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INTERVIEW

Japanese

Leo-Wonder

Leo-Wonder

Member:anne nene rin

Interviewer:宮﨑 大樹

amiinAを手掛けたことで知られる齊藤州一がプロデュースするガールズ・ユニット、Leo-Wonder。昨年2020年に、anne、nene、rinの新たな3人体制で始動した第2期Leo-Wonderが、新体制初シングル『journey』をリリースした。空想委員会の岡田典之が第1期から引き続きすべての楽曲を手掛け、ギターには同じく空想委員会の佐々木直也らが参加した本作では、バンドのグルーヴと、3人の爆発する個性が見事に融合を果たしている。彼女たちへ音楽メディアでの初インタビューを実施した。

-みなさんは、新グループでもなく、既存グループへの加入でもなく、第2期Leo-Wonderとして新たに活動することについてどう思ってました?

nene:第1期から音楽は引き継ぐけど、新しいものをやる考えでいました。

rin:一緒ですね。これから始めるとして、第1期のふたりを知ってる人からどう見られるんだろうかとは思っていたんですけど、そういうことを気にしてもなと思って。

anne:私も、"3人で新しいことを始めるぞ"と思っていました。

-緊急事態宣言真っ只中で、オンラインでの発表だったから、始動した直後は周りからの反応が見えづらかったんじゃないですか? ライヴも、人を入れられる状況ではなかったですし。

nene:初ライヴまでずーっとTwitterでの配信だけで(笑)。

rin:そう! ネットでしか活動できていなかったので"こいつら実在してるのか!?"みたいな感じでしたね(笑)。

anne:私はアイドル・ファンの人がどんな人なのかも知らないまま、オンライン上ですべてが始まったので、不思議な感じではありました。

-anneさんは、アイドル活動自体が初めてですからね。そもそもanneさんは、どうしてLeo-Wonderのオーディションを受けようと思ったんですか?

anne:ミュージカル繋がりの友達のお母さんを経由して、たまたまLeo-Wonderのオーディションを知りました。実はその友達は、最近ヤなことそっとミュートさんの新メンバーになったんです。彩華ちゃんという子で、めちゃくちゃ仲良くて、今も支え合ってます(笑)。ミュージカルをやってきていたんですけど、最近のミュージカル作品ってジャンルの幅が広いんですよ。もちろん"オペラ座の怪人"みたいなクラシック寄りの作品もあるけど、J-POPみたいな曲がいっぱい出てくるミュージカルもあるし、いろんなアイドルとかアーティストがミュージカルに出ることも多くて。だから、私はクラシックだけじゃなく、ポップスも歌えるようになりたかったんです。とにかくいろんなことに挑戦することが今後にも役立つと思うし、挑戦してみたい気持ちもあって。アイドルのことは詳しくなかったんですけど、Leo-Wonderの「アルゴリズム」(2019年ライヴハウス/配信限定リリースの第1期Leo-Wonderの1stシングル表題曲)を聴いて、めちゃくちゃいい曲だと思って、やってみたくなったんですよね。"この曲は私が歌いたい!"と感じたので、応募してみました。

-neneさんは以前からソロでも活動していますが、どういう経緯で加入することになったんですか?

nene:"そのうちやる音"名義での活動でCDをリリースしていたレーベルが、amiinA(※Leo-Wonderのプロデューサーである齊藤州一がプロデュースしていたユニット)さんと一緒だったので、amiinAさんのライヴはよく観させていただいていて。そのうちやる音より前、芸能のスタートがアイドルだったので、"グループっていいなぁ"とか"歌って踊るの楽しそうだなぁ"という気持ちが膨らんでいたんです。だけど具体的な考えはなくて、アイドルは憧れの存在のままなのかなというときに、齊藤さんからお話があったので"ぜひ!"って、すぐ飛び込みました。あと、次にアイドルをやるならこういうのがやりたいというイメージがなんとなくあって。私はバンドが好きだったので、アイドルに入るというより、空想委員会の岡田典之(Ba)さんが曲を作るLeo-Wonderに入りたかったんだなと、今思いました。バンド・サウンドで、バンド編成でライヴができるアイドルになれているので、とても嬉しいです。

-rinさんもソロ活動をしていますよね。

rin:私の場合は、もともと別のグループに入るために上京したんですけど、その活動が休止になったので脱退して。それからフリーで、ソロでやっていました。地元の金沢とか、名古屋とかで、自分のツテがある人たちに対バン・ライヴに呼んでもらってたりして、本当にひとりで全部やっていたんです。でも"来年はもう音楽をやりたくないな"と思って、自分が作ったものをアルバムか何かで形にして、それで音楽自体をやめようと考えていました。その時期に、ツテがあった金沢の人から繋げていただいたのが今のマネージャーで。そこからLeo-Wonderの話や、空想委員会というバンドの方が曲を作ってることを知って、話だけ聞いてみようかなと。その2~3日後に齊藤さんとマネージャーに会ったら、齊藤さんに対して"この人、いろんな意味でやべぇな"と思って(笑)。amiinAさんも名前だけは聞いたことがあって、作るものがすごいし、言ってることもぶっ飛んでいてすごい。ここでなら最後に音楽をやってもいいかなと思って、Leo-Wonderに入りました。

-neneさんとrinさんに声を掛けて、オーディションでanneさんを合格にした、その決め手はなんだったんでしょうね。

nene:気になる。

マネージャー:neneに関しては、スタッフみんなが合うんじゃないかという話になった感じです。

nene:やったー! 嬉しいー!

マネージャー:rinは、僕がLeo-Wonderのマネージャーになる前に会ったときから、すごく真面目な子だなという印象で。なので、1回会って話してみようと思ったんですよね。あと、齊藤さんは歌を気にするので、ソロのライヴを観に行ったときに、いけるんじゃないかというので、齊藤さんにも推しました。で、anneは、学校で舞台とかミュージカルをやっていたので、齊藤さんが"いける"というところでした。

-みなさんそれぞれのフィールドで活躍しているなかで加入したわけですが、Leo-Wonderでどんな役割を期待されていたと思いますか?

nene:最初から特に何かあったわけではないけど、最近、私たちってすごくポップだなと気づいて。いろんなアイドルさんと楽屋が一緒になると、私たちはすごく元気で、ずっと笑ってるし、ずっと喋ってるんですね。他のアイドルさんに裏があるわけじゃないんですけど、私たち、本当にそのままやってるというか。

rin:楽屋のテンションのままライヴして、そのまま特典会みたいな。

nene:そこが3人共通でひとつの魅力だと思います。

-では、このメンバー構成ならではの強みやパフォーマンスの特徴は、どういうところにあると思いますか?

anne:踊り方が基本的に違うよね、3人とも。

rin:やってきたものも、辿ってきたものも違うので。anneはバレエとかミュージカルをやってきたから"こういうふうに見せたいし、自分はこうでありたいからこうします"とか、そういうものがちゃんとあるんです。私はどちらかというと力強いものになっています。neneは......neneだな(笑)。本当に三者三様です。最近は動画を観ながら少しずつ直していったり、合わせていったりもしていますね。

-個性を生かしつつ、合わせるところは合わすようになったということですか?

anne:最近、齊藤さんから"anneはこうしたいというのはあるけど、それが伝わってない"と言われて。だから思ってることをふたりに伝えようと思って、共有するようになったんです。ライヴでも、3人それぞれの踊り方とかを意識するようになって......わかり合えたのかな(笑)?

nene:これは結構最近の話なんですよ。4月のバンド編成でのライヴ([Leo-Wonder presents Full band 2MAN LIVE "Hybrid order"])が、自分たちの大きな転機になっていて。そこへ向かうときとか、乗り越えたときに、私たちがひとつにまとまってきました。

rin:お互いに言いたいことはあったけど、そんなに言ってこなかったんだよね。"この人はこうだから"とか思っていたけど、最近は本音で話せるようになったと思います。

anne:だからポップって言われるのかな?

rin:うん。よく喋るようになったから、ポップって言われるんだな。

-そうして、ひと皮むけたLeo-Wonderが完成させたシングルが『journey』ということですね。第2期の初作品に相応しいスタート・ダッシュ感のあるシングルですが、まずは完成させた今の気持ちから聞かせてください。

anne:嬉しいです。自分の声が音源になるって、人生で初めてのことで。レコーディングした歌が、エンジニアさんの力ですごくカッコいいものになっていて感動しました。

rin:デモをいただいて、いいなと思ってからリリースまでがすごく長かったので"やっとか!"という感じもあります。みんなに、いろんなところに発信できるもの。"これがLeo-Wonderです"って出せる名刺みたいなものができたなって。なのでめちゃくちゃ嬉しいです。

nene:私たちが2期としてライヴ活動をして、ファンの方が"Leo-Wonder"で検索すると、私たちじゃなくて1期のミュージック・ビデオだったり、音楽だったりが出てくるんですね。それを観て来てくれる方もいるので、どっちかがどっちみたいな言い方はあんまりしてほしくないから、"どっちもいいね"と思われたいんですけど、2期のミュージック・ビデオや音源が出ることは、本当に"お待たせしました!"って感じです。

-Leo-Wonderの曲の世界観について、みなさんはどう感じていますか?

nene:「journey」と「world dive」の2曲は、2期になってからの曲なので、特に私たちの個性が色濃く出ていて。歌詞もそうだし、踊りもそうだし、個々が照らされるような曲になっています。

rin:たしかに。2期が始まってから作られた曲に関しては、「journey」と「world dive」以外も、共通してメンバーそれぞれに合った歌詞ですね。齊藤さんが普段の私たちを見て"この子にはこういうことがあったから、こういう歌"とかを考えて作ってくださっていて。

nene:だから、世界観はもちろん伝えるけど、自分の人生で感じてきたものをそのまま出す感覚があります。あまり作りすぎていないというか、そのままの気持ちで歌えていますね。

-齊藤さんが3人をイメージして歌詞を書いているんですね。

齊藤:そうですね。当て書きしかしないです。anneはこういうふうに思っていくだろうなとか、rinが思ってること、neneが思ってることを代筆していって、シンクロするところがあればいいなと。曲もそうですね。3人になるのがわかったうえで新しい曲を作っているので、誰でもいいわけではないです。

-あくまで個人的な印象なんですけど、ちょっと不思議でファンタジーっぽさがあって、さらにみなさんの雰囲気も加わって、"東洋版 不思議の国のアリス"みたいな世界観を感じたんです。

齊藤:おー! ちょっとアジア寄りのイメージはあります。異国っぽいというか、北欧とかの感じではなくて。アジアで通用しそうな匂いがするというか。

-そうですね、アジアからロシアくらいまで。

齊藤:そう! ロシアくらいまで! そのニュアンス、曲から伝わるといいなぁ。

rin:そうなんだ(笑)。

-再録された「アルゴリズム」と比べると、「journey」と「world dive」は、ギター・ロック色が強くなりましたよね。岡田さんが「アルゴリズム」も作ってますけど、岡田さんに加えて佐々木(直也/空想委員会/Gt)さんも参加したことで、ロック・バンド感がより増したなと思いました。

anne:私たち3人から始まった曲がカッコいい感じの曲なので、"3人で行くぞ"という気持ちの表れなのかな。新しくここから始まるみたいな、やっていこうみたいな感じではあるのかなと思います。"ガンガンやっていこうぜ!"みたいな。

rin:そうだね。あと、「アルゴリズム」も「journey」も「world dive」も、全然違うものにはなっているので、いろんなLeo-Wonderを知ってもらえるものなのかなと思います。

nene:ダンスのフォーメーションの話になるんですけど、「アルゴリズム」はanneが真ん中でスタートして、「world dive」は"きっとこれがレオワールド"と言ってるときにrinが真ん中で終わって、「journey」の最初と最後のサビは私から始まっているんです。各曲を担当してるわけじゃないですけど、この3曲が選ばれたのがすごく嬉しいのと、私たちだからできる曲だとは感じています。当て書きというのも、そういうことかなぁと思いますね。