Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

LIVE REPORT

Japanese

Vaundy

Skream! マガジン 2024年02月号掲載

2024.01.21 @国立代々木競技場 第一体育館

Writer : 小川 智宏 Photographer:日吉"JP"純平/太田好治

2023年11月から全国を回ってきたVaundy初のアリーナ・ツアー[Vaundy one man live ARENA tour "replica ZERO"]。そのファイナルが、2024年1月21日、東京 国立代々木競技場 第一体育館で開催された。ニュー・アルバム『replica』の楽曲に過去曲を織り交ぜ、展開したVaundyのパフォーマンスは、これまでの彼のライヴとはまったく違うパワーとスケールを感じさせる圧巻のものとなった。その模様をレポートする。

期待渦巻く会場が暗転し、バンド・メンバーが立つステージからアルバムのオープニングでもある「Audio 007」が鳴り出す。そこから「ZERO」に突入すると、舞台下からせり上がってVaundyが登場。雄叫びを上げる彼をオーディエンスの声が包み込む。ステージからまっすぐに伸びた花道を練り歩きながら"始めるぜ!"と宣言すれば、会場が一気にひとつになる。さらに「裸の勇者」を畳み掛ける序盤、大歓声と喝采を浴びるVaundyの姿はさながらロック・スターだ。「美電球」では客席に背を向けてバンドとのコンビネーションを確認するようにパフォーマンス。ダークなグルーヴがライヴの熱量によって凄まじいエネルギーを生み出していった。

中盤ではミラーボールの光が体育館の天井を照らし出した「常熱」、そこから一転してステージに置かれた椅子にしなだれかかるようにして歌われた「宮」といった『replica』の楽曲たちがハイライトに。「そんなbitterな話」を挟んで披露された「黒子」では、ステージから放射される青いレーザー・ライトのなか、オーディエンスをグイグイと引き込むようなパフォーマンスを披露する。さらにそこに重ねられるのがラップ・チューン「NEO JAPAN」。アルバムを聴いても驚いた振り幅が、バンドの演奏とVaundyの歌の肉体性によってますます力強く届いてくる。彼のライヴを観るといつも音源の何倍もその楽曲に説得力と強度があることに驚かされるのだが、このツアーではそれがより発揮されている。たぶん初めて観た人は音源だけで描いていたイメージをいい意味で裏切られたような気分になるのではないか。Vaundyはこんなにもエモーショナルで熱いライヴ・パフォーマーなのだ。

ライヴ後半では「不可幸力」に始まりシングル曲を連発。「Tokimeki」や「花占い」でアッパーに盛り上げると"今夜もキメてやるぜ!"と「トドメの一撃 feat. Cory Wong」へ。メンバーと一緒になってサイドステップを踏みながら歌うVaundy。ここまでフルスロットルで駆け抜けてきながら、その歌はまったくエネルギーを失わない。楽曲の進化やバンドとのコンビネーションの洗練というのももちろんあるが、今回のアリーナ・ツアー、やはり強く感じるのはVaundy自身の歌の強化ぶりだ。花道を歩きながら、椅子に座りながら、ステージの左右に回り込むように設置された客席に近づいたりしながら、つまりとてもアクティヴにエンターテインしながら、一方ではその歌はますます裸で強靭なものになっている。

「CHAINSAW BLOOD」、そして"これがライヴだ!"と繰り出された「逆光 - replica -」というコンボで巨大な会場をロックし、"さすがに疲れたぜ......"と大きく息をしながらライヴはクライマックスに突入。客席から「怪獣の花唄 - replica -」の大合唱が巻き起こる。まさにアンセムという言葉が相応しい一体感が会場を包み込むと、"いろいろなことがあったと思いますが、僕にできることはこれしかない。またみんなに会えるのを楽しみにしてる"とシンプルなMCにすべての思いを込め最後の「replica」へ。アルバムのテーマ・ソングがツアーの大団円を鮮やかに描き出した。

この日のMCでVaundyは今年11月から新たなアリーナ・ツアー"Vaundy one man live ARENA tour 2024-2025"を開催することを発表した。アルバムを作り上げ、ツアーも走り終えてひと息、ということはもちろんなく(本人は"明日から1ヶ月休む"とうそぶいていたが)、彼は今年も変わらず走り続けるつもりのようだ。次のツアーでさらにスケールアップしたVaundyに会えるのを、我々も楽しみにしていたい。

  • 1