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INTERVIEW

Japanese

FES☆TIVE

2021年11月号掲載

FES☆TIVE

Member:青葉 ひなり 八木 ひなた

Interviewer:宮﨑 大樹

-続いて個性豊かなカップリングについても聞いていきます。「カンフーミラクル~愛~」は、中華風のダンス・ロックとでも言えそうな曲ですね。

八木:今回の新衣装に似合う曲です。

青葉:アーティスト写真がこの曲のジャケットなんじゃないかと思うくらい(笑)。

八木:ね! 思うよね! メンバーの声になってからデモと印象が変わったなぁと思う曲です。デモもいいと思っていたんですけど、メンバーの声が入ってからより曲の良さが出ていて。7曲の中でメンバーの個性が一番出ている曲だと思うんです。歌詞を見ればわかるんですけど、"あちょおおお!"とか"ほわちゃあああ!"とか、カンフーぽい歌詞になっていて、そこでもメンバーの個性が出ています。ライヴではファンの方に楽しんでもらえる曲だと思いますね。

-バカになって楽しめそうです。

八木:本当に。振付も入ったんですけど、夏フェスで爆上がりする予感がしています。絶対にファンの方が好きな振付、好きな曲だと思うので、これは来年の夏フェスに期待ですね。

-言える範囲だと、どんな振付なんですか?

青葉:テーマは、キョンシーです(笑)!

八木:FES☆TIVEって横移動の振付が話題になったじゃないですか? 今回も一体感が出るような振付で、上手に行ったり下手に行ったり移動があるので、中毒性があるし、ファンの方が真似したら絶対楽しいなって。振り入れの段階でメンバーも超楽しんでいたので、ファンの方にも真似して楽しんでもらいたいです。

青葉:私は、いつも楽曲を提供してくださってる方たちの中でもIMAKISASAさんの曲が特に好みなんです。「OIDEMASE!! ~極楽~」(2017年リリースのメジャー6thシングル表題曲)だったり「大和撫子サンライズ」(2018年リリースのメジャー7thシングル表題曲)だったり、夏フェスで人気な曲を作ってくださってるのが、このIMAKISASAさんで。今回も期待していたんですけど、IMAKISASAさんらしく、お客さんがノりやすい、楽しみやすい曲だというのが第一印象でした。今回のシングルは全部一気に配信されたんですけど、そんな中でも「カンフーミラクル~愛~」が好きと書いている方が多くて、"おぉ~!"と思いました。今回の曲を作ってもらうにあたって、プロデューサーさんとかが"IMAKISASAさんの自由にやってください"と話していたみたいで、縛りとかなく全力でふざけた楽曲を作ってもらったんです。たしかにIMAKISASAさんの中でもすごくぶっ飛んだ歌詞の曲で、この曲はライヴでも人気が出るんだろうなと思っています。

-「新・奇天烈物語」、「カンフーミラクル~愛~」がFES☆TIVEらしい曲だとしたら、もう2曲のカップリングは新しいFES☆TIVEを見せていますね。「YURARI」はピアノ・ロックな一面もあって、FES☆TIVEのカッコいい部分に特化した曲だなと。

八木:「YURARI」はメンバーの中で一番人気かもしれません。FES☆TIVEにはないような曲調だったり歌詞だったり、すごく好きです。歌詞を見ると、高校生のカップルが自転車を引いて歩く、ポカリスエットのCMみたいな青春感を妄想していました。この曲も MV を撮らせていただいて、黒いワンピースでカッコいい感じの映像になっています。シングルが出るときはよく"新たなFES☆TIVEが見られます"と言っているんですけど、「YURARI」こそ本当にまた新しいFES☆TIVEが見せられる曲なんじゃないかなと思っていますね。

-たしかに黒い衣装って今までにないですよね。

青葉:メンバー・カラーが入っていないことがほぼないんです。

八木:完成したものを観たんですけど、感動しました。新しいFES☆TIVEを観てもらいたいですね。

-曲調にもメロディにも切なさがある曲を歌うにあたって、レコーディングで意識的に行ったこととか、記憶に残ってるエピソードはありますか?

青葉:私の声には特徴があるので、レコーディングしてくださる方は"それを出したほうがいいよ"といつも言ってくださるんですけど、今回はそれをどうにか押し殺したくて(笑)。曲の流れに沿って溶け込むような声で歌いたかったので、そこはすごく意識して頑張ったつもりです。ちょっとは特徴が出ちゃっているんですけど、「YURARI」については個性溢れるというより、みんなで一体感のある曲を作りたいなと思って。

八木:ひなりちゃんのファンの方は、ひなりちゃんのそういう一面を見ることができて嬉しいんじゃないかなと思います。"掴んでいたい"とか、カッコいいんですよ。

-そして「トライアングル」はEDM調の恋愛ソングです。青葉さんは"個人的に今回の収録曲の中で1番好き"、"FES☆TIVEの過去曲の中でも1番くらいに好きかも"とSNSで投稿していましたよね。

青葉:本当に好きなんです。私はEDM調の曲が好きで、過去曲だったら「ナデシコシンパシー」(2019年1月リリースのメジャー8thシングル『ゆらゆらゆらり恋心』TypeB収録)という曲があるんですけど、そういう聴いていて踊りたくなるような曲が好きなんですよ。「トライアングル」は、最初に聴いたときから勝手に自分の中で振付が浮かぶ、身体がノってしまう楽曲で。しかもそういう曲調なのに歌詞がかわいいいんです。FES☆TIVEの"THEかわいい"みたいな曲は「夏色とりどリボン」(2016年リリースの1stアルバム『ワッショイレコード』収録)という曲以降はほとんどなかったんですね。アイドルになりたいというのは、ストレートなかわいい恋の歌も歌いたいところもあると思うんですけど(笑)、だからこそバックの音がカッコ良くて歌詞はかわいいというのは、自分の理想というか。かわいいだけのアイドルをやりたいわけじゃないけど、かわいいアイドルっぽいのにバキバキに踊ったりするのが一番好きな系統なので、この曲は本当にどストライクでした。

-この曲、女の子の三角関係の歌なんですか?

八木:そういう曲だと聞きました。もともと女子高出身なので、女の子同士の恋を見てきたんですよ。途中で邪魔者が表れて――みたいな話もあったので、「トライアングル」のデモを聴いて歌詞を読んだときに、高校のことを思い出しましたね。

青葉:女の子同士だからかなと思うんですけど、喋り口調みたいなラフな言葉が多くて、自分に馴染みやすいし、なんか"禁断っていいな"と思いました(笑)。言葉では説明しづらいんですけど、この曲を歌ってるときは個人的に"禁断感"を出しています。

八木:あと、"だいじょうぶそ?"という歌詞があるんですけど、私は口癖が"だいじょうぶそ?"なので、まだ歌割が決まっていないときから"ここ絶対に八木でしょ"みたいな感じで言われていたんですよ。案の定、歌割は私で、レコーディングは"普段通りに言ってみて"と言われて一発録りでOKになりました(笑)。そこも注目してほしいです。

-青葉さんは"なんで泣いてるの?"というセリフを言っていますね。

八木:それも口癖?

青葉:私は泣くことが多いので、逆に聞かれる側ですね(笑)。だからちょっと言いづらかったです(笑)。

-再録曲についても聞かせてください。再録については前作『人類!WE ARE ONENESS!』から始まりましたよね。今回の再録曲は、ただの再録じゃなくて、新たに生まれ変わった印象でした。特に「大江戸爆裂花火姫 2021」は全体的にバンドっぽくなって、音も歌も良くなりました。

八木:そうですよね。かなり変わってカッコ良くなっています。

青葉:この曲が最初にできたときは5~6曲まとめていただいて、レコーディングを一気にやって、どんどんお披露目していったんですよ。そのときに貰った曲の中でも最初にいいなと思ったのがこの「大江戸爆裂花火姫」でした。一時期は体制が変わってライヴであまりやらない時期もあったんですけど、復活させてからすごく人気が高いんです。そんななかで再録ということになって、バックの音もバージョン・アップして、メンバーの中でも"一番好きになった"みたいなことを言っていたり、お客さんも"やっぱりこの曲はいいな"と言ってくれたりすることも多くて。世界観がある曲が好きなんですけど、「大江戸爆裂花火姫」も禁断系なんですよ。私は禁断系が好きなのかもしれないんですけど(笑)、武士にバレないように好きな人に会いに行くとか、城を抜け出すみたいな禁断系の曲をやるときは、私なりの禁断系の雰囲気を醸し出しているので、そこに注目していただきたいです。それと、今回はギターの音がたくさん入っていて、そこがカッコ良くて聴きどころなので、過去の「大江戸爆裂花火姫」と、新しくなった「大江戸爆裂花火姫 2021」を聴き比べていただきたいですね。

-「ドンドコ祭リズム-燃え上がれタイコちゃん -2021」への思い入れや、再録の聴きどころについてはいかがですか?

八木:前のグループで初めてFES☆TIVEと対バンをしたときの1曲目が「タイコちゃん(ドンドコ祭りズム -燃え上がれタイコちゃん-)」だったんですよ。なので、やっぱり印象が強くて。私が加入してから「タイコちゃん」をやる機会はあんまりなかったんですけど、ファンの方の中でも人気が高くて、昔からいるファンの方はみんな"「タイコちゃん」が好き"と言っているんです。あと、台湾でFES☆TIVEと一緒になったときにもやっていて、それを観て海外ウケするような曲だと思いました。再録では、今まで私が観てきた「タイコちゃん」を自分なりにどう魅せられるのかを意識してレコーディングをしましたね。

-最近はライヴでやる機会が減っていますよね。

青葉:体制が変わると最近の曲からその体制でできる曲を増やすので、初期の曲の「タイコちゃん」までなかなか辿り着かないことが多いんですよね。やりたい気持ちはあるんですけど......。

-再録を機にまたライヴでやることが増えたらいいですね。では「ゴートゥーフェス☆ 2021」についてはどうですか?

八木:個人的に本当に大好きな曲で。FES☆TIVEの中でも上位3番目くらいに入るくらい好きなんです。ファンの方と一体感があるのはもちろんなんですけど、とにかく歌っていて踊っていて本当に楽しい曲で。だから今回再録することが決まって一番嬉しかったのは「ゴートゥーフェス☆ 2021」だったんですけど、普段はライヴのアゲアゲなテンションで歌っているので、レコーディングで落ち着いて歌うと難しかったです。でも、完成版を聴いてみたら前とは違う良さが出ていました。とにかく楽しいです、この楽曲は。

-初期メンバーの青葉さんは、今回の再録のレコーディングをどんな気持ちで臨んでいましたか?

青葉:前のバージョンの自分の歌割と今の自分の歌割はほとんど変わりがないので、ファンの方に違いをどう見せるのかということを意識していました。新しく入ったメンバーの歌とかは再録するだけで面白みがあると思うんですけど、私が同じように歌ったところで前と変わらないじゃないですか? だから今回は成長を見せたくて、昔はもっとやんちゃな感じの歌い方だったので、大人っぽく歌ってみました。自分のファンの方には、旧バージョンと新バージョンの歌い方の違いや成長を感じてほしいなと思っています。

-八木さんは、そんな青葉さんの再録バージョンを聴いてどうでした?

八木:レコーディング終わりに"大人っぽく頑張った"って強調しながらメンバーに自慢していて(笑)、だから完成を楽しみにしてたんですよ。そうしたら、ひなりちゃんの良さも出つつ、旧音源よりカッコいいというか、たしかに大人っぽいと印象を受けました。

青葉:バカっぽさが減ったでしょ(笑)?

八木:たしかに(笑)。でもそれが良さでもあるので、全部は抜けていなかったのが良かったと思います。いきなりバカっぽさが全部なくなっちゃったら悲しくなっちゃうので(笑)。

-(笑)さて、そんなニュー・シングルを引っ提げて、11月4日から"FES☆TIVE全国ツアー2021秋冬【日本全国奇天烈物語】"がスタートします。

青葉:今回は13ヶ所、今までのツアーの中でも公演が多い全国ツアーです。海外も含めて今までいろんなところに行ってきたんですけど、今回は初めて行く場所もあるので、新しくFES☆TIVEを知ってもらえる機会になったらいいなと思います。新体制でのツアーでもあるので、5人のFES☆TIVEも最強だということを見せていきたいです。

八木:東京でのワンマン・ライヴは地方からファンの方が駆けつけてくれるんですけど、今度の全国ツアーは私たちが逆に会いに行ける機会なので、ファンの方に恩返しをしたいです。地方にいるファンの方はもちろん、自分の住んでいる地域だから新しく行ってみようという方も多くいると思うので、"今のFES☆TIVEもすごいんだぞ! いいんだぞ!"と伝えつつ、5人で成長してツアー・ファイナルまで駆け抜けていけるように頑張っていきます!