Japanese
The Florist
2021年11月号掲載
Member:今村 寛之(Vo/Gt) 椎名 洋輔(Gt/Cho) 須長 英幸(Ba/Cho) 蛭間 孝充(Dr)
Interviewer:山口 智男
The Floristとして、すでに新たな道を歩き始めていたメンバーたちは、自分たちのルーツに回帰することを後退と考え、最初は二の足を踏んだのかもしれない。しかし、前アルバム『Blood Music』でシューゲイザー/ポスト・パンクに止まらない広がりを求めたThe Floristにとって、今一度、ルーツであるエモ/オルタナの要素を取り入れることは後退になるどころか、前作以上にバンドのユニークさを際立たせることに繋がった。5年5ヶ月ぶりにリリースする3rdアルバム『IN CVLT』が物語るのは、そんなストーリー。産みの苦しみは決して無駄ではなかった。
うちらについてきてくれれば間違いはない
-『IN CVLT』のリリースは5年5ヶ月ぶりと、アルバムとしては前作の『Blood Music』(2016年リリース)からかなり時間が空いてしまいましたね。
今村:レコーディングは昨年の夏だったから、頑張れば20年の末ぐらいには出せたと思うんですけど、コロナ禍の状況が見えなかったので、様子見で延ばしたところもあるんです。でも、それ以前になかなか曲作りが進まなかったんですよ。あと、蛭間君が怪我したこともあって、思いの外、時間が経ってしまいましたね。
蛭間:左腕を骨折しちゃって、半年、何もできなかったんです。半年後ようやくドラムを叩けるようになりましたけど、最初は思うように叩けなくて。19年の3月に骨折して、本格的にライヴに復帰したのが20年の1月。それからすぐコロナ禍になってしまって。
-評価を勝ち取ることをテーマに作った『Blood Music』は、そんなテーマに見合うとてもいい作品だったと思うのですが。
今村:そうですね。数字的なことはさておき、声優の斉藤壮馬さんから、アルバムの収録曲(「いさな」)のアレンジと演奏に参加してほしいと依頼が来たり、シューゲイザー・アイドルのRAYに楽曲を提供したり、広がりもあって、いい作品を出せばそういうことも起きるんだって改めて思えたんですよ。
-だからこそ、なぜ曲作りが進まなかったのかちょっと不思議なんです。
椎名:正直、僕がスランプだったんです。曲作りは結構早い段階から着手していたんですよ。20年12月に先行配信した「Nocturne」が最初に作り始めた曲で、今村さんが原案を持ってきた時点でもう骨格はあって、すぐに全体像もできたんですけど、そこに自分がウワモノを乗せていくときに何をやってもかっこいいと思えない時期があって、それが結構長かったんです。そこで引っ張っちゃったのかな。
-それが何かをきっかけに変わっていったんですか?
椎名:根性論じゃないですけど、期限を決めちゃって自分を追い込みながら、やるしかねぇってケツに火をつけて。逆に、そういう環境になったら雑念が振り払われたというか、手を動かしているうちに、いい方向に向かい始めた感じはありました。
-その「Nocturne」は『IN CVLT』の中でも特に印象の強い曲です。キャッチーでもあるし、これまでとはちょっと違うことにも挑戦しているし、新作を作るうえで突破口になった曲なのかなと想像したのですが、完成させるまでに時間がかかったとはいえ、「Nocturne」を作ったときには新たな方向性が見えていたということですよね?
今村:そうですね。オルタナティヴな感じを出したかったんです。要素としては前からありましたけど、よりそっちに進みたいと思ったんですよ。「Nocturne」以外にもネタはいろいろあったんですけど、なかなか完成までたどり着けなくて。その中で「Nocturne」だけ完成まで持っていけたのは、オルタナティヴでもあるしAORのノリもあるしって、はっきりとしたイメージがあったからだと思うんですけど、他の曲は、ただ"激しい曲をやりたい"みたいな漠然としたイメージしかなかったんです。だから、椎名君だけがスランプだったわけでもないんですよ。
椎名:さじ加減が難しかったのかな。オルタナっぽい激しい曲って、単純にそれだけならすぐにできると思うんですけど、それをやって、なおかつThe Floristらしさとか、これまで背負ってきたイメージとか、そことうまくブレンドしないと、我々がやる意味がない。そのさじ加減というか、ゴールをどこに置くかが難しかったんです。
-今回の方向性のひとつだったオルタナは、どんなところから出てきたものなのですか?
今村:単純に自分たちがそのとき聴いていた音楽で、いいなと思ったのがそのへんだったんです。オルタナっぽいけど、メロディもいいバンドが海外のインディー・シーンから結構出てきていて、いいなと思っていたから、自分たちもやりたいみたいな。ほんと音楽ファンの延長のような発想ですよ。あとはエモやハードコア出身のバンドが洗練されて、ちょっとシューゲイザーっぽくなったり、オルタナっぽくなったりする感じって多いじゃないですか。自分たちの考え方もそこに近いのかなって思ったところもあります。"やっぱり、そうだよな"って思えたという意味で、それが自分たちにとって道しるべのひとつになったんですよ。
椎名:"次の昨品は「ゲイズコア」だ"みたいなことを言ってましたね。
今村:"ゲイズコア"とか、"ニュー・ゲイズ"とかってニッチなところで流行っているシーンだと思うんですけど。そういうことを意識し始めてから、ヴィジョン的に明確になって、1曲目の「Enemy」とか、4曲目の「Wide Eyes」とか、それまでのThe Floristにはない勢いのある曲ができて、バランスが取れ始めた気がします。
椎名:我々がルーツとして持っているエモ的なところって、それまではあえて出していなかったんですよ。"ここまでは出すけど、そこから先は1回抑えよう"みたいにセーブしていたところを、その2曲で1回取っ払ってやってみたことが、"ここまでやっていい"という物差しになった感じはありました。
-その2曲をきっかけに曲がどんどんできていった、と。
今村:そうですね。"こういう曲も必要かな"とか、"ミドル・テンポの曲があってもいいかな"とか、そんなふうにいろいろな曲ができました。
椎名:今までよりも各ベクトルに振り切った感じはありますね。激しいものは、より激しく、メロウなものは、よりメロウに。そういう印象があります。
-そんな『IN CVLT』、改めてどんなアルバムになったという手応えがありますか?
今村:"IN CVLT"ってタイトルを考えたのは須長君なんですよ。
須長:カルトという言葉には悪しき集団みたいな意味があって、あまりいいイメージはないんですけど、それ以外に崇拝とか熱狂とかという意味もあるので、うちらについてきてくれれば間違いはないですよという思いを込めて、"IN CVLT"と付けました。それぐらい自信がある作品なんです。多くの人に聴いてほしいですね。
自分が聴きたいものを一切媚びずに全力で込めました
-3人はどんな手応えがありますか?
今村:"IN CVLT"っぽいと思います(笑)。"IN CVLT"と聞いたとき、しっくりきたんですよ。このアルバムを作っていたときの僕らのマインドやフェーズは、これでしたって作品だと思います。
-前作もそうでしたけど、そんなふうに作った作品が"わかる人だけわかればいい"というひとりよがりのものにならず、多くの人が聴いても楽しめるような、オープン・マインドな作品になっているところが『IN CVLT』の魅力だと思います。
今村:だから、普通だったらめちゃめちゃ刺さると思うんですよ(笑)。
-蛭間さんはいかがですか?
蛭間:前作はまだ加入したばかりで、よく立ち位置がわからないままレコーディングしていたんですけど、今回は最初からThe Floristのメンバーなんだという自覚のもと、参加しているので、個人的には今回のほうが思い入れもあるし、前回よりもいいものができたと思います。
-椎名さんは?
椎名:自分が聴きたいものを一切媚びずに全力で込めました。いろいろ産みの苦しみはありましたけど、それもあったからなのか、いいものができたと思います。前回のインタビュー(※2016年7月号掲載)で、"ピッチシフターを使っているんで、そこを聴いてください"みたいなことを言ったんですけど、今回、ピッチシフターを封印したんです。同じことをやっていたら同じものしかできないし、超えられないと思ったからなんですけど、それもあって苦しんだということを今思い出して。でも、封印したからこそ、違うアプローチも出てきたので、そこは作品としても、バンドとしても広がりに繋がったと思います。
-今回、ギターの音色が太くなるとともに、さらにメロディアスになった印象がありましたが。
椎名:あ、そうですか。あんまり自覚してないです。
今村:いや、ギターのフレーズ感はすごくあるよ。サビでも歌のバックで印象的なフレーズが結構鳴っているんです。例えば、5曲目の「The Distance」のサビは歌メロもギターのメロディもどっちもいい。なんだったらギターのほうがいいぐらいのことは意識していて。海外のバンドでも、歌のメロディはめちゃめちゃシンプルだけど、ギターは印象的なフレーズが鳴っているアプローチがあって、そういうのは今回、結構入れているんです。だから、イメージはちょっと変わっているかもしれない。
LIVE INFO
- 2025.10.24
-
LUCKY TAPES
ExWHYZ
RADWIMPS
amazarashi
YOASOBI
YONA YONA WEEKENDERS
TenTwenty
THE BACK HORN
DYGL
アイナ・ジ・エンド
すなお
ポルカドットスティングレイ
OKAMOTO'S
藤巻亮太
キタニタツヤ
FIVE NEW OLD / 浪漫革命 / MONONOKE(O.A.)
WHISPER OUT LOUD
Cody・Lee(李)
BIGMAMA
僕には通じない
NOMELON NOLEMON
PEDRO
アーバンギャルド
- 2025.10.25
-
フラワーカンパニーズ
秋山黄色
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
コレサワ
超☆社会的サンダル
eastern youth
打首獄門同好会 / ガガガSP / 片平里菜 / AMEFURASSHI ほか
chilldspot
TOKYOてふてふ
brainchild's
フレデリック
LACCO TOWER
YOASOBI
森 翼
Appare!
Rei
Age Factory
DeNeel
osage
優里
Lucky Kilimanjaro
KANA-BOON
ASH DA HERO
the paddles
シド
cinema staff
SUPER BEAVER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
bokula.
橋本 薫(Helsinki Lambda Club)
toe
ザ・ダービーズ
山内総一郎
INORAN
藤巻亮太
Omoinotake
OASIS
- 2025.10.26
-
フラワーカンパニーズ
DOES
センチミリメンタル
THE BACK HORN
Lucky Kilimanjaro
東京スカパラダイスオーケストラ
崎山蒼志
PIGGS
KANA-BOON
eastern youth
渡會将士
森 翼
超能力戦士ドリアン
優里
bokula.
モーモールルギャバン×ザ・シスターズハイ
オレンジスパイニクラブ
Appare!
ポルカドットスティングレイ
Age Factory
古墳シスターズ
Cody・Lee(李)
DeNeel
Mrs. GREEN APPLE
osage
阿部真央
moon drop
jizue
DYGL
INORAN
OASIS
ACIDMAN
9mm Parabellum Bullet
I Don't Like Mondays.
- 2025.10.27
-
YOASOBI
錯乱前戦
Damiano David(MÅNESKIN)
- 2025.10.28
-
終活クラブ
SIX LOUNGE
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
吉澤嘉代子
藤巻亮太
超能力戦士ドリアン
サニーデイ・サービス × NOT WONK
リュックと添い寝ごはん
- 2025.10.29
-
吉澤嘉代子
Damiano David(MÅNESKIN)
amazarashi
キュウソネコカミ
moon drop
怒髪天
- 2025.10.30
-
超☆社会的サンダル
LONGMAN
YOASOBI
凛として時雨
夜の本気ダンス
キュウソネコカミ
SIX LOUNGE
打首獄門同好会
Nikoん × Apes
挫・人間
- 2025.10.31
-
すなお
ExWHYZ
吉澤嘉代子
東京スカパラダイスオーケストラ
LONGMAN
YOASOBI
ガガガSP
フリージアン
FINLANDS
Newspeak
夜の本気ダンス
go!go!vanillas
超能力戦士ドリアン
インナージャーニー
岸田教団&THE明星ロケッツ
ポップしなないで
RAY
アイナ・ジ・エンド
- 2025.11.01
-
東京スカパラダイスオーケストラ
怒髪天
PIGGS
超☆社会的サンダル
ポルカドットスティングレイ
MONOEYES
シド
LACCO TOWER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
LiSA
Omoinotake
"ボロフェスタ2025"
ドミコ
TOKYOてふてふ
Dannie May
SIX LOUNGE
hockrockb
go!go!vanillas
osage
RADWIMPS
The Biscats
brainchild's
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
chilldspot
moon drop
インナージャーニー
KANA-BOON
AFTER SQUALL
松永天馬(アーバンギャルド)
NANIMONO
愛美
CYNHN
DeNeel
kobore
the cabs
離婚伝説
[Alexandros] / WANIMA / UNISON SQUARE GARDEN / くるり ほか
- 2025.11.02
-
osage
OKAMOTO'S
PIGGS
HEP BURN
秋山黄色
吉澤嘉代子
MONOEYES
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
離婚伝説
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
"ボロフェスタ2025"
KING BROTHERS
wacci
Laura day romance
PIXIES
Devil ANTHEM.
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
Dannie May
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
キタニタツヤ
moon drop
KANA-BOON
AIRFLIP
ハンブレッダーズ×秀吉×囲碁将棋
羊文学 / sumika / クリープハイプ / マルシィ ほか
私立恵比寿中学
The Biscats
WtB
:[Alexandros] / 10-FEET / go!go!vanillas / マカロニえんぴつ ほか
bokula.
- 2025.11.03
-
irienchy × no more
NANIMONO
秋山黄色
フレデリック
怒髪天
OKAMOTO'S
東京スカパラダイスオーケストラ
Devil ANTHEM.
ポルカドットスティングレイ
セックスマシーン!!
キタニタツヤ
シド
LiSA
"ボロフェスタ2025"
yama
キュウソネコカミ
愛美
brainchild's
藤巻亮太
AIRFLIP
私立恵比寿中学
Bye-Bye-Handの方程式
moon drop
SCOOBIE DO
the telephones
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
THE BACK HORN
凛として時雨
Age Factory
hockrockb
LACCO TOWER
阿部真央
- 2025.11.06
-
RADWIMPS
古墳シスターズ
ねぐせ。
超能力戦士ドリアン
吉澤嘉代子
TENDOUJI
東京スカパラダイスオーケストラ
THE SPELLBOUND
LEGO BIG MORL
LONGMAN
キュウソネコカミ
フィロソフィーのダンス
夜の本気ダンス
GLIM SPANKY / 神はサイコロを振らない / レトロリロン
礼賛
ブランデー戦記
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
RELEASE INFO
- 2025.10.24
- 2025.10.25
- 2025.10.26
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号










