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INTERVIEW

Japanese

DURDN

DURDN

Member:Baku(Vo) yacco(Topline) SHINTA(Track)

Interviewer:石角 友香

DURDNの曲の主人公はいつも完璧じゃない人。どこか抜けてる、そこが共感要素になればいいなと


-すごくネガティヴだとかいうんじゃなくて、受け入れてるような受け入れてないような、うっすらした感じがリスナーにも響いてるんじゃないですかね。そしてEPは1日の時間の流れになっていて、「Alarm」では本当にアラームが鳴ってるんですよね。

SHINTA:そうですね(笑)、鳴らしてます。

-ちょっとビクッとなります(笑)。

SHINTA:そうですよね(笑)。入れるか悩んでたんですけどね。聴くの嫌になっちゃうじゃないかなと(笑)。

-ちょっとだけ入ってると親近感が湧くと思いますよ。起きるまでのしんどい状態が感じられて(笑)。

SHINTA:まさにそうです(笑)。

-この曲もアイディアが出てからトラックを一緒に作ったんですか?

SHINTA:これも"こんな感じの曲やってみない?"っていうのがyaccoから送られてきて、僕がちょうどその時期にちょっとハマっていた感じを合わせてトラックを出したらこのコンセプトで歌詞が返ってきたので、"じゃもうアラーム鳴らそうか"って感じで(笑)。寝起きというか、二度寝したり起きたりみたいな雰囲気を出そうと思って、そこからまたちょっとリアレンジしたりして。あとから一番最後のセクションをつけたりしました。

-状態っていう感じがします。

yacco:そうですね。これはバンド・メンバーが夢オチの話をすることが多くて、結構みんな変な夢を見ていて。そういうところから夢をテーマに一回書いてみたいなと思って、わりとリアルな感じで書きました。

-そしてHoward Leeさんをフィーチャーした「Pretense」。彼をフィーチャーするアイディアは誰から?

yacco:これは私が。

-ふたりの声が入ってると、その違いがまた面白いですね。

yacco:はい。声のタイプは結構違うんですけど、上手くマッチしてる感じがします。あとBakuは最初のテーマみたいなところのアイディアをくれることが多くて。トラックを聴いた感じで"こういうの見えてるよね"ってアイディアとしてくれることが多いです。

-個人的に好きだったのが「Palm」なんですけど、面白い曲ですね。シュールな映画を観てるような。

SHINTA:うん、たしかに。

-この"パジャマのままで徘徊する街/壊れかけのサンダルで走った"ってすごいなぁと思って。

yacco:私もお気に入りポイントです。

-どんなイメージがあったんですか?

yacco:DURDNの曲の主人公っていつも、完璧じゃない人をイメージしてて。だからこそみんなが共感できるというか、"自分もこんなにいい人じゃないよな"みたいなことを共感要素として出したいなと思ってるんで、この「Palm」でも"パジャマのままで"とかで、この主人公が少し抜けてるというか、そういうのが伝わればいいなと考えて書きました。

-トラックもシュールですね。

SHINTA:そうですね、シュールにしました(笑)。

-それは歌詞のアイディアからですか?

SHINTA:これは僕が聴きたいように書いたところもあるんですけど、わりとすぐにトップラインが返ってきたので、たぶんちょうど書きたい感じが一緒だったのかなって。DURDN、去年リリースした曲は結構音数が多いというか、ちゃんと派手さもありつつみたいなのが多かったので、「Palm」に関しては今っぽいというか、洗練した感じ且つちょっとシュールさがあったら面白いかなと考えて作った記憶があります。ただこれ、僕の勝手なイメージでは古着屋で働いて、お金をめっちゃ服にかけてて、それ以外にかけられなくてボロボロの状態でクラブに行ってるみたいなイメージなんですよ。めちゃくちゃ男の子っぽいうえにたまに抜けてるというか。

-なるほど。BakuさんはDURDNとしてどうなっていきたいですか?

Baku:あんまり軽いイメージに持っていきたくないというか、それは音楽性もそうなんですけど、ヴォーカルとして、軽くて明るくてワイワイみたいなイメージにはしたくないっていうか、僕はそれができなくて。

SHINTA:落ち着いた感じでいたいんだね。

-タイトルについても教えてください。時間の経過が表現されてるEPに"Komorebi"っていうタイトルは、どういう由来で付いたんでしょうか。

yacco:私が考えたんですけど、タイトルにめっちゃ悩んで、全然決められなかったんですよね。全曲英語のタイトルなので、どうしても日本語で付けるのはあんまり想像できなくて、ジャケットに入れたときもバランス的に英語かローマ字のほうがきれいだなと思いつつも、全然マッチするものが浮かばないし、でも"1日"っていうのが伝わるものは入れたいなってことは決まってて。そんななかで急に"木漏れ日"っていう表現だけで1日を表せるかもなって、ふっと思ったんです。ちょうどその次の週ぐらいに映画の"PERFECT DAYS"を観に行ったんですけど、そこで毎日、同じ公園に木漏れ日があって、そこに主人公がいるっていうのを観て、やっぱり木漏れ日で1日を表現できるって確信して、このタイトルを付けました。

-リリース後は初の東名阪ツアー[DURDN Live Tour 2024 "Komorebi"]もありますね。

SHINTA:東名阪でやれることも嬉しいですし、もっともっと今後は各地でのライヴを増やしていきたいですね。今回のワンマンはEPを引っ提げてのライヴなので、名古屋の方はDURDNを初めて観ることになると思うんですけど、東京と大阪のすでにDURDNを観たことがある方も、このEPの曲をやったら、ある意味DURDNを初めて観る感覚があるんじゃないかなと。気持ちを新たにじゃないですけど、そんな感じでライヴも観て、聴いてもらえると思います。