近道公演を皮切りに、"umiminiiko? tour"が始まっています。ツアーへの意気込みを教えてください。
フナワタリ:今回のツアーは、全編自分や各地の友人と一緒に制作を行っています。一つ一つのブッキングにしっかり意味を持たせて、最高の準備が整ったと思っています。仙台でのツアー・ファイナル含め、まだ解禁されていないイベントも多いですが、間違いなく最高のイベントになることが保証されているので、絶対に遊びに来てほしいです。
誉也:初めましてが多いツアーだと感じてます。第一印象、どう受け取られるか不安ですけど、Umisayaの良さを自分が体現できることをライヴを通して見せたいです! よろしくお願いします!
三ッ千ー:いろいろなバンドとの出会いが楽しみです。よろしくお願いします。
-ライヴやツアー等、これから予定されている活動はありますか?
フナワタリ:先日東京編をスタートさせ、この後は12月7日福島、12月21日札幌、1月11日大阪、1月25日仙台とツアーを回っていきます。詳細は随時SNSにアップしていきますのでぜひフォローをお願いします。
-今後の展望や目標とする場所はありますか?
フナワタリ:僕のバンドの活動における軸が、自分の音楽を愛してくれる人全員に、自分がUmisayaとして存在している間に届け切ることなので、これまでの積み重ねを糧にして、どんどん大きいステージに立てるようになりたいです。大型フェスやローカルな場所、自分たちのことを初めて知ってもらえるような場所に飛び込み続けたいです。あとはTINY MOVING PARTSと一緒にライヴをしたい。これは言い続けます。
-最後にSkream!読者にメッセージをお願いします。
フナワタリ:Skream!をご覧の皆さん、そして以前からUmisayaを気に掛けてくれている皆さん、今回のアルバムから知ってくださった方、今作を通して皆さんの目と耳の先に少しでも海を映し出すことができたら本望です。これからも仙台から、面白いことをたくさんやっていきます! 海を見に行こうぜ!
RELEASE INFORMATION
Umisaya
1st ALBUM
『a seaside mixtape』
NOW ON SALE
WDLS-0001/¥2,500(税込)
[Windlass Records]
- 1
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BLACK COUNTRY, NEW ROAD
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- 2025.12.11
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- 2025.12.12
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"DUKE×GREENS presents わちゃごなどぅ -whatcha gonna do-"
OAU
PEDRO
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