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INTERVIEW

Japanese

Youplus

2022年04月号掲載

Youplus

Youplus

メンバー:中西 香菜 川後 陽菜 尾形 春水 林田 真尋

インタビュアー:宮﨑 大樹

アイドルは卒業後にどんな人生を歩むことができるのか。そんな、アイドルのセカンドキャリア問題が発生しているなか、アイドル・グループのOGのみで結成された新たなガールズ・グループが誕生した。元アンジュルムの中西香菜、元乃木坂46の川後陽菜、元モーニング娘。の尾形春水、元フェアリーズの林田真尋から成る4人組、Youplusだ。SEKAI NO OWARIのグローバル・プロジェクト"End of the World"の総合プロデューサー/クリエィティヴ・ディレクターでもある和田直希がプロデュースを手掛ける、同グループに話を訊いた。

-Youplusの結成については"アイドルのセカンドキャリア"がキーワードですよね。みなさんは、アンジュルム、乃木坂46、モーニング娘。、フェアリーズのOGが集まったグループですけど、もともとは中西さんが全員と知り合いだったそうで。

中西:はい。(尾形が)会社の後輩、(林田が)お友達、(川後が)高校時代の同級生です。きっかけはYouTubeで。コラボじゃないとできない企画――例えばドッキリとかはひとりではできないので、みんなで集まって何か一緒にできたらね、みたいな話から。

林田:コロナでイベントとかライヴとかができないから、ファンの方に直接会える機会がなくて。そういうときにYouTubeが観られているから、みんなで何か面白いことやってみない? っていうことで最初は集まりました。

-そのころは、オリジナルの曲を作るとか、ライヴをやるとかは考えていなかったんですか?

林田:そうですね。

-そこから4人組のユニットとしてやっていくことになったきっかけや、タイミングというのは?

中西:集まったときはYouplusではなく、カオスピピスというYouTubeユニットという形で集まっていたんです。そこで"MV作ってみた"みたいなものを企画したんですね。ただ、まとめてくれるプロデューサーさん的な立ち位置がいないままスタートしちゃって、周りの大人が何人か手伝ってくれたんですけど、意向が合わなかったりして上手くいかなかったんです。そのなかで和田(直希/プロデューサー)さんと出会って、4曲だけプロデュースしてくださいって、そういう契約みたいな感じだったのですが、そのときにいろいろとゴタゴタがありまして......。どうしようどうしようとなったなか、和田さんがまとめてくださって、そこからもともと一緒にやっていた大人の方が離れ、グループ名が変わったというか、新たに頑張っていこうって思った4人が残りました。そこからYouplusとして和田さんががっつりプロデュースしてくださるようになった感じです。

-和田さんの存在なくしてYouplusはなかった。

中西:そうですね。そのままカオスピピスだったらたぶん自然消滅みたいになっていたので、ファンの方にも申し訳ない結果になっていたと思います。有り難いです、本当に。

-それが転機になったんですね。もともといたグループからの卒業後の活動って、やっぱり難しかったですか?

川後:そうですね。やめてからすぐのときは、もともといた乃木坂46の効果もあって、お仕事としてなんとかやってこれていたんですけど、私の場合はだいたい3年近くフリーランスをやっていくなかで、来たものをこなす作業になってしまっていたんです。乃木坂46にいたときは"東京ドームに行こう"とかグループの中での目標があったし、個人としてもモデルをやりたいとかそういう目標もあって、目指すものがあったから頑張れていたということに気づかされて。その目標を叶えちゃってるからグループをやめちゃっているわけで、目標ってなんだっけな? 次に何をしたらいいのか? というのがまったく出てこなかったんです。やっぱり一緒に頑張れる仲間が欲しくて、このグループでやりたいなと思いました。

尾形:私も3年間くらいフリーランスでした。大学進学を理由にアイドルを卒業しているので、大学生活をしながらInstagramとかYouTubeとかを個人でやっていたんですけど、やっぱり守ってくれる事務所だったり大人の方だったりがいないので、すごく怖い思いをたくさんしたんです。いい話はいっぱい来たけど、お金で騙されたし、税金のことも何もわかんないし、そんな状態ですごく悩んでいたときに、もともとの事務所の先輩だった香菜ちゃんとランチをして、悩みを相談するなかで、"じゃあ一緒にやってみよう"と話を貰って。ひとりでやってきて、陽菜ちゃんが言ったように私も目標が曖昧だったし、グループでやっていたときよりも達成感が少なかったんです。ファンの方に会える機会を作るのもひとりではなかなか難しかったので、そういうことも含めて一緒にやろうと思って参加しました。

林田:私は前のグループが活動休止になってからのフリーの期間が半年だったので、そんなにめちゃめちゃ大変っていう思いはしなかったんですけど、初めてアルバイトをしてみたり、自分で交渉して仕事を貰っていたりしていました。そのなかで、ファンの方から"歌って踊ってる真尋ちゃんを見たい"という声がすごく多かったんです。その時期に香菜ちゃんとランチして、"歌って踊ってみない?"という話が出たので、これはいいチャンスだと思って始めました。

-"元○○の誰々がいるグループ"というのはたくさんありますけど、OGだけで結成されたグループは新しいですよね。だからこそ、みなさんにしかできない表現とか、伝えられないメッセージがきっとあると思うんですけど、この4人でやっていこうと決めたタイミングとかで、グループでこういうことを伝えたい、達成したいみたいな、そういう目標設定はあったんですか?

中西:再度やるからにはしっかりやりたいというのと、もともとのグループでいろんなステージに立ってきたんですけど、Youplusとして武道館とかの大きなステージでライヴをして、いろんなお客さんに観てもらいたい想いはありますね。

尾形:私は卒業コンサートを武道館でやらせてもらったんですけど、それってすごく幸せなことなんです。それで完結してしまったんですけど、フリーランスで生活していて、あの景色をまた見たいなと思ってしまうときがあって。アイドルとかじゃなく普通に生活している人も、生活があったりして夢を諦めないといけない瞬間とかってあるじゃないですか? でも、私たちが集まって、また新しい、もっと大きい夢を叶えることができたら、そういう人たちの背中を押せるんじゃないかなって。アイドルのセカンドキャリアだけじゃなくて、スポーツ選手とか、いろんな方のセカンドキャリアを支援できたらいいなと思っています。

-みなさんが所属していたそれぞれのグループでの活動は、よくわからない人からしたら"アイドル"という言葉でひとくくりにされてしまうと思うんですけど、少しでも知識のある人からしたら、グループのシーンが違うので、ほとんど別の世界だとわかると思うんですよ。そういうメンバーが集まったなかで、音楽活動をするうえでお互いにカルチャー・ショックみたいなものってありましたか?

尾形:ハロプロ(ハロー!プロジェクト)はお弁当の順番にルールがあったんですけど、前は先輩ばかりだったこともあって好きなものは選べなくて。香菜ちゃんも先輩だったんですけど、ため口でいいよってすごい優しくて、今は好きなものを食べられるっていう(笑)。

川後:(笑)私がもともといたグループは大人数だったので、プロデューサーがいて、リーダーが全部まとめて、決定したことを伝えられてこなす感じだったんです。Youplusだと人数が少ないのもあるけど、ひとりひとりが意見を出したりとか、直接プロデューサーやスタッフさんとも話したり、コミュニケーションが取れるんですよ。そういう意味では、できあがるものに自分たちの意志とか気持ちが強く反映されているのかなと思います。

-自分の意見がダイレクトに反映できる環境になったことに対して、逆に戸惑いはなかったですか?

林田:前のグループだと、言われたことをただこなすっていうのが本当に多かったので、このグループで私たちが言った意見も取り入れてくれるというのは、すごくシンプルに嬉しかったです。

尾形:私は、今まであんまりこだわりが多くなくて、自分の意思を出すことができていなかったんだなと感じました。どれがいいですか? どんなのがいいですか? って言われたときに、自分の意志を出すのってすごく大変なんだなぁと思って。

中西:私も同意見です。もともといたグループのときは髪型とか全部決めてくれていたので。"みんなで何かを考えてやりたいね"みたいな話をしていたけど、いざやめてみるとどうしようって、そこはちょっと戸惑いがありました。

-でも今はYouplusになったことで、歌って踊る以外だけでなく、表現者として総合的にアートをしているなと感じています。それに、今が一番自然体でやれているんだろうなと。

中西:うん。本当に自然です。

川後:自然体ですね。

林田:前のグループだとメイン・ヴォーカルが決まっていたんですよ。私はメイン・ヴォーカルではなくバラエティ担当だったんですけど(笑)、このグループはひとりひとりの歌声を大事にするグループで、ソロのパートが多いんです。そんなの前のグループだとありえない話なので、最初に披露するときとかはめちゃめちゃ緊張していました。だけど、ファンの方が、以前は観ることができなかった私を観られることをすごく喜んでくれて。でもプレッシャーはすごくあって......って、気持ちの動きが大きいです(笑)。

-(笑)でも、それが今ならではの楽しさというか、やりがいでもあるんじゃないですか?

林田:そうですね。楽しいです。

-そうしてYouplusとして活動をスタートして、昨年のデビュー作である1st EP『TO THE NIGHT OF THE COSMIC EXPRESS』は、"オリコンデイリー アルバムランキング"で18位という結果でした。川後さんは"オリコン"1位をYouplusの目標のひとつとして掲げていたと思うんですけど、スタートのタイミングでのこの数字をどう受け止めていましたか?

川後:初めてEPを出して、18位という数字をいただけるのはすごく嬉しかったですね。1位って言ってたので、数字は気になってたんですよ。でも、まだどんなグループかってまったくわからない状況の中でファンの人とかが購入してくださったのを思うと、すごく嬉しい数字だなって思いましたね。なので、そこから下がらないように上がっていかなきゃなっていうのを改めて思いました。

尾形:モーニング娘。には歴史があったので、私は完成されている中に加入している身だったんです。なので、再生回数とか順位とか、数字はあんまり気にしたことがなくて。そこまで気にしたことがなかったんですけど、今回はセカンドキャリアとして比べるものがすごく大きかったので気にはなっていました。それで、私たちが一緒に頑張って作り上げてきたものが、もともとのファンの方とかに届いた瞬間とかをTwitterとかで見て、すごく嬉しいなと思って。もっともっといろんな方に聴いていただいて、順位が上がっていけばいいなと思って、頑張っています。

-その1st EPのレコ発ライヴは、KT Zepp Yokohamaという大舞台でしたね。

尾形:めちゃくちゃ緊張してたよね? モーニング娘。のときは本当に歌を歌ったことがないくらいだったので、私の歌声は初めて聴くんじゃないかな? くらいの、本当に大プレッシャーで。卒業コンサートより緊張するレベルでした(笑)。だけど、Youplusのステージの客席って本当に温かくて、もともと全然違う場所でアイドルを推していたファンの方がみんな仲良くなってくれてたりして。そんなファンの方たちに囲まれながら楽しくライヴできました。終わったあとは達成感がありましたね。

中西:生バンドでライヴができるということで、やっていて新鮮な気持ちというか、すごく楽しかったです。楽曲がすべて大好きなので、早くみんなに観てもらいたいなっていう気持ちもありましたね。個人的な歌の面で言うと、もともとのグループで歌っていたときは、どういうふうに歌うかって迷いがあって、日によって歌い方が変わっちゃったりして納得できなくて、ちょっと後悔も残ったまま卒業していたんです。卒業ライヴでは、1週間前ぐらいに声が出なくなっちゃって思うように歌えなくて、正直思い残すことがありました。だからレコ発ライヴは、また歌を聴いてもらえる嬉しさがありましたね。もとのグループで応援してくださった方には成長した自分を見てもらいたいなと思って、そこはちょっと緊張したんですけど、またそういう機会を貰えることがありがたかったです。

-林田さんと川後さんはどうでしたか?

林田:レコ発ライヴは12月25日だったんですよ。クリスマスで。そんな特別な日を、私たちのためにみなさんが空けてくれたのがすごく嬉しかったです。私のアカペラからスタートだったので、本当に緊張して死にそうになったんですけど、"イェー!"とか"真尋ぉ!"みたいな声が入っている音声付きのペンライトがあって、それをみんながやってくれたら緊張が和らいで楽しかったです。生バンドについては、前のグループのときからいつかバンドでやりたいと思っていたんですけどできなかったんですね。今回バンドでできて、めっちゃ楽しかった。ドラムロールとか夢みたいで(笑)。

川後:ソロの歌割りを貰ったのが人生で初めてだったんです。ソロのパートがひと言もなかったのに、1行とかじゃなくて、全曲でソロのパートがある状態でのライヴだったので、すごく不安でした。それにプラスしてバンド形式だったので、いつも聴いている感じと聴こえ方が変わって、歌だけじゃなくてダンスのほうも不安でドキドキしていましたね。でも、実際にライヴが始まってみたらファンの人の目が温かすぎて、感動してキラキラした目とか、全員がそんな目で見てくれていたので安心してできました。

-緊張がありつつも手応えはあったんですね。EPは楽曲に幅の広さがありましたけど、Youplusの楽曲の方向性というのは、みなさんの意志がどれくらい入っているものですか?

和田:さり気なく意見を貰っていますね。それぞれの好きな音楽とか、この子はこういう曲を歌ったら合うだろうし、好きだろうなぁとか。

-日頃の会話から吸い上げているんですね。曲を聴いたときには、自分たちの好みが反映されていると実感しますか?

一同:はい。