Japanese
Vaundy
2023年11月号掲載
Interviewer:小川 智宏
第2章の幕開け、プロローグに相応しいアルバムになってると思います
-Vaundyとして活動を続けてくる中で、その部分がよりはっきりと見えてきたということなんでしょうか。
そうですね。でも今後も、もっといろいろ別のことが見えてくると思う。ただ、ここからはわりと蛇足も増えてくる気がする。
-蛇足?
無駄な部分。僕は無駄が嫌いだから。メロディの中にある無駄とか......だいたい日本語のメロディって無駄が多くなりがちなんですけど、なんでかって言うと歌詞から書くからなんじゃないかなと。歌詞から書いてるのに無駄がない人っていうのは、歌詞を書くのがマジで上手い人なんですよ。だってオケは日本のオケじゃないから。上から下まで、オケは完全に洋楽ですからね。僕らのベーシックがもう洋楽だから、日本語と合わせるのは難しいに決まってる。子音の数も違うし。日本語から作る時点である意味蛇足なんだと思うんです。だから僕は最後にメロディの翻訳を歌詞にする。オケが言いたいことがメロディの中に出てきて、メロディが言いたいことを僕を通して日本語に翻訳する。だから何言ってるかわからなくてもいい。それが今回の「ZERO」っていう曲。これ、歌詞がないんです。歌詞カードに載せてないだけじゃなくて、本当にないんですよ。毎回適当に歌ってるんです。だからメロディも歌詞もライヴごとに変わります。ただ、僕はその曲の中にあるポップス、みんなが理解できる部分っていうのを知ってるから、なんとなく同じようになったり、歌詞が違っても成立する曲になってるんです。
-でも、例えばヒップホップ調の「NEO JAPAN」あたりは言いたいことがあった感じもしますけどね。
あれは、俺が日本語ラップができなかったんですよ。それへの挑戦です。でもまだ「NEO JAPAN」はできてない。完成していないから、歌詞から書かないといけなかったんです。なんでかっていうと、ラップってメロディから直訳すると日本語じゃ成立しないんですよ。日本語は母音と子音がくっついてひとつの音になるから、英語の2倍の音が必要なんです。そこを英語はもっと細かくできるんだけど。大根を輪切りにしたのと、ネギをみじん切りにしたのとでは、鍋に入れられる量が変わるじゃないですか。そういうイメージ。メロディという鍋に言葉を入れるときは、ネギのほうがたくさん入れやすいに決まってるんですよ。しかもネギのほうが味が強いから、鍋を満たしすぎないでも味が出せる。だから余白を持たせたりもできる。そこはすごくバランスを取って作ってますね。
-あと「黒子」とか「宮」とか、自分自身の中に潜っていくような歌詞の曲も多いですよね。
そうですね。いろいろ"僕と誰か"っていう曲も書いてきてますけど、やっぱり得意なのは自分の不幸を歌うことなんですよね。足りないものとか蛇足とか、自分の中にある負の感情のほうが強いし、問題提起しやすいんで。「宮」とかも自分の中にあるものがすごい大きく入ってるけど、もうひとつストーリーラインを作ったりして、わかりやすく伝わるようにはしました。本当は歌詞で伝えなくてもいいのかもしれないけど。メロディを歌っただけでなんとなく空気が伝わってくる。そこにディテールを加えるのが日本語で、でも説明しすぎていないのでそこはみんなで埋めていってねっていう。モヤッとすればするほど俺に近いので、そこをちょっとずつ埋めてあげたのが「宮」とか「黒子」なのかな。ポップスの部分をしっかり残せるようになったから、それをちょっとずつ出しても大丈夫なようになってきた。今回そういう曲が多いと思うんで、だからより楽しめるか、もしくはちゃんと作られたものがいいっていう人が増えるか、どっちかなって思ってます(笑)。
-まぁ、後者みたいな人にとってはDisc 2がありますからね。
そう。別に今後もDisc 2みたいな作り方はするし、逆にタイアップとかの状況でもDisc 1みたいなものを作って提出したりもできるようになるし。だから本当に第2章の幕開け、プロローグに相応しいアルバムになってると思います。"俺は両方の武器を持ったぜ、さぁどうする? みんなどれがいい?"って。それで言ったら"別にどれでもいいよ、やれるよ"って思う。それこそDisc 2に入れた「トドメの一撃 feat. Cory Wong」も最近作った曲ですからね。
-だからどっちもやるんだけど、そこのバランスみたいなのがちょっとずつ変わってきたっていうことなのかもしれないですね。
そうですね。時代で変わっていくのはやっぱりバランス感覚だと思うんで。レプリカ、ポップス、デザインっていう三すくみがすごく大事だと話しましたけど、その中に存在する僕がもの作りをする人間として大事にしなきゃいけないのはそのバランス感覚だと思っています。もの作りをするうえで大事なのがその3つで、それを扱うのに一番必要なのがバランス力なんです。それは腹筋があったほうがいいとか、本当に肉体的なバランス力かもしれないけど、そのバランス力っていうのがアーティストっていうものを分けていくのかなと。自分で生きてきた部分をどれくらい使うか――俺が"バック・トゥ・ザ・フューチャー"や"カートゥーン ネットワーク"が好きだとか、そういうものをどれくらい取り入れるかとか。そういうのでいろいろ変わってくるのかな。
-それがまさにスタイルっていうものですからね。
人間である以上、人間という括りではみんな一緒なんですよ。でもその中でみんな顔も髪型も目線も、喋り方も違うじゃないですか。これってレプリカが積み重なってできた"個"なんですよ。全員同じはずなのに全員違う。誰かの喋り方ができたのって、親、観てきた映画、ドラマ、アニメ、好きな言葉、本の使い方――そういうのも全部レプリカで、そいつらが集まって自分の中に入ってきたことで個が完成するんですよ。何かをより複雑に真似ることで人間は個を作っている。だから俺らが作っているものは結局レプリカだし、しかも俺らが作ったこの曲もまた誰かのために使われるから、レプリカのレプリカがまた生まれて変わっていく。「replica」という曲はその話をしています。僕ら人間ともの作りの過程は一緒、そして地球も全部一緒だと。核があって、その上に地層が重なっていって、その層の上に僕らは立っている。それが音楽でいうレプリカの原則だよっていう。僕はDavid Bowieが大好きだから、その中で"Bowieっぽくやりたい"という願望も入れて。歌詞の中に"Space Oddity"っていうのが出てくるんですけど、これはDavid Bowieの曲名で。その曲に向けて"話を聞いてくれ、なんで無視するんだ"って言ってるんです。それって、レプリカを作る過程じゃないですか。それが面白いなと思って。
-まさにテーマ・ソングですよね。
しかもこの曲って、ライヴに来ている人は1回聴いてるんですよ。今年の頭のホール・ツアーのエンディングで流れていたのがこれのインストだったんです。アルバムでも「replica」の前に流れる「Audio 008」がそのライヴで流れていた部分で、そのあとにガチャって始まるのが「replica」。だからすでに「Audio 008」のレプリカでもあるっていう。
-なるほど、面白いです。でも、今回種明かしをしすぎじゃないですか(笑)?
今回みんな、すごく話を聞いてくれるから(笑)。
-でも、ポップスを作っていく人としてここまでバラしてしまうっていうのは――。
犯罪的ですよね(笑)。でもそこを言ってもかっこ良ければいいんですよ。その原則があるからサンプリング文化があるわけじゃないですか。それこそ「NEO JAPAN」は(BUDDHA BRANDの)「人間発電所」へのオマージュだし。大好きで、俺もこういったものを作りたいと思ったから作った。それがレプリカの始まりじゃないですか。それで頑張ってやった。だから許してほしい(笑)。
-というか、かっこいいって言ってもらえる自信がある、ポップスになるという自信があるからこそ、そこまでできるということなんだと思います。
今のところは。まぁ、『replica』って普段やってたことに名前を付けただけだから、ただ自白しただけ。俺は悪い言葉じゃないと思うんだけど、今言ってても"大丈夫かな"って心配するぐらいには負の感情なんですよ。だから怖いですけど、聴いて判断してもらうしかない。これでダメだったらもうしょうがないですね。
LIVE INFO
- 2025.11.22
-
Chimothy→
ねぐせ。
AIRFLIP
ポルカドットスティングレイ
wacci
キュウソネコカミ
ズーカラデル
NEE
the paddles
TOKYOてふてふ
LiSA
優里
BLUE ENCOUNT
moon drop
チリヌルヲワカ
ASP
Eve
miwa
Conton Candy
ストレイテナー
The Biscats
セックスマシーン!!
離婚伝説
Ado
MOS
荒谷翔大
リーガルリリー
NANIMONO
brainchild's
SUPER BEAVER
藤巻亮太
ビレッジマンズストア
PIGGS
sajou no hana
SPRISE
アーバンギャルド
Omoinotake / クリープハイプ / Saucy Dog / マルシィ ほか
CVLTE
RADWIMPS
ガガガSP / SpecialThanks / YONA YONA WEEKENDERS / BACK LIFT ほか
フレデリック
osage
- 2025.11.23
-
SHERBETS
NEE
キュウソネコカミ
ズーカラデル
Awesome City Club
ザ・クロマニヨンズ
ぜんぶ君のせいだ。
PENGUIN RESEARCH
怒髪天
優里
Eve
くるり
MEW
Galileo Galilei
Ado
秋野 温(鶴)
THE BAWDIES
チリヌルヲワカ
東京スカパラダイスオーケストラ
離婚伝説
CNBLUE
佐々木亮介(a flood of circle)
BLUE ENCOUNT / yama / Novelbright / 新しい学校のリーダーズ ほか
山本彩
ExWHYZ
RADWIMPS
OKAMOTO'S
Laura day romance
- 2025.11.24
-
リーガルリリー
ポルカドットスティングレイ
WurtS
brainchild's
ねぐせ。
キタニタツヤ
u named (radica)
ザ・クロマニヨンズ
ぜんぶ君のせいだ。
go!go!vanillas
LiSA
Lucky Kilimanjaro
すなお
私立恵比寿中学
くるり
NANIMONO
ブランデー戦記
清 竜人
Conton Candy
凛として時雨
秋山黄色
The Biscats
9mm Parabellum Bullet
LACCO TOWER
No Buses
CNBLUE
miwa
山本彩
BIGMAMA
崎山蒼志
ExWHYZ
RADWIMPS
Ayumu Imazu
MEW
- 2025.11.25
-
打首獄門同好会
Another Diary
すなお
シベリアンハスキー
The Ravens
chilldspot
- 2025.11.26
-
Dios
桃色ドロシー
ザ・クロマニヨンズ
シベリアンハスキー
TENDRE
UVERworld
PEDRO
BLUE ENCOUNT
material club
Mirror,Mirror
Galileo Galilei
chilldspot
- 2025.11.27
-
打首獄門同好会
MONOEYES
Cody・Lee(李)
moon drop
桃色ドロシー
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
ザ・クロマニヨンズ
TENDRE
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
PEDRO
Tempalay
あたらよ
- 2025.11.28
-
Galileo Galilei
優里
BLUE ENCOUNT
go!go!vanillas
怒髪天
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
VII DAYS REASON
Dios
崎山蒼志
凛として時雨
ズーカラデル
コレサワ
SHERBETS
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
ポルカドットスティングレイ
おいしくるメロンパン
sajou no hana
NEK!
CENT
OKAMOTO'S
meiyo
RAY
reGretGirl
- 2025.11.29
-
ビレッジマンズストア
Appare!
YOASOBI
NEE
暴動クラブ
brainchild's
Cody・Lee(李)
キタニタツヤ
優里
くるり
TOKYOてふてふ
MONOEYES
キュウソネコカミ
moon drop
THE BACK HORN
androp
The Biscats
フレデリック
チリヌルヲワカ
怒髪天
eill
LOCAL CONNECT
wacci
LACCO TOWER
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
ドラマチックアラスカ
アーバンギャルド
ねぐせ。
ExWHYZ
UVERworld
フラワーカンパニーズ
愛美
浪漫革命
東京スカパラダイスオーケストラ
BACK LIFT / 魔法少女になり隊 / LEEVELLES / パピプペポは難しい ほか
Bentham
MONO NO AWARE
NANIMONO
カミナリグモ
9mm Parabellum Bullet
PIGGS
- 2025.11.30
-
ビレッジマンズストア
YOASOBI
NEE
TOKYOてふてふ
凛として時雨
キタニタツヤ
崎山蒼志
くるり
キュウソネコカミ
moon drop
SHERBETS
THE BACK HORN
TENDRE
アーバンギャルド
the paddles
秋山黄色
TOMOO
LACCO TOWER
ドラマチックアラスカ
LUCY
ExWHYZ
Maki / SIX LOUNGE / w.o.d. / KUZIRA / TETORA
UVERworld
フラワーカンパニーズ
ポルカドットスティングレイ
NANIMONO
ズーカラデル
ぼっちぼろまる×ポップしなないで×ぜったくん
コレサワ / ヒグチアイ / のん / ひぐちけい
miwa
MONO NO AWARE
Conton Candy
JYOCHO
離婚伝説
- 2025.12.02
-
RADWIMPS
LONGMAN
Dios
RAY
マカロニえんぴつ × DISH//
私立恵比寿中学
GLIM SPANKY
SUPER BEAVER
IneedS
- 2025.12.04
-
TENDRE
LEGO BIG MORL
私立恵比寿中学
SHERBETS
Homecomings
アーバンギャルド
キュウソネコカミ
吉井和哉
Hakubi
- 2025.12.05
-
桃色ドロシー
私立恵比寿中学
moon drop
ポルカドットスティングレイ
ザ・クロマニヨンズ
NANIMONO
eill
Laughing Hick
崎山蒼志
さかいゆう / 望月敬史 / L'OSMOSE(O.A.)
flumpool
とまとくらぶ
Another Diary
岡崎体育
Rei
ズーカラデル
打首獄門同好会
- 2025.12.06
-
キュウソネコカミ
AIRFLIP
ザ・クロマニヨンズ
凛として時雨
OKAMOTO'S
BLUE ENCOUNT
indigo la End / a flood of circle / Galileo Galilei / go!go!vanillas ほか
Cody・Lee(李)
brainchild's
LEGO BIG MORL
NANIMONO
怒髪天
ねぐせ。
CVLTE
UVERworld
eastern youth
キタニタツヤ
優里
Kroi / Jeremy Quartus(Nulbarich) / BREIMEN / luv
flumpool
チリヌルヲワカ
Aooo
Mirror,Mirror
心愛 -KOKONA-
THEラブ人間 / ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / KALMA ほか
フラワーカンパニーズ
Ryu Matsuyama
MyGO!!!!!
- 2025.12.07
-
ぜんぶ君のせいだ。
崎山蒼志
キュウソネコカミ
MOSHIMO
moon drop
ポルカドットスティングレイ
凛として時雨
BLUE ENCOUNT
AIRFLIP
OKAMOTO'S
sumika / マカロニえんぴつ / Kroi / ズーカラデル ほか
NANIMONO
怒髪天
Devil ANTHEM.
ACIDMAN
eastern youth
小林私
UVERworld
優里
秋野 温(鶴)
LACCO TOWER
OAU
the telephones
BIGMAMA
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
トゲナシトゲアリ × RAISE A SUILEN
RELEASE INFO
- 2025.11.22
- 2025.11.26
- 2025.11.27
- 2025.11.29
- 2025.12.01
- 2025.12.03
- 2025.12.05
- 2025.12.10
- 2025.12.12
- 2025.12.17
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.24
- 2026.01.01
- 2026.01.07
- 2026.01.09
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ザ・クロマニヨンズ
Skream! 2025年11月号








