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INTERVIEW

Japanese

HATE and TEARS

2023年09月号掲載

HATE and TEARS

Member:KAYO UI MISA

Interviewer:山口 哲生

-それはよっぽど好きですね(笑)。TYPE-Bには「invisible strawberry」が収録されています。歌声にかわいらしさやあどけない感じはありつつも、曲調としてはかなりセンチメンタルで、でもビートは強くて。いろいろとギャップがある曲ですけども、この曲のワード感もみなさんで出していったと。

UI:この曲は私だけだったのかな......。

KAYO&MISA:うん。

-この歌詞も影があるので、そのあたりは......。

UI:私のせいです......。本当に申し訳ないと思ってます......(苦笑)。

KAYO:いや、私も好きよ、この曲。私もメンヘラなのかも(笑)。曲を聴いたときは、最初に出した「Sugarless」(2021年5月リリースの1stシングル)にいい意味で戻ったというか。あそこから続く曲ができたなって思いました。

MISA:この曲は、曲調とかは好きなんですけど、タイトルがちょっと......。

KAYO:あぁ(笑)。(MISAは)イチゴがちょっと苦手なもので。

MISA:練習するときも"ス"って言うんですよ。その単語を言いたくないので。でも、それと真逆なぐらいこの曲もシンプルに好きですし、踊っていて楽しいです。私、リーダー(KAYO)が作る振付が好きで。曲調によって振付も変わるじゃないですか。この歌詞も「Mirror」みたいにメンヘラチックな感じはあるかもしれないけど、踊っていてまた違う楽しさがありますね。

KAYO:「invisible strawberry」はかわいい仕草に見えるような振付にしているんですけど、AメロとBメロのところはふたりでひとつになるような形にしているんですよ。前後で人がくっついて、右手は前の人だけど、左手は後ろの人みたいな感じで、正面から見ると完成する振付になっていて。そういうものをちょっとやってみたいなと思っていたので、取り入れてみました。

MISA:ただ、かわいらしい感じもある振付なんですけど、うちが踊るとそういう感じがあまり出なくて。基本的に、ダンスするとかわいい寄りというよりはかっこいい寄りになってしまうので、ライヴのときはかわいく見せられるように意識してます。だから練習のときは......KAYOさんが踊っているときって、手先までめちゃくちゃきれいなんですよ。うちもそれができるように心掛けて練習してます。

-UIさんとしてはこの曲に取り組んでみていかがでした?

UI:この曲は仮歌の時点でめちゃくちゃ苦戦した記憶がありまして。HATE and TEARSって、それこそ「Sugarless」はかわいらしい曲ではあるんですけど、かわいさ全振りな感じではないと思うんですよ。なので、どういう歌い方が合うんだろうと思って、いろいろ試してみたんです。曲がかわいいからこそ、歌い方をちょっとかっこ良くしてみようと思ったんですけど、あまりハマらない。普通に歌ってみても、曲との温度感に差が出てしまって全然違うし、ああでもないこうでもないと細かいところまで調整していって、最終的にかわいらしい方向で歌ったらハマりました。そのときの達成感はすごかったですね。"これが正解だ!"みたいな。

-やってやったぞ的な。

UI:ただ、ワード感もそうなんですけど、かわいいけどかわいすぎないがモットーというか。かわいさの中に毒っ気がある感じ、甘ったるくなりすぎないようにはしてましたね。

-TYPE-BのジャケットはKAYOさんがフィーチャーされてますね。

KAYO:ジャケットのヴィジュアルは、アイドルっぽいかわいい感じになっていて。それに合わせて「invisible strawberry」を収録した感じですね。

-そういったヴィジュアル・イメージは、みなさんでいろいろ話し合われたんですか?

KAYO:そうですね。今回のジャケ写は、MVを撮る代わりなのかっていうぐらい、めちゃくちゃ手の込んだ写真を撮らせていただきまして。TYPE-AはUIちゃんのイメージで、エモい感じというか。自分に合うウェディング・ドレスを各自で購入して、自分たちなりにアレンジを加えていったんですよ。

UI:みんなで必死になって色を染めたり、切ったり、縫ったり。私だけ別日に朝の4時ぐらいまでひとりで作業していて。

KAYO:あと、UIちゃんはこのジャケ写のためだけにギターを買ったりとか。

UI:買いました!

KAYO:ベルトのところを黒く染めて、スタッズを打ち込んだりとかね。

UI:そのスタッズがすごく大変だったんですよ(苦笑)。ヅメさんもいろいろとやってくれて。あと、有刺鉄線を頭に巻きつけてるんですけど、あれも大変でした。有刺鉄線って結構弾力性があるというか、ぼよーんって戻ってくるんですよ。それを何日間かかけて固定させるんですけど、頭に乗せると刺さるんです、棘が。

-おぉ......。

UI:そもそも有刺鉄線って刺さるものじゃないですか。刺すためのものというか(笑)。

-"有刺鉄線"っていうぐらいですからね(笑)。

KAYO:有刺鉄線って、HATE and TEARSの初期から使っているロゴに入っていたり、そのあとのアー写でもちょこちょこ使っていたりするんですよ。だから今回もその流れではあるんですけど、そこに有刺鉄線を入れるんだ!? っていう。

UI:ホントに痛かった(苦笑)。頭に穴が空いてるんじゃないかなって錯覚するぐらい。

MISA:いいじゃん。「Mirror」と繋がってる。

UI:どんなに血を流しても(笑)?

-たしかに(苦笑)。

KAYO:TYPE-AとTYPE-Bは私たちで考えたんですけど、MISAのTYPE-Cは一流の方にすべてスタイリングしていただいて、めちゃくちゃバチバチにかっこいい写真を撮りました。

MISA:最初は自分たちで考えようということになったんですけど、この写真って結構K-POP寄りというか。かっこいい感じなので、これはプロの人にお願いしようということになったんですけど、"さすがスタイリストさんだな......!"って思いました。うちらには思いつかないスタイリングですし、選んでいるときも"どれがいい?"って聞いてくれて、一緒に考えたりとか。個人的にスタイリングするのがすごく好きなので、"こういう合わせ方もあるんだ!"とか。

-勉強させてもらいつつという。

MISA:かなりメジャーな方々をやっていらっしゃるスタイリストの方だったんですが、そんな方が私たちのメジャー1発目の大切な作品に関わってくださったのが、言葉で表現できないぐらいめちゃくちゃ嬉しくて。そのおかげでめっちゃいいアー写が撮れたんですよ。で、TYPE-Cは私がセンターなんですけど。

UI:ははははははは(笑)。

MISA:うち、身長が高いので、センターを取らせてもらえないんですよ。"後ろ行け!"みたいな感じなんですけど、メジャー1発目の大事なCDでセンターになれましたし、しかも、ヅメさんも周りの方々もめっちゃ大絶賛してくださって! なので、これからセンターは私が背負っていこうかなって!

UI:結構大きめな声で歌わないといけなくなるけど大丈夫?

MISA:そこはUIちゃんに任せる! 私はジャケ写だけセンターを背負っていこうと決めました!

KAYO:すごく有名なスタイリストさんが関わってくださって、その方にHATE and TEARSを知ってもらえた嬉しさもありますし、ジャケ写も命を懸けて......。

MISA:命懸けた(笑)?

UI:いや、頭から血が出てると思うぐらい痛かったから(笑)。

KAYO:まぁ、いろんなものを懸けて(笑)、すごくいいものができたと思います。

UI:ただ、撮影のときにプチ事件が起こっておりまして......。

MISA:事件?

KAYO:いやいや。何もないよ。

UI:いや、あのですね、名古屋から東京に向かっていく途中でパーキングエリアに寄ったんですよ。で、お手洗いを済ませて、手を洗って出てきたら、車がなくて。

-え?

UI:ていうか、見えたんです、走り去っていく車が。

-ははははははは(笑)!

UI:私、そのときスマホしか持ってなかったんですよ。お財布も何もないし、すっぴんで、髪もボサボサの状態で放り出されて(苦笑)。"えっ!?"と思ってすぐに電話したんですけど、そのパーキングエリアが自販機しかないタイプのところで、スタッフさんも清掃員の方しかいなくて。それで"すみません、置いていかれちゃって......"って相談したら、"そんなことマジであるんですね"って言われて(笑)。

-(笑)そこからどうしたんです?

UI:運がいいことに、外に出たら駅から近かったので、近くの交番に行って、"すみません......"って言いながらお金を借りて。ひとりで電車に乗ってスタジオに向かったんですけど、駅からスタジオまでもう雨が土砂降りで。

KAYO:台風だったからね。

UI:そう。ヅメさんがLINE Payにお金を少し入れてくださっていたので、コンビニで傘を買ってスタジオに向かったんですけど、スタジオに着いたら着いたで"小さくて見えなかったわ!"って延々ネタにされるという大事件がございまして(苦笑)。

KAYO:UIちゃんから電話がかかってきた瞬間に、なんでかかってきたのかすぐにわかって。ヅメさんに報告するとき、めっちゃくちゃ怖かったです(苦笑)。

UI:ヅメさんによると、(KAYOが)すごい顔してたらしいです(笑)。

-でもまぁ、焦りますよね(笑)、その状況は。

UI:でも、焦りというよりは"ついにやったか、あいつら"みたいな。たまに忘れかけることがあったんですよ。"誰々がいないぞ!"ってギリで気づくことはあったので、私のターンでついに来たか! って。この事件は記事にしてもらいたいです(笑)!