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INTERVIEW

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Bye-Bye-Handの方程式

Bye-Bye-Handの方程式

Bye-Bye-Handの方程式

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メンバー:汐田 泰輝(Vo/Gt) 岩橋 茅津(Gt) 中村 龍人(Ba) 清弘 陽哉(Dr)

インタビュアー:秦 理絵

情けないほどに恋焦がれるあの子への想いが、宇宙への憧れとロマンチックに溶け合っていく。ノスタルジーに満ちたギター・ロックを鳴らす大阪発の4人組バンド、Bye-Bye-Handの方程式が初の全国流通盤ミニ・アルバム『ろまんす快速特急』をリリースする。2月に新ベーシスト、中村龍人が加入。新体制初となる今作は、70年代ポップスのテイストを大胆に取り入れたことで、バンドに新たな可能性がもたらされたという。メンバー全員の個性を生かしたふくよかなアンサンブルとメロディが冴えわたり、いよいよバイハン(Bye-Bye-Handの方程式)がその本性を発揮してきたと感じる1枚だ。前作『Flowers』からわずか6ヶ月で。いかに彼らは快作『ろまんす快速特急』に辿り着いたのか。唯一無二の個性を獲得した道のりをメンバー全員に訊いた。

-2月にベースの龍人さんが正式メンバーに加入されたことが発表されましたね。"正式に入ってほしい"っていうような会話はあったんですか?

泰輝:サポートをお願いしてから、1ヶ月後ぐらいですかね。告白したのは(笑)。

茅津:"お前しかおらん"と。

泰輝:一応、最初は"サポートでもいいからお願いしたい"というので引き受けてもらったんですけど、こっちとしては、そりゃ(正式メンバーとして)入ってほしいよなって空気感はあって。"いつ言う?"、"じゃあ、"今日のスタジオが終わったら言うか"みたいな。

龍人:(笑)

泰輝:あんまり真剣なムードを出したくないから、軽い感じで、"入ってほしいと思ってるんや"というようなことを言ったら、"俺も勝手に入ろうと思ってた"って答えてくれて。両思いやのに告白できないカップルみたいな状態でした。

-微笑ましい(笑)。それはいつ頃ですか?

陽哉:去年の6月とかじゃない?

-そんなに前だったんですか。前作『Flowers』(2020年9月の3rdミニ・アルバム)のリリース前ですよね。

泰輝:そうなんです。前作までは、当時のベースと作ったから、ちゃんと区切りをつけたかったんですよ。こっちの気持ちとしては正規メンバーとしてやってたんですけど、発表するタイミングは今がきれいなのかなって。音源に参加するのは今回が初めてなので。

龍人:早くみんなに知らせたかったです。周りの人にも、"サポートやんな?"って聞かれて、"まぁ、うん......"みたいな。なんて答えていいかわからなかったので。

泰輝:周りは薄々気づいてたけどね。

-メンバーから見て、龍人さんはどんなベーシストですか?

陽哉:やんちゃ。

龍人:それベーシストとして、じゃないやん(笑)。性格!

茅津:いや、ベース・ラインも落ち着いてはいないというか。遊んでくるから。

泰輝:たしかに。さっきも車の中で、一緒に作ったデモを聴いてきたんですけど。自分の作った曲でこんなベースを聴くとは思ってなかったなって。今、新しい風が吹いてますね。

-アルバムの先行シングル「romance tower」では、早速、間奏でベースが主張してますね。

龍人:あれは、(泰輝に)欲しいって言われてつけたんですよ。

泰輝:それも、あの一部分のセクションに対して、龍人は何パターンも用意してくれて。"どれがいい?"って提案してくるんです。そういうのも初めてでしたね。"え、選べるの?"みたいな。それで、今回は曲を作る行程も新しくなったなと思います。

-曲の幅も広がるだろうし、心強いベーシストが加入しましたね。

泰輝:そうなんです。

龍人:ありがとうございますっ!

-リリースとしては、去年の9月にリリースした『Flowers』以来6ヶ月ぶりなので、スパンとしては早めかなと思いますが。

泰輝:早いですね。『Flowers』 のレコーディングを終えた次の日に、この『ろまんす(快速特急)』の制作に取りかかったんです。世の中的にもライヴをしづらい状況だったから、僕らは曲を作るしかないし、ありがたいことにリリースする機会を用意してもらえたので。ひたすら突っ走ってました。

-ライヴが少ないなかで、ひたすら制作に向き合うというのはどうでしたか? 集中できて良かったのか、逆にインプットが少なくて苦戦したのか。

泰輝:コロナの影響で僕らが何か変わったっていう感覚はないんですよ。リリース・スパンが早いのも、いつものことというか。

陽哉:もともと泰輝は曲を作るのが早いから、僕ら楽器陣は頑張ってついていく感じだしね。

泰輝:『ろまんす』の曲も、ほぼ去年にはできてました。

-たしかに。これまでも3~4ヶ月スパンで作品を出したこともあります。

泰輝:そうなんです。だから、僕ら的には、制作期間に入ったときにライヴができない状況にちょうどなっただけで、じゃあ、制作に集中しようって切り替えてましたね。

-他のメンバーは?

龍人:(コロナの状況を)ネガティヴなものに捉えはしなかったですね。むしろ集中するブーストをかけられたなと思います。

陽哉:僕もそうかな。逆にライヴがあったら、泰輝の制作が早すぎて死んでた(笑)。

茅津:ライヴがまったくできなかったときは、もどかしさもありましたけど。例えば、「待ってくれないわ」とかは、ライヴを意識して作った曲なんですけど、ライヴができないからこそ、どうすればライヴで盛り上がるかっていうことを、逆に意識できたんですよ。

泰輝:この時期があって良かったとは言えないけど、この時期があってこその未来を迎えられるんじゃないかっていう気持ちで、活動できてると思いますね。

-制作期間は前作から地続きだったみたいですけど、前作『Flowers』と、今作『ろまんす快速特急』は、明確に違う意図のもとで作られた作品なんじゃないかなと思ったんですよ。その間にメンバー加入以外にも何か変化はあったんですか?

泰輝:一番の違いで言うと、今回のアルバムは"ろまんす快速特急"っていうタイトルが最初に決まってたんですよ。『Flowers』でこういう作品を作ったから、次はこういう作品を作りたいって流れがあって。そういう作り方をしたのは初めてのことだったんです。

-『Flowers』から『ろまんす快速特急』の流れで見せたかったものというのは?

泰輝:『Flowers』は王道ポップスをやるつもりで作ったんです。僕らは高校生のときからバンドを始めて、最初はポップだったんです。でもポップなものって、自分らしさが出にくいなって感じてて。いろいろなところに回り道して、難しいことをやったりもしたんですけど。もう1回、王道のポップスで勝負をして、次どう変化していくか? って基準のアルバムを作ろうというのが『Flowers』だったんです。

-2作品を通して、バイハンのポップスを拡張していきたかった?

泰輝:うん。前回の『Flowers』で得たものを残した状態で、『ろまんす』では、レトロさの目盛りを増やしてみたりとか。何かを増やしていくっていうことをやりたかったんですよね。

-"ろまんす快速特急"というタイトルで作りたいと思ったのは、どうしてですか?

泰輝:前作『Flowers』でリード曲だった「あの子と宇宙に夢中な僕ら」という曲に、"急行電車"って単語が出てきて。そこからなんか電車っていうものにトキメキを感じるようになったんです。"銀河鉄道999"もそうですけど、電車が出てくる作品のワクワク感はなんだろう? っていうところもあって。

-電車のトキメキって、言葉で表現するのが難しいですよね。

泰輝:そう。イメージとしては、電車で知らない街に行くというよりは、自分の馴染みの街で乗る電車なんです。自分が乗り慣れてる電車から、いつも見てる風景を眺める。それこそ、自粛期間に作った影響があるかもしれないです。(2020年3月の)緊急事態宣言のときに作ったので。まったく外に出られませんっていうのは人生で初めての経験やったし、そんな状況で曲を作ったら、暗い曲になるのかと思ったけど、ものすごくポジティヴなものになったんです。部屋に閉じこもってる自分が外に出たいっていう欲が曲に反映された。あとで考えてみたら、そういうことかもしれないです。

-まさに1曲目の「最終トレインあの子の街へ」は、"あの子"という存在に向かってまっすぐに突き進んでいく、ポジティヴなエネルギーが溢れたロックンロールですね。

泰輝:これは作ってた時期が『Flowers』と重なってるんですよ。だから、"前作に入れたらいいんじゃない?"っていう話もあったんですけど。僕の中では、こいつが次のアルバムの軸になるなっていう確信があって。そのあとに「待ってくれないわ」ができて、一気に他の曲もできていきましたね。

茅津:たしかに、そこから急に曲ができたな。